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「W62K/W63K/W64K」開発者インタビュー
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夏の京セラは基本機能の使いやすさ重視
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auの夏モデル12機種のうち約半数の5機種を供給する京セラ。今回は「K」型番が付けられた「W62K」「W63K」「W64K」の3機種と、ウィルコム向けに供給される「HONEY BEE」の新色について、京セラ マーケティング部マーケティング課の田邊正昭氏、佐藤由隆氏、マーケティング部デザイン課の播磨隆太氏に聞いた。
■ ベーシックモデルのW62K/W63K
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W62K
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――「W62K」「W63K」の2機種は、「ベーシックモデル」という位置づけだそうですが、他の端末とどう違うのでしょうか?
佐藤氏
ベーシックモデルとはKDDIさんが定義した新しい商品カテゴリーで、基本機能である通話とメールの使いやすさを重視した端末になります。やはり携帯電話の高機能化が進む中で、「機能を使いきれない」「必要ない機能が付いていてもわずらわしい」といった声が利用者から出ています。シンプルな端末に魅力を感じるユーザー向けの製品として、今回はW62KとW63Kの2機種を、このベーシックモデルとして開発しました。これまではシンプルな機能を求めるユーザーと一言でくくっていましたが、実際には年齢も性別も異なるわけで、できる限り幅広い層に対応するために40~50代向けにW62Kを、特に男性向けとしてストレートタイプのW63Kを、というイメージで用意しました。
――ターゲット層にあわせたデザインが異なるだけで、機能的にはどちらも同じなのでしょうか。
佐藤氏
機能面では2機種ともほぼ同じで、ワンセグ、FeliCa、LISMOには対応していません。よく使う機能に絞る一方、キーの段差を大きくしてボタンを押しやすくするなど、見やすさと使いやすさに注力しています。例えばW62Kは端末のサイドキーを全て無くしました。サブ液晶やその他操作は本体正面の「インフォメーションキー」で行なえますし、サイドキーを無くすことで誤操作も防げます。
キーの打ちやすさだけでなく、使いやすさを重視した機能として文字入力エンジンの新バージョン「iWnn(あいうんぬ)」を搭載しました。文字を入力した際の予測変換候補に、iWnnでは時間や季節に対応した言葉を優先的に出すようになりました。「はな」と入力した時に、春ならば「花見」を、夏であれば「花火」を優先させるといった具合ですね。
もう一つユニークな機能が「字数指定予測」です。長い単語を入力する時に、頭文字1文字だけを打っておいて、あとは右キーで字数を指定すると、その字数にあわせた変換候補が出てきます。字数を指定する際に、つい口の中で文字を数えながら「フンフン」言ってしまう人が多くて、社内では「フンフン入力」と呼んでいます(笑)。
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W63K
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――その他にベーシックモデルならではの特徴がありましたら、教えてください。
佐藤氏
FeliCaやワンセグなどの機能ではなく、40~50代のユーザーの関心が高い健康にまつわることを、ということで「ケータイ!健康録」を搭載しました。内容は日々の体重管理や、問診形式で自分の健康状態を一目でチェックできるといったものです。
――デザイン面はいかがでしょう。
播磨氏
先ほどの話の繰り返しになりますが、携帯電話が多機能化する一方で、シンプルな機能を求めるユーザーは確実にいます。しかし、そういったユーザーが既存の簡単ケータイを使いたいわけではないと思います。W62KとW63Kは使いやすいけれど、ユーザーのライフスタイルにきちんと合う端末としてデザインしています。W62Kは携帯を気軽に持ち歩けるカジュアルさを強く意識した全体をやわらかく包み込むようなフォルムが特徴です。一番のこだわりはキー部分で、指がひっかかりやすい大小2種類の凸形状を組み合わせ視覚的にも触覚的にも分かりやすい作りにしました。発信・終話キーは、他のキーと突起のサイズを変える等、細かい部分にまで配慮しています。
もう一つのW63Kは、40代の男性ビジネスマンをメインターゲットにしています。最近のストレート端末はポップなデザインが増えていますけれど、40代の男性にふさわしい品格のある高級感を、シンプルだけれどもしっかりとしたラインとその中に閉じ込めた様々な質感のコントラストで表現しています。端末のサイドの模様はカラーバリエーションごとに異り、カラーに合わせた肌触りのあるレリーフ模様は、大人ならではのお洒落を演出できたかなと思います。また、キー部分はストレート端末ならではのしっかりとした凹凸を持たせ、押しやすさを追求ました。
佐藤氏
自分にとって、必要な機能となるとある程度絞られ、実際に使う機能は少ないけれど、簡単ケータイのデザインや、簡単ケータイを購入すること自体に抵抗感があると言うユーザーは結構多いと思います。そういった方々に使い勝手もデザインも満足していただける製品として、W62KとW63Kの2機種をベーシックモデルとして発売します。使わない機能が付いてくるのは押し付けだと感じられるユーザーも増えてきているようですので、よく使う機能に絞り込んだということを、メリットとして受け止めてもらえればと思っています。
■ 手軽にワンセグを楽しめるW64K
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W64K
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――では次にW64Kについて教えてください。
田邊氏
W64Kは、昨年秋に市場投入しましたW53Kをベースをしたモデルとなり、auラインナップの中ではワンセグの普及帯にあたります。手軽にワンセグを楽しんでもらえるよう、W53Kで搭載した「ワンセグ一発起動」などの機能を搭載しています。
田邊氏
W53Kも幅広いユーザー層に使っていただいた端末なのですが、もっと高級感のあるデザインもほしいというご要望を多くいただいておりました。今回、ご覧の通り華やかさと高級さを分かりやすく、ダイレクトに表現してみました。
播磨氏
W64Kは、W53Kをベースに開発したモデルですが、より華やかさ、高級感をダイレクトに表現するため、全面にカラー蒸着を施しています。サブディスプレイ表示の視認性とミラーの美しさを両立させるため、開発にあたっては、何度も試行錯誤を繰り返しました。形状もシンプルにまとめることで、これまでW53Kを手に取って頂けなかった方に対しても、新たな魅力を提供できると考えております。
――機能面はW53Kと同じですか?
