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「SH-04A」開発者インタビュー
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タッチとフルキーで携帯の新しい流れを提案
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2月中の発売が予定されている「SH-04A」は、ケータイにタッチパネルディスプレイとQWERTYキーボードを搭載するという新しい試みがなされた異色の存在であり、注目度の高い製品だ。そのスタイルが誕生した経緯や特徴について、通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 商品企画部 部長の木戸 貴之氏と、同じく商品企画部 係長の大屋 修司氏に伺った。
■ フルキーボード≠スマートフォン

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木戸 貴之氏
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大屋 修司氏
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――まずはSH-04Aの開発の経緯をお聞かせください。
大屋氏
「SH-04A」はフルスペックケータイの操作をタッチパネルとフルキーボードで行うというものですが、メインケータイとして使っていただけるような、新しいUIをもった先進のケータイを提案しようと考えて企画しました。
ですから、ターゲットユーザーもいわゆるスマートフォンやPDAユーザーではなくて、自分のブログを持っていたり、あるいはSNSで自分のぺージを持っていたりして、毎日写真日記を掲載している、あるいは、電車の中でもずっとメールを書いているようなケータイを積極的に使われているような方々です。
――つまり、ターゲットは普通のケータイユーザーということでしょうか。
木戸氏
そうですね。強いて言えば、中でもケータイも活用しながら、パソコンも使いこなし、積極的に情報発信されているような方に使っていただきたいですね。現在2台目需要とか世の中で言われてますが、そういう方々に1台目として使える端末をご提案したかったんです。
大屋氏
企画の際に配慮した点がいくつかあります。日本の場合、特に考慮しなくてはいけない点として、まず片手で使えることが挙げられます。そのため持ちやすいサイズ感や、片手の親指でタッチできるという点を意識しました。
もう1つは、日本独特のメール文化。これはとても大切に考えています。そこで長文入力がしっかりできるようにということで、QWERTYのキーを搭載することにしました。キーを無くしてタッチだけでもいいのではないか、などいろんなアイデアはあったんですが、やはりしっかり入力するならパソコンのような配列の打ちやすいキーボードも導入したかったんです。
3つめは、閉じた状態でもしっかりワンセグや動画といったエンターテインメント系の機能を楽しめることです。さらに、ユーザーさんの利用シーンとか使い方によって、縦と横と開いた状態の3スタイルを使い分けて、快適に使えるようにしたかったんです。その結果がタッチパネルとフルキーボードを搭載したこの「SH-04A」です。内蔵している加速度センサーによって、縦横の向きを持ちかえるだけで自動的に画面が回転する機能も入っています。

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フルキーボードを搭載
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5.2メガピクセルのカメラも搭載
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カメラの顔認識機能
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――中身は普通のケータイで、テンキーではなく、キーボードがついているわけですよね。先ほども触れてましたが、タッチでキーボードというと、すでにPDAやWindows Mobileを搭載したスマートフォンが存在します。
大屋氏
PDAやスマートフォンの良さは、自分で使いたい機能をどんどんインストールして、自分の使いやすい端末に育てていける機能の拡張性にあります。しかし、その良さも慣れないユーザーさんにとっては、“難しい”というイメージにつながっていると考えています。
しかし、中身が使い慣れた普通のケータイで、しかも機能はフルに搭載されたケータイであればそのような心配はいりません。しかもQWERTYのキーボードを搭載しているので、普段は片手でタッチで操作し、必要なときはキーボードを出して両手でじっくり入力できるんです。
――利用シーンとしてはどのような場面を想定されていますか。
大屋氏
本当にごく普通に、これまでみなさんがケータイを持って生活しているのと変わりません。違うのは、タッチパネルとキーボードを搭載し、ケータイにパソコンの操作感を加えたことで、記録や情報発信がより気軽にできるようになってることですね。
カメラは520万画素のCMOSを採用しておりますので、鮮明な写真が撮れます。だから外出先で出会ったおいしい食べ物の写真をより綺麗に撮れます。AFで手ブレ補正もついていますし、「顔検出機能」や「笑顔フォーカスシャッター」、「振り向きシャッター」もついてます。撮ってからサッとキーボードを出すと、スライド連動機能で写真を添付したメールの新規作成画面になるので、キーボードを使ってしっかり文章を書いてブログをアップするといったスムーズな使い方ができます。
