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「N-06A」開発者インタビュー
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無線LANでケータイの使い方を変えるNEC
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左からNEC モバイルターミナル事業部 商品企画Gの板本真一氏、NECビッグローブ アプライアンス事業開発本部の塩梅健治氏
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ドコモの夏モデル第1弾としてNEC製のFOMA端末「N-06A」が発売された。無線LAN機能を搭載し、カメラ機能との連携が図られているほか、アクセスポイントとしても利用できるようになった。同端末の特徴について、NEC モバイルターミナル事業部 商品企画Gの板本真一氏と、NECビッグローブ アプライアンス事業開発本部の塩梅健治氏に伺った。
――まずN-06Aの基本コンセプトから教えてください。
板本氏
昨年11月に弊社はT-Style & タッチパネルを搭載した、「N-01A」を発売しましたが、N-06Aはその後継モデルとなります。ヒンジの剛性などのハードウェア面の改善と、タッチパネルの対応メニューを増やすソフト面での改良に加え、8.1Mのカメラ、さらに無線LANを搭載し、より進化した端末となっています。メインターゲットはPRIMEユーザです。、最先端の携帯端末を使ってみたいけれど、できるだけ簡単でわかりやすいものがほしい、という人にも手にとっていただきたいですね。
液晶画面がVGAになったり、多くの機種でワンセグやFeliCaへ対応、コンパクトデジカメにも引けを取らない高画質なカメラ搭載するなど、携帯電話はこの2~3年で大きく進化しました。しかし、これからはハードウェア部分だけではなく、さらに一歩進んだ、ネットワークに融合した携帯電話というものをNECとして提供して行きたいと考えました。その第1弾となる製品がN-06Aというわけです。
とは言え、無線LANがあるというだけで売れるとは我々も考えてはいません。BIGLOBEのサーバー上に撮影した写真をアップロードできる「ライフストレージ」、iアプリを利用して、その写真を家族や友達と共有可能な「フォトポケ」。また、ニンテンドーDSやWi-Fi対応ゲーム機と繋がる「アクセスポイントモード」など、無線LANを使った魅力的なサービスを用意しました。
──デザイン面はいかがでしょうか。
板本氏
N-06Aは液晶面がゆるやかな角度で立ち上がる(アークスライドのような)形になるため、非常に見やすいというところが特徴ですね。N-01Aと比較してもらうと分かりやすいと思いますが、キー面と液晶面が平行していますよね。N-06Aは液晶部分に傾斜がついているんです。N-01Aは20代前半がメインターゲットでややポップなデザインでしたが、今回はより大人のための携帯として、フォルムや色使いに、高級感や落ち着いた感じを出してみました。
N-01Aよりもスペック的には厚みが約1mm増していますが、ラウンドフォルムにすることで、その厚みを感じさせない持ちやすさ、使いやすさを重視しました。実は8.1Mカメラ、無線LANの搭載は、サイズには影響を与えていません。しかし、アークスライドのように液晶面をゆるやかな角度で立ち上げ、画面を見やすくすることと、ラウンドフォルムを採用し、持ちやすくすることを重視しました。スペック的には約1mm厚さが増しておりますが、その厚さを感じさせない持ちやすさ、使いやすさを実現できていると思います。
──薄さよりもホールド感や使いやすさを重視したということですか。
板本氏
そうですね、ネットで事前にスペック情報などを調べる方は多いですが、やはり最終的にどれを購入するかというのは、実際に店頭で実機やモックアップを手にしてから決めることがほとんどだと思います。スペックだけにこだわるよりも、使い勝手を考えて作られたデザインだと言えます。
次に810万画素のカメラについてですが、前モデルから進化したポイントとして「スピードムービー」機能というものがあります。スピードムービーは120fpsで動画を撮影し30fpsでの再生、つまり撮った動画をスローモーションで見られるようになりました。またAAC方式のコーデックに新たに対応したことで、N-06Aでは臨場感ある動画を楽しんでいただけると思います。
このほか、N-01Aにも搭載されていたパノラマ撮影が、最大137度から最大240度にまで拡大されました。オートフォーカスやスマイルモード、ペットモードなど好評だった機能は引き続き搭載しています。
──T-Style & タッチパネルというところは前モデルから継続していますが、何か改良されたポイントはありますか。
板本氏
シェアスタイルでの送受信メールの閲覧時、表示が全画面になりました。またメールの参照返信自体はN-01Aにもありましたが、参照メールのスクロールが可能になるなど、細かいところを改善しました。そのほかにも、フルブラウザ用のタッチメニュー、タッチメニューから待受画面にすぐ戻れるボタンなどを用意することで、使い勝手をより向上させています。
──今回はN-06A向けに「ライフストレージ」というサービスも用意されましたね。
板本氏
今回一番注目していただきたいのは、“SHOT & SHARE”をキーワードに、ユーザーさんが撮影した写真を、設定した時間あるいは寝ている間に、自動的にBIGLOBEのストレージにアップロードできる「ライフストレージ」というサービスです。利用シーンとしては旅行先や飲み会などを想定しました。アップロードした写真は、「フォトポケ」アプリを使って共有設定を行えば、友達や家族にアルバム形式で見せることが可能です。また、アップロード済みの写真は携帯側には100KB程度のサムネイルだけを残すシステムなので、端末側のメモリを気にせずどんどん撮影できるのも大きな特徴といえるでしょう。
──高画質で撮影した画像データとなると結構サイズも大きいですが、混雑する時間帯でも指定した時間通りにアップロード可能なんでしょうか?