田邊氏
はい、全く同じです。今年はオリンピックイヤーですので、ちょっとした時間もW64Kで観戦して欲しいです。"使いやすさ“についてもこだわっていますので、上質なデザインと基本機能がしっかりとしたモデルが欲しいという方にオススメしたいモデルとなっています。
■ ウィルコムのHONEY BEEに新色追加
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HONEY BEE
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――ポップなカラーリングが特徴のHONEY BEEですが、販売されてからの売れ行きはいかがですか?
田邊氏
おかげさまでHONEY BEEの現行機種は好調でして、特にピンクの人気が高く、入手しづらいという、お客様には申し訳ないのですが、我々には嬉しい状況です。今回は夏に向けて、HONEY BEEらしいポップで楽しい世界観を活かした新色を追加しました。
元々HONEY BEEは2台目需要を狙った製品でして、従来の携帯電話やPHSにはできないカラーリングを出していこう、というのがコンセプトにあります。夏モデルの追加色も何か新しくて楽しいものをと考え、夏といえばアイスクリームということから、アイスクリームをモチーフにした3色、「S.Fミントチョコ」「クッキー&クリーム」「ミルクチョコチップ」がブルーシールさんとのコラボレーションモデルとして実現しました。
播磨氏
HONEY BEEは底抜けに明るい世界観を打ち出したモデルですが、実際のユーザーに近い、学生さんの意見を取り入れた「アイスクリーム」というわかりやすいモチーフを使うことで、楽しさや明るさがうまく演出できたかなと思っています。よく見るとチョコレート風カラーのキー部分も、本体色に合わせて、それぞれ変えてあります。また、メイン液晶の周囲はアイスクリームに添えるワッフルをイメージした柄になっています。
田邊氏
当初、カラーリングについて検討している際には、柄を入れる予定はなかったのですが、何か物足りないと感じて、より美味しそうに見せるワッフル柄を入れました。
播磨氏
本体色とキー色を変えるという配色は、通常の携帯電話ではなかなかやりにくいことなのですが、HONEY BEEだからこそ大胆な試みができたと言えます。
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左から播磨氏、佐藤氏、田邊氏
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――コラボレーションの相手としてブルーシールを選んだ理由はなんでしょう?
田邊氏
アイスクリームのイメージというコンセプトを、市場に対してどう見せていくかという段階になった時、ウィルコムさんから「ブルーシールさんはどうでしょう?」とご提案いただきました。最近の若い方の間では、今沖縄に旅行したら食べてみたい物の上位に入っているのがブルーシールのアイスクリームだそうです。
今のところ、実際のアイスクリームパッケージをモチーフにした箱と、オリジナル待受画面を用意していますが、これ以外にもプロモーションを行なう予定です。また、ブルーシールさんがHONEY BEEをイメージした蜂蜜味のアイスクリームの開発を進めています。新商品の開発には通常1年~1年半という期間を設けているそうですが、端末の発売にあわせてHONEY BEEフレーバーが発売できるように開発を進められています。ご期待いただければと思います。
――HONEY BEEフレーバーの開発が間に合わなかったら、端末の発売も延期なんてことはないですよね?
田邊氏
さすがにそれはありませんので、大丈夫です(笑)。都内に「ブルーシールカフェ渋谷」という店舗がありまして、発売日にはそちらでイベントができたら、と考えています。
――画面デザイン以外で、従来のHONEY BEEと異なる機能やサービスは盛り込まれているのでしょうか?
田邊氏
あくまで本体カラーの追加ですので、基本機能については変わりません。従来の5色も引き続き販売いたします。
――今回は夏に向けての新色ということでしたが、秋モデル、冬モデルと季節の変わり目にはまた新モデルが追加されますか。
田邊氏
そうですね、それが新色になるかどうかはまだ分かりませんが、季節に合わせて何か新しいことをやりたいと思っています。
――本日は長時間ありがとうございました。
■ URL
W62K製品情報(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/consumer/w62k/
W63K製品情報(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/consumer/w63k/
W64K製品情報(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/consumer/w64k/
HONEY BEE製品情報(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/consumer/wx331k/
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(編集部, 麻生 ちはや)
2008/06/19 11:54
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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