このような文章の書きやすさが、日記やブログの内容にも影響を与える可能性も十分考えられます。そんなところから、今までの携帯電話とはちょっと違う、ライフサポートを含めた新しい使い方というのを少し感じていただけるんじゃないかなと考えています。
――なるほど。ドコモのラインナップでは「PROシリーズ」ですが、どちらかというと「PRIMEシリーズ」の延長という印象を受けました。
木戸氏
iモードも普通に使えますし、できることは今までのオールインワンのケータイと何も変わらないんですよ。
■ キーの数を必要最低限に

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改良された現在のキー配列(左)と、製品発表当時のキー配列(右)
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文字入力画面
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タッチパネルでの文字入力
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――ソフトバンクの「インターネットマシン」や、ウィルコムの「WILLCOM 03」と比べると、キーボードのキーの数が少なく、かなりすっきりした印象です。相当のこだわりがあったのではないでしょうか。
大屋氏
開発にあたり、一般のお客様が見たとき、パッと見が難しく感じないか、どこまで使いやすくできるかという点を非常に意識しました。そこで、いかにキーを減らすかというところで苦労しましたね。
個々のキーを大きくして、押しやすく、見た目にも難しくなさそうな、QWERTYなんだけれども必要最低限というか、必要十分なキーしかないという形を目指して議論を重ね、最終的に32個になりました。
――手の小さな女性でも、両手で持ったときちゃんと中央のキーまで親指が届くところがいいですね。
大屋氏
キーの押し感や飛び出し、長文を打っても疲れないようにという点も含めて、そのあたりのサイズはかなり気を遣ったところです。キーの配列も発表当時とは若干変わっています。メールを入力する際の使い勝手にこだわりたかったので、発表した後でしたが、実際の利用シーンに合わせて「、」「。」や「*」、「#」キーの位置を変更しました。
デザイン面でも、若い女性も意識してまして、キーにはオリジナルフォントを使用しています。フォントのデザインまで含めてトータルデザインとして見ていただけるとうれしいです。
――配列についてもいろいろ検討されたということですが、最後まで悩まれたところはどこでしょうか?
木戸氏
一番議論したのはやはり数字ですね。数字を独立させるかさせないかです。テンキーが独立してるほうがいいのは分かってるんですけど、その分他のキーが小さくなってしまうことと、あるとスマートフォンやPDAのような印象を持たれるので、見た目の違いを出すという意味でも最終的には独立させませんでした。
大屋氏
必要最低限のキーに納めたわけですが、ガイドボタンまで無くすことは結構勇気がいりました。
■ ショートカットで範囲指定やコピペできる
――パソコンの操作感といえば、ショートカットも使えるとか。範囲指定やコピー&ペーストができるということですか?
大屋氏
そうなんです。実は密かにこだわった点でもあります。範囲選択は「↑」+「カーソルキー」、選択範囲のコピーは「↑」+「Fn」+「C」、選択範囲の切り取りは「↑」+「Fn」+「X」、貼り付けは「↑」+「Fn」+「V」、アンドゥ(やり直し)は「↑」+「Fn」+「Z」です。「Fn」+「CLR」にアプリ終了の機能も入れています。
木戸氏
今までのケータイでも範囲指定や切り取り、コピー&ペーストはできますが、範囲指定のやり方が独特ですよね。始点と終点をそれぞれ選ぶ必要がある。それがパソコン的にスピーディに行える点が異なりますね。タッチで始点と終点を選んで指定という方法ももちろん可能ですが、やはり文章を打っている途中での切り取りやコピーは、キーボードでできた方が便利だろうと考えました。
――Windowsパソコンでは「Ctrl」キー1つで済みますが、この端末では「↑」+「Fn」の2つを押さなくてはいけないのですか。
大屋氏
そのあたりも、左手の親指で同時に押せるよう配置してあるんですよ。キーは増やしたくないけど、なんとかコントロールキーと同じ動きを当てたいということで実現しました。
■ タッチパネルで独自の“作法”を提案
――タッチパネルでこだわった点を教えてください。
木戸氏
まず片手で、閉じた状態でタッチだけで操作できるということを目指しました。「バーチャルキー」を用意しているので、閉じた縦画面の状態でもアプリの操作や文字入力が可能です。キーボードを使うほどではない、という場面もありますからね。
大屋氏
駅のホームで荷物を持ちながらの入力にQWERTYキーボードを使うのはちょっと辛いですよね。そんなときでも、縦位置で、タッチで、しかも予測変換で文字入力できます。
また、直感的かつ簡単につかっていただきたいので、縦横どちらにも対応した「待受タッチランチャー」というメニューを独自に用意しています。Google検索や地図検索、ワンセグ、iモード、カメラといったよく使う機能がすばやく起動できます。
特に注目していただきたいのは、さまざまな設定も待受画面のアイコンをタッチするだけで直接アクセスできるようになっている点です。従来ですと、Bluetoothやアラームを設定したいと思っても、どこから設定するか分からなかったり、設定メニューから深く入る必要があったと思います。それが待受画面に表示されているアイコンエリアをタッチするだけで、視覚的かつ直感的にアクセスできるようになりました。