板本氏
そこはネットワークの負荷を軽減するよう、例えばユーザーが17時と設定した場合、17時00分~17時59分の間にアップロードするようになっています。
──現時点では携帯電話で写真を共有できる、というサービスですが、将来的に例えばデジタルフォトフレームのようなものとの画像共有といったこともお考えですか?
塩梅氏
はい、もちろん検討していますが、まだまだネットワーク対応のフォトフレームというのは、現状ハードルが高いですね。多くの方がより一般的に扱えるようになった時点で、サービスの一つとして検討する予定です。今回ライフストレージのサービスを携帯電話向けに提供することにしたのは、常にネットワークに繋がっていて、日ごろから身につけているものだから、まずは携帯で……という発想です。今後は、NECグループとしての連携を生かしPCや携帯電話の連携によるシームレスなサービスを拡充していくと共に、フォトフレームやカーナビなど様々な機器に対応したサービスなども企画していきたいですね。
──現時点でアップロードできる写真のみですが、将来的にそれ以外のデータを蓄積し、共有するようなことも検討されていますか? 例えば、スマートフォンではアップルのMobileMeのようにネットワークドライブ的な方向も見えてきています。
板本氏
今は静止画だけですが、もちろんメールや動画などをアップロードできるようにしたいですね。アルバムを使った画像のシェアと同じように、アップロードしたさまざまなデータを共有できるように、検討していきたいです。
塩梅氏
今までの携帯電話は、カメラやワンセグなどで発展してきましたが、今後は、ネットワークとの融合による新しい機能・サービスが、さらに上のステップとして必要だと考えています。
──しかし、無線LANの設定が必要になると、ユーザーによっては使う前から「何となく難しそう」と感じるかもしれません。これについてはいかがでしょう。
板本氏
高機能な携帯を使いこなせるプロユーザーがターゲットではありませんので、その辺は十分考慮しました。実はN906iLの時に、やはりユーザーさんから無線LANの設定が分かりにくい、という声は出ていましたので、N-06Aでは本当に誰でも手軽に使えるよう、設定を簡単にしています。お持ちの無線LANルーターにもよりますが、WPS対応の物であれば、N-06Aは、待受画面から設定メニューを選び、暗証番号を入れるだけでアクセスポイントのスキャンが始まり、無線ルーター側は、専用ボタンを押せば接続が確立されます。
WPS非対応の無線ルーターだった場合も決定キーを長押しすることで、近くにあるアクセスポイントを探し、あとはWEPキーを入力していただければ接続できます。N-06Aの紹介ページにも無線LANへの接続手順を解説したFlashをご用意していますので、もしわからなくなったらそちらをチェックしていただければ大丈夫です。
我々としては、N-06Aのために無線LANルーターを購入していただくというよりは、「ちょうど無線LANも使っているし、だったら色々試してみよう」というユーザーの方が多いと予想しています。携帯からブラウジングも快適ですし、既にご自宅に無線LAN環境があるならば、ぜひ試していただきたいです。
――マニア的には「アクセスポイント」モードの存在が気になります。
板本氏
こちらはウィルコムさんから出ている「どこでもWi-Fi」と似た機能とお考えいただけると分かりやすいかもしれません。外出先でもどこでも、N-06Aさえあれば携帯ゲーム機とつなげて、ネット対戦ゲームが楽しめるというものです。
ゲーム機だけではなくPCとも接続できますから、携帯電話の小さい画面ではなくて、お手持ちのPCとつないで外出先から仕事上の資料をチェックするといった使い方も可能です。
──一人暮らしを始めた学生や新社会人など、固定のブロードバンド回線を引かずに、N-06Aとの連携だけで済ませることもできそうです。ISPでもあるBIGLOBEとしては、あまり嬉しい利用方法ではないかもしれませんが(笑)。
塩梅氏
まだ現状では見えないところもありますが、通信だけでなくネットワーク対応の機器も増えてくるので、利用シーンに応じてユーザにメリットがある形でサービスを提案していきたいと思います。
──そのほかにも何か特徴的な機能はありますか?
板本氏
Bluetooth対応機能は以前もありましたが、新たにDUN、SPP、OPPの各プロファイルにも対応したことでしょうか。カーナビやオーディオ機器へのワイヤレス接続も可能になりました。特にカーナビへの接続はユーザーからの要望も多かった点です。
──それでは最後に、読者に一言お願いします。
板本氏
N-06Aはネットワークとの融合性を高め、使いやすさはもちろん機能も進化した端末です。自宅に無線LANがなくても、アクセスポイントモードで対戦ゲームを楽しんだり、できることの幅をぐっと広げてくれる製品に仕上がりました。もちろん携帯電話としての基本機能も前モデルのN-01Aと比較して、ぐっと向上していますので、ぜひ一度店頭で手にとって見てください。
──本日はありがとうございました。
■ URL
製品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/prime/n06a/
製品情報(NEC)
http://www.n-keitai.com/n-06a/
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(麻生 ちはや)
2009/05/22 13:27
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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