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「HONEY BEE 2」開発者インタビュー
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2台目としての楽しさを訴求する新モデル
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“通話とメール”というシンプルな機能で、その世界観とコミュニケーションの楽しさを訴求しようというコンセプトで開発され、学生などに人気の「HONEY BEE」。そのHONEY BEEにカメラ搭載の新モデル「HONEY BEE 2」が登場した。
今回は、京セラの通信機器関連事業本部 マーケティング部 デザイン課 西本圭太氏と、同じくマーケティング課 田邊正昭氏に、新モデル開発の狙いについて伺った。
■ 開発経緯と改良点
――まずは「HONEY BEE 2」の開発コンセプトを教えてください。
田邊氏
初代の「HONEY BEE」をリリースしたのが今年の2月です。おかげさまで大変好評いただいておりまして、ずっと高いシェア、高い満足度を維持しております。ただ、ユーザーの方や販売店側から「カメラがあったほうがもっと楽しいのに」など、多数のご意見をいただきました。そこで、発売して1カ月後にはご意見を反映させた第2弾の企画が持ち上がりました。
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新たにカメラが搭載された
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――新たにカメラが搭載されたのですよね。
田邊氏
そうです。大きな変化としては、カメラモデルになったことですね。名前こそ「HONEY BEE 2」となっておりますが、商品名としては「HONEY BEE」のままです。初代「HONEY BEE」の商品コンセプトそのまま引き継いでおりまして、若い女性が2台目の通話・メール専用端末としてお持ちいただくのに適した楽しいデザインに仕上がっていると思います。
――「HONEY BEE」のユーザーで一番多いのは学生ですか?
田邊氏
24歳以下がほとんどです。特に女子高生や女子大生のニーズは高いですね。2台目が欲しいという方は非常に多いようです。
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初代の「HONEY BEE」(左)と「HONEY BEE 2」。液晶の周りにラメが施され、キーにも改善が加えられた
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――他にどのような点が改良されたのでしょうか。
西本氏
一見するとデザインは初代の「HONEY BEE」と変わってないんですけども、実は外観部品は新規に起こしていて、ほとんど違うものなんです。
――でもデザインは変えなかったと?
西本氏
カメラをつけるのだから、デザインも変えようという話もありました。実際にデザインのテイストを変えたデザインモックも作って検討はしたんです。しかし、今ユーザーに好評いただいている部分がスポイルされてしまうのはどうかと。「HONEY BEE」の、今までのケータイにはなかった、ポップで楽しい雑貨のような世界観は残すべきじゃないかということになりました。
ただし、使い勝手の向上は図りました。例えば、本当に細かいんですけども、クリアキーと、終話キーの大きさを変更しています。クレームというほどではなかったんですが、他のキーよりも小さくて押しにくいというご意見を多数いただいておりましたので、改善しています。
また、サイドのロックキーに関しては、色によって塗装の仕様が違うので、黄色だけボタンが固いとか、逆に黒はすごく柔らかいといった声がありました。全て一定の品質を保つために、ストロークを長くしたり、ボタンの大きさを変えたりという変更を施しています。
あとはメールキーや、ウェブキーを彫刻にし、より「HONEY BEE」の世界観が伝わるようになっています。
――全体のサイズが小さい中での変更というのは大変ではないですか。
西本氏
例えば先ほどのクリアキーや終話キーの場合、コンマ何というサイズアップのために、他の部分ではかなり細かいサイズ調整をしています。
カメラがついて、赤外線通信ポートの位置が逆になっている以外、パッと見た感じでは同じデザインに見えるんですけれども、実際はボタンをはじめとしてほとんどを新規で製作しているわけです。
■ “元気”で“ポップ”な世界観
――カラーにも変更がありますね。
西本氏
今回は発売がクリスマス時期にあたるため、「Twinkle Twinkle」というコンセプトでデザインしています。端末からキラキラ光るクリスマスツリーの飾り付けみたいな雰囲気が出ないかなと思いまして、ウィンドウの周辺にラメをちりばめたような演出をしてみました。「HONEY BEE」のもつ“元気”で“ポップ”という独自の世界観を大切にしたかったので、他の端末では見られないようなラメを使っています。
――かなりインパクトのあるラメだと思いますが、どの点が他と違うのですか。
西本氏
1粒1粒が大きめな印象を与えていると思いますが、このラメはあまり携帯電話には使われないものなんです。実はパチンコ台やゲームセンターのゲーム機に使われる、アミューズメント用に開発された粒子らしく、ちょっと派手かもしれませんが、「HONEY BEE」ならではの新しい世界観が出せたと思います。
さらに遊び心として、自分の好きな機能を割り当てられる「マイオリジナル」のキーを、ハチのお尻のような形にしました。
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初代「HONEY BEE」の3色(左)と「HONEY BEE 2」の5色
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――かなりかわいいですね。でも端末カラーに黄色があったら、さらにハチらしくなったのではないでしょうか。なぜ今回のラインナップから黄色をなくしたんですか?
