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「W-ZERO3[es]」開発者インタビュー
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片手で操作、ケータイライクなW-ZERO3
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W-ZERO3[es]
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ウィルコムから発売されるW-ZERO3[es]は、ケータイのようなテンキーを備えたデザインに、W-ZERO3シリーズの特徴であるフルキーボードやVGA液晶を搭載したシャープ製のW-SIM対応端末。W-ZERO3の後継モデルではなく、ケータイユーザーなどよりコンシューマーを意識したモデルに仕上がっている。
ウィルコム 営業開発部 企画マーケティンググループ 課長補佐の須永 康弘氏、シャープ 情報通信事業部 新携帯端末事業部 第1商品企画部 主事の廣瀬 泰治氏に話を聞いた。
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ウィルコム 須永氏(左)とシャープ 廣瀬氏(右)
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――まず、W-ZERO3[es]の特徴はどのあたりでしょうか?
廣瀬 泰治氏
音声端末としてのサイズを目指した点です。そして、片手で操作できるという点に一番こだわりました。片手でも使いやすいよう日本語入力はATOKを採用し、片手でも操作しやすいメールソフト「W-ZERO3メール」を新たに搭載しました。より音声端末ライクなW-ZERO3をつくる、というのがコンセプトですね。
W-ZERO3のアイデンティティでもあったVGA液晶やフルキーボードなどは踏襲し、好評だったブラウザ「Opera Mobile」はFlash 7.0対応バージョンをプリインストールしました。従来のW-ZERO3と違う点としては、USBホスト機能に対応してキーボードやUSBメモリなどさまざまな機器が接続できるようになったところです。
――従来のW-ZERO3で対応していた無線LAN機能が、W-ZERO3[es]では本体に内蔵されません。何故でしょうか?
廣瀬氏
従来のW-ZERO3は無線LAN機能が必須と考えていましたが、ケータイユーザーをターゲットにするW-ZERO3[es]では、搭載するべき機能の順序や本体サイズの問題を考え、本体への内蔵は見送りました。Bluetooth機能も同様の利用で内蔵していません。
須永 康弘氏
別売りのオプションで予定しているminiSDスロット用の無線LANカードは、miniSDカードが少しだけ大きくなった程度のものを用意しています。海外で開発されていたものを日本向けにして発売します。
――携帯電話のようにテンキーを搭載したのは、ユーザーから要望があったのでしょうか。
須永氏
W-ZERO3ユーザーのうち、W-ZERO3をメインの電話機として利用しているのは全体の3割程度に留まっていました。残りの7割のユーザーは、メインの電話機としてはツライと判断していたともいえるでしょう。そこで、メインの電話機としても利用できるようなら、新たなマーケットが開拓できるのではと考えました。これはW-ZERO3を出した直後から検討を始めたことで、シャープさんと検討しながら今回のW-ZERO3[es]の開発を進めました。
ぱっと見て、携帯電話のように見えることも重要なのです。サイズも胸ポケットに収まりやすいよう、W-ZERO3より5mmも薄くしましたが、このあたりも苦労した部分ですね。
――ブラックとホワイトのボディカラー展開は、どういう意図なのでしょうか?
須永氏
W-ZERO3もそうでしたが、やはり1色ではユーザーのニーズを満たすことはできません。電話機としての側面からも、まずは対照的な2色を用意しました。
――ボディ表面の加工も変わっていますね。
廣瀬氏
W-ZERO3はボディ表面の指紋の跡が気になる、という声もありました。今回は逆に指紋を付きにくい仕上げにしようとなり、細かいくぼみをつけたディンプル加工を施しました。
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試作段階のワンセグ受信モジュール
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――USB接続は、USB 2.0なのでしょうか?
廣瀬氏
仕様としてUSB 2.0に対応していますが、USB 2.0に含まれる3つの規格のうち、Full Speedモード(12Mbps)への対応です。High Speedモード(480Mbps)ではありません。
――ワンセグの受信モジュールも発表されていますが、同様におサイフケータイに対応できたりしないのでしょうか?
須永氏
ワンセグの要望が多いので対応を発表しましたが、その次にユーザーから要望が多いのはおサイフケータイです。今はさまざまな検討を進めている段階ですね。
――ほかに、ハード面でW-ZERO3と比べて変更されている部分はありますか?
廣瀬氏
ROMとRAMを1チップ化する過程でNANDコントローラーも一体化しているので、若干アクセスが速くなっていると思いますよ。ソフト面ではカメラ機能のドライバを改善し、ファインダーサイズも大きくしました。
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オプションの卓上ホルダとUSB変換ケーブル
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――ソフト面ではW-ZERO3からあまり変更されていないとのことですが、フォントなどもそのままなのでしょうか?
廣瀬氏
ぎりぎりまで悩んでいた部分ですが、液晶が実装できるようになった段階で実際に表示させて、明るさや見え方などを検討した結果、W-ZERO3と同じでも問題ないと判断しました。
――方向キーの中にあるセンターキーは、携帯のようにメニューボタンとして使えないのでしょうか?
廣瀬氏
Windows Mobileを採用しているので、センターキーの位置付けが微妙なんですね。まずはWindows Mobileの操作方法を理解してもらうという意味で現在の仕様にしていますが、センターキーでメニューが出るといった携帯ライクな使い方への要望があるのも分かっています。今後の検討課題だと思います。
――着メロや着うたのダウンロードサービスを利用して着信音を設定したい、というユーザーも出てくると思います。
須永氏
着メロのサービスは既に提供していますが、曲の配信に関してインディーズレーベルの中には、そういったサービスに乗り気なところもありますので、検討はしていきたいと考えています。
――本日はどうもありがとうございました。
■ URL
ウィルコム
http://www.willcom-inc.com/
シャープ
http://www.sharp.co.jp/
製品情報(ウィルコム)
http://www.willcom-inc.com/ja/lineup/ws/007sh/
製品情報(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/ws/007sh/
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(太田 亮三)
2006/07/14 21:28
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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