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WX310K開発者インタビュー
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京ぽん2でユーザーに満足感を
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WX310K
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2005年秋冬モデルとして登場した京セラ製のウィルコム端末「WX310K」。京ぽんの愛称で知られる「AH-K3001V」の後継機となり、フルブラウザはもとより、メガピクセルカメラを搭載し、FlashやBluetoothにも対応する。今回は、京セラの担当者に開発経緯などを聞いた。
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写真左から、中村氏、渡邊氏、石川氏
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――第2弾の開発に当たって力を入れた点を教えてください。
京セラ 通信システム機器事業本部 無線アクセス事業部 マーケティング課 責任者 中村隆二氏(以下、中村氏)
前回のAH-K3001Vは、フルブラウザを搭載したことで発売当初から支持を得ました。第2弾は、そのお客さまが満足していただけるものを提供したいと考えました。
――ウィルコムが音声定額サービスを開始して、必ずしもコアなユーザーだけをターゲットにするわけにはいかなくなってきたと思います。今回、コアユーザー以外にはどういった機能を用意されましたか?
中村氏
実は、開発当初は音声定額サービスが提供されていませんでしたが、WX310Kはコアユーザーを想定したハイエンドモデルとして、携帯電話と比較しても見劣りしないものにし、音声メインのユーザー向けにはWX300Kを準備することで、ハイエンドのWX310KとミドルエンドのWX300Kの2ラインナップとしました。
――WX310シリーズは、店頭で20,000円近くで販売されており、これまでのPHSよりも強気の値段だと思います。
中村氏
そうですね。これまで、20,000円を超える価格でPHS端末を販売することは少なかったと思います。我々のビジュアルホンぐらいでしょうか(笑)。しかし、WX310シリーズがこの値段で販売されているのは、お客さまにご評価いただいている結果と考えています。PHSに対する意識も変わってきているのではないでしょうか。
――コアユーザーから、一般ユーザーに利用者層が拡大したことで、メーカーサポートへの問い合わせの内容にも変化があったのでは?
京セラ 通信システム機器事業本部 無線アクセス事業部 第2技術部 第2技術課責任者 石川肇氏(以下、石川氏)
そう聞いています。アドレス帳や着信履歴の操作など、一般的な電話機の使い方に関する質問が増えてきたそうです。以前は、製品に対してマニアックな提案などもいただいていましたから(笑)。
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「手にしたときに満足感を持って欲しい」と中村氏
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――デザインコンセプトについて聞かせて下さい。今回、ボディカラーも特徴的ですね。
中村氏
端末を手にしたときに満足感を持って欲しいと考えました。ハイエンドということもありますし、端末の機能やサービスを自分自身の判断基準でしっかり考える“賢い”ユーザーに選んでいただけるようなデザインにしたいと。質感を重視し、高級音響製品をイメージさせる外観になっているのではないでしょうか。
また、今回担当したデザイナーは、AH-K3001Vと同じデザイナーです。前回同様に熱い思い入れを持ってデザインしてくれました。
京セラ 無線アクセス事業部 第2技術部 第2技術課 渡邊晃子氏(以下、渡邊氏)
ボディカラーは最後まで決まりませんでした。実は、アイデアの段階では青などもありました。
――ユーザー側からすると、全体的にもう少し端末のバリエーションを増やして欲しいという声もあると思いますが、御社としてはどう感じていますか?
石川氏
実際、国内向けのラインナップは増える傾向にありますね。ただ、我々も非常に限られたリソースの中で開発しているため、半年に1モデルというわけにいかないでしょう。その代わりに、カラーバリエーションを投入することもあっていいでしょうね。
――W-SIM向けに何かお考えになっていることは?
中村氏
具体的なところはお話できる段階ではありませんが、我々としてもW-SIM向け端末は開発したいと考えています。
京セラは中国にもPHSを提供しており、中国向けには完成品の端末ではなく、PHSのコア部分などを提供しています。中国のPHS端末は、小型でとにかく安いことが求められ、その面ではかなり鍛えられました。国内でもそうしたノウハウを活かせていけたらいいなと思います。
――AH-K3001Vと比べると、ずいぶんとブラウジングが快適になったように思えます。
石川氏
CPUが高速になり、これまでの「もっさり」した感じは改善されたのではないでしょうか。ソフトウェア的にもCPUのスピードに合わせたものになっています。あとは、4xパケット対応で通信も高速になりました。ブラウザ自体は大きく変わっていません。
――Java非対応は、メーカーとして悩まれた部分だと思いますが。
石川氏
JavaよりもFlashに対応することで、フルブラウザを活かせるようにしました。また、Bluetoothをサポートし、4xパケット通信にも対応しています。これまで通信カードと音声端末を持っていた方が、Bluetoothを使うことで、1つの端末でどちらも利用できるようになった点は大きなメリットだと思います。
――メガピクセルカメラを搭載されましたが、携帯電話では必須となりつつある機能なだけに、やはり外せないとお考えでしたか?
中村氏
はい。企画当初からメガピクセルは必須と考えていました。
――使い勝手の面はいかがでしょう? ユーザーインターフェイスはかなり携帯電話に近い気がするのですが。
渡邊氏
そうですね。ユーザーインターフェイスに関しては、今回大きく改善を加えました。前回の良い点は残しつつ、どういう使い勝手がよいか考え、お客さまの要望と、自分たちが使っていて実際に感じたことを変更していきました。
――ユーザーの声として、WX310Kはメモリが少ないと聞きます。これはコスト面からそうなったのでしょうか?
石川氏
はい、確かにコスト面もありました。しかし、メモリカード対応とすることで補っています。
――WX310Kでは、ミュージックプレーヤーなど、後からお金を払って機能追加できるような仕組みが用意されています。今回のような利用スタイルにしたのはなぜですか?
中村氏
実は追加できる機能は、元々搭載したかったものなのです。しかし、すべて搭載すると端末価格も上がってしまいますので、WX310Kでは追加アプリケーションとすることで、自分の使い方に合わせて必要な機能を選んでいただけるようにしました。
――本日はお忙しい中どうもありがとうございました。
■ URL
京セラ
http://www.kyocera.co.jp/
製品情報
http://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/consumer/wx310k/
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(編集部)
2006/01/31 11:19
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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