――それはかなりわかりやすいですね。
大屋氏
例えば、待受画面で「時計」をタッチしていただくことで、さっとスケジュールが起動しますし、iチャネルのテロップをタッチするとiチャネルが起動します。やはり見えているものをそのままタッチすることで使えるというのが、タッチパネルとしての大きな特徴の1つです。そこをしっかりカバーすることで、タッチパネルのよさをしっかり出せていると思います。
もう1つ、日本のケータイの使い方の特徴として、壁紙や着信音などのカスタマイズ頻度が高いというのがあります。そういったところもタッチでおもしろく、簡単にできるんじゃないかなと思いまして、待受画面で長タッチすると、壁紙の変更画面に入り、ドラッグ操作で簡単に壁紙を変えられるようにしてあります。お気に入りの写真をフォルダに集めておいて、その日の気分で手軽に変えられます。
タッチですから、もちろん写真もスムーズにめくっていただけますが、一覧画面で写真を長タッチしていただくと、メール送信や、赤外線送信みたいなものがメニューとして出てくるようになっています。そのメニューに指先で写真をドラッグすることで、その写真を添付したメールが作れたりするんです。
――なるほど。アイコンにマウスでデータを放り込む感覚ですね。
大屋氏
そうです。ちょっとパソコン操作に近いんですけど、新しいスタイルの端末ですので、こういった新しい“作法”みたいなものを提案していくことで、新たなケータイ文化が創れたらいいなと考えて取り組んでいます。
■ パソコン用のメールもチェック

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「リモートメール アプリメール for SH」
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――その他にお勧めの機能があったら教えてください。
大屋氏
iモードメールが普段通り使えるのはもちろんですが、広い横画面をフルに使ってPOPメールも利用できる「リモートメール」のiアプリ「リモートメール アプリメール for SH」をプリセットしています。
――「リモートメール」というのは、ケータイでパソコン用のメールが見られる有料サービスですよね。
大屋氏
その通りです。運営元のfonfunさんとお話させていただいて、「SH-04A」向けに横フルワイドのリモートメールiアプリを準備していただきました。非常に見やすい上にスクロールが早く、かなり長いPC向けのメールでも素早く表示できます。
リモートメールはPOPサーバー内のメールを表示するので、端末にメールを残さない点も安心なところです。ですから、例えばビジネスメールなどのチェックも安心ですし、ケータイからチェックし、そのままフルキーボードを使ってパソコンのメールアドレスのままで返信できます。プライベートでは、どこにいてもオークションやネット通販のメールを確認できますし、検索による絞り込みも可能です。
もともと有料のサービスですので、本格的に利用する場合は有料版のリモートメールをご契約いただく必要があるのですが、今回は試用版という形で、60日間は無料でお試しいただけます。ただ、60日経過後も、1日1回はご利用いただけます。
――もともとあるサービスを、あえてiアプリとして用意したのはなぜですか。
大屋氏
いろいろ聞いてみると、普通のケータイからパソコン用のメールもチェックできるというのをご存じない方も結構いらしたということ、ビジネスメールはもちろんですが、プライベートでも用途に応じてケータイのメールとパソコン用のメールを使い分けている方がいらっしゃること、SH-04Aのようなスタイルのケータイであれば、ヨコ画面とフルキーボードを活かして、パソコンの操作感でご利用いただけるだろうと考えたからです。
そんな使いやすさに加え、パケホーダイの範疇で使えるという部分がユーザーさんから見ると非常にメリットとして大きいかなと思います。
――自宅でパソコンを共有している方や、あまり頻繁にパソコンを立ち上げない方でも、これがあればパソコン用のメールチェックがいつでもできるというわけですね。
大屋氏
その通りですね。
――最後に一言お願い致します。
大屋氏
キーボードがついていることで、、難しそうと感じる方も多いのではと懸念していますが、実際はそうではないというところをとにかく強調したいですね(笑)。普通のケータイをタッチとキーボードで操作できる、この新しい使いやすさを実感していただきたいです。
木戸氏
一番の入り口のところから操作性にこだわっていますから、手に取ったらまずは待受画面に注目してください。タッチするとランチャーが起動し、待受から設定にいけたり、壁紙を変えることもできます。このような新しいケータイの提案というのをこれからも続けて行きたいと考えておりますので、まず見に来て実際に手に取って使用感を体験していただきたいですね。
――本日はありがとうございました。
■ URL
製品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/pro/sh04a/
製品情報(シャープ)
http://k-tai.sharp.co.jp/dash/d/sh-04a/gallery/
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(すずまり)
2009/02/05 17:34
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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