西本氏
そうですね。確かにそういう声もあります。初代はその雑貨感やポップでカワイイという世界観を演出するため、「HONEY BEE」を象徴する色として黄色を投入しました。「HONEY BEE 2」では、初代の5色にも、コラボレーション端末にもなかった色を取り入れてみたいと思い、グリーンをコンセプトカラーに選びました。
実はこのグリーンも、初代で入れるかどうか非常に悩んだ色なんです。ですから「HONEY BEE 2」でぜひチャレンジしてみたいと考えました。新しいものが出たという新鮮さも強調されると思います。
――ちなみに初代のカラーで一番人気なのは何色ですか?
田邊氏
ピンクの人気がダントツですね。
■ カメラと遊び心
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西本氏(左)と田邊氏
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――昨今携帯電話に搭載されるカメラの画素数は数百万画素に達しています。今回搭載されたカメラは31万画素ですが、やはりそこはコストの問題でしょうか。
田邊氏
今回この画素数になったのは、端末のサイズの問題が大きいですね。サイズとしてはこれがギリギリで、一番小さなカメラをなんとか入れ込んだという感じなんです。もっと画素数を上げるとサイズが合わなくなってしまうんですよ。
西本氏
撮影した写真はメールに添付して送るか、ブログにアップするという利用シーンが考えられますが、31万画素でも十分見られるのではないでしょうか。特に「HONEY BEE」をご利用のユーザーさんは、通話する相手やメールする相手が同じ「HONEY BEE」だったりすることがかなりあると聞いておりますので、この端末間のやりとりであれば十分に楽しんでいただけるかなと思っています。
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選択できるシャッター音
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――なるほど。カメラのレンズ周辺も、ちょっと他の携帯電話とは異なりますね。
田邊氏
最近のカメラ付き携帯電話の場合、普通レンズの周辺には「3 MEGA PIXELS」などのスペックが印字されていますが、我々はそんなこと気にせず「Cheeeese!」と印字しました。つまり、カメラを楽しく使っていただきたいという思いが伝わる表現なんです。
西本氏
機能を訴求する端末ではないと思っていたので、世界観とコンセプトがダイレクトにユーザーに伝わるようにしたほうがいいのかなというのはありますね。
「Cheeeese!」も遊び心ですが、同じ遊び心といえば、シャッター音にもユニークな音を入れています。普通は「カシャ」という音が標準になっていると思いますが、「HONEY BEE」の標準シャッター音は「ピ~プ~」と気の抜けたような音が鳴ります。
――「ピ~プ~」が標準なんですか?
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デコラティブメールのライン例
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西本氏
これがデフォルトで全てに入っています。一応「カシャ」という音も入ってますので変更は可能です。
また、かなり細かい部分ではありますが、メニュー画面や壁紙などが変わっています。例えば、メインメニューの「赤外線」アイコンが“こたつに入ったハチ”だったり、かと思えばロボットのハチが出てきたりするんです。正直、機能的な意味はないんですけども、使っていてちょっと楽しいなと感じてもらえるようなものを入れて行こうと考えました。
デコラティブメールでもハチのキャラクタが活躍していますが、今回からはテンプレートだけではなくて、ラインにも登場しています。ハチが馬に乗っているものもあり、意味が分からないと言う方もおられるんですが(笑)。
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お守りになるハチのストラップ
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――こういう世界は愛着が沸いてきて、次もこれにしようと言う方は結構いるので、侮れませんよね。キャラクターグッズなどの展開もあるんですか?
田邊氏
今回もミツバチのストラップを用意しました。初代は通常のハチだったんですが、夏にブルーシールさんとコラボレーションした夏バージョンが登場しました。今回は冬バージョンということで、マフラーと帽子をしているハチを、端末のカラーにあわせて5種類用意しています。どれが入っているかはお楽しみということで。
各色に意味があって「お守り」のイメージを持たせています。例えば、ピンクのハチは「恋愛成就」、白いハチは「ダイエット」、ブルーは「仲良くなれる」、緑は「かわいくなれる」、黒は「学業成就」のハチです。サプライズもあるのでよく見てください。
――カタログにはシール付きですね。このシールは必ずついているんですか?
田邊氏
そうです。初代のときにも用意したんですが、これが欲しいあまりにカタログが大人気となり、あっという間になくなってしまいました(笑)。
――ちなみに最近は防水機能に注目が集まりつつありますが、「HONEY BEE」はいかがでしょうか。
田邊氏
多分ターゲット層としては防水機能があったらうれしい世代だと思うので、我々も認識はしています。しかしサイズの問題もありますので、もうちょっと先になると思います。
――最後に一言お願いします。
田邊氏
12月20日に渋谷の109でイベントを行います。「HONEY BEE」を持っていくとポップティーンのモデルさんと一緒にポラロイドで写真が撮れるという楽しいイベントです。ぜひ「HONEY BEE」と一緒に参加してください。
――本日はどうもありがとうございました。
■ URL
製品情報(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/consumer/wx331kc/
製品情報(ウィルコム)
http://www.willcom-inc.com/ja/lineup/wx/331kc/
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(すずまり, 編集部)
2008/12/02 15:14
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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