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「W62H」開発者インタビュー
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横開き対応の新Woooケータイの魅力とこだわり
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映像にこだわったWoooケータイの第2弾となる「W62H」が発売される。新たに横開きの「ワイドオープンスタイル」に対応するなどした同端末の魅力について、日立製作所 デザイン本部の高田裕一郎氏、カシオ日モバイルコミュニケーションズ 商品企画チームの成合功一郎氏、同社 日立営業グループ マーケティングチームの吉田征義氏、光永博史氏に聞いた。
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ワイドオープンスタイル
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――まずはW62Hの概要を教えてください。
吉田氏
W62Hは映像にこだわるWoooケータイの第2弾となります。映像面については、Woooケータイ W53Hでご好評いただいております有機ELディスプレイを引き続き搭載しました。さらに、ワンセグの15fpsの映像を最大30fpsに変換する「なめらかモード」を新たに搭載しましたので、さらになめらかで色鮮やかな映像を楽しんでいただけると思います。また、今回のWoooケータイ W62Hでは、技術面だけではなく、“映像を観るスタイル”にもこだわり、日立初の2WAYオープンスタイルを取り入れました。
横開きの「ワイドオープンスタイル」では、LISMO Videoやワンセグの映像はもちろんのこと、3DゲームやPCサイトビューアーをお楽しみいただけますし、縦開きの「レギュラーオープンスタイル」では、メールや通話はもちろんのこと、WordとExcelの編集に対応したPCドキュメントビューアーなど、ビジネスに役立つ機能も充実させています。
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高田裕一郎氏(左)と成合功一郎氏
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――見た目で言いうと、やはり2WAYオープンスタイルというデザインがW62Hの大きな特徴になりますので、デザインコンセプトやこだわった部分などについて、教えてください。
高田氏
W62Hのデザインで力を入れたのは、このヒンジ部分です。他社からもこのような動きをする、2WAYオープンの携帯電話がありますが、実はちょっと違います。W62Hは完全に独立した片持ちヒンジになっていて、開ける方向によって、自動的にロック(回転規制)がかかるデザインと機構のため、開けた時もスッキリ綺麗な見栄えになります。
この特徴的な内部機構による、全体的に左右非対称なレイアウトを生かしたのが、「Finger Frame Form」というデザインコンセプトなんです。
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光永博史氏(左)と吉田征義氏
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――Finger Frameは両手の親指と人差し指で作る、絵画や写真の構図を決める四角い枠のことですか?
高田氏
はい、よく見ていただくと分かるのですが、本体だけでなくサイドキーや端子カバー、ディスプレイのフチに至るまで、実は「Finger Frame Form」が使われています。
光永氏
全部で何箇所に使われているのか、正確に把握してる人は社内でも少ないんじゃないでしょうか(笑)。一番小さい「Finger Frame Form」は充電端子です。
――こだわってますねぇ(笑)。ところで完全独立のヒンジということですけれど、ヒンジを片側に寄せることによって、どうしても空間に無駄な部分ができて厚みが増しますよね? そのわりにW62Hのボディは薄く感じられます。
高田氏
デザイン担当としては機構部門の方々に頑張っていただいた、としか申し上げられないんですが(笑)、おっしゃる通りヒンジ部分は、どうしてもゴツくなりがちな内部構造をしていますので、かなり気を使いました。
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閉じたところ
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工夫のひとつは縦開きと横開きの2つのヒンジをずらしていることでしょうか。レギュラーオープン(縦開き)のヒンジを本体下部に持ってくることでケータイを閉じた時に見える部分はフラットに保ち、反対にワイドオープン(横開き)のヒンジはぐっと上部に配置し、そこにデザイン性を持たせて強調することで実際よりも薄く見えるわけです。スペック的には実はそれなりに厚みがあるところを、デザインでうまく処理できたと思います。
――隠し切れないヒンジが本体にぽこっと短く出るよりは、そこをデザインしてしまった方が、かえって目立たないわけですね。
成合氏
ヒンジ部のこの縦長のデザインも、長さを3パターンぐらい作って最適なバランスを選びました。
高田氏
他にこだわったところは、スクリーンデザインです。十二星座とオーロラがゆらめく「オーロラ」、サブカルチャー風な「タイポグラフィ」、ガジェット風の緻密なデザインの「インスツルメント」の3タイプを用意しました。また、今回初めて日立のエアコンのイメージキャラクターになっている「白くまくん」を、メニューアイコンや壁紙としてプリセットしています。メニューを選ぶと白くまくんが一斉に向きを変えたりして、結構可愛いですよ。
――W62Hもそうですが、携帯電話全体の話としてカメラのオートフォーカス機能をなくす傾向が見られます。これは何か理由があるんですか?
成合氏
W62Hでは薄型化のためにオートフォーカスは断念しました。オートフォーカスを実現するには、ある程度の厚みが必要になってきます。W62Hの場合はワイドオープンにして机に置いた時、底面がフラットになるようにしたかったという理由もあります。
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開いたところ
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――本体カラーは何かテーマが設けられているんでしょうか。
高田氏
光をテーマに、高温の中の青い炎をイメージしたレーザーブルー、光の粒子が様々な色に輝くマジョーラカラーのフラッシュシルバー、そして、逆に光を吸収するいうイメージのシェードブラックの3色になります。
――今回も有機ELを使われていますが、これはやはりWoooケータイだからこそですか。
吉田氏
Woooケータイのコンセプトである、映像へのこだわりという面で、今回もディスプレイには有機ELを採用しました。
――有機ELが登場してしばらくたちましたが、今はチューニングのノウハウも蓄積されているのでしょうか。
成合氏
消費電力を抑えるような技術のノウハウはだいぶ蓄積されましたね。今回は有機ELだから綺麗ということだけでなく、先ほどお伝えした「なめらかモード」にも注目していただきたいです。
光永氏
LISMO VideoもQVGA対応の最大30fpsになっていますが、それと同じフレーム数でワンセグが見られます。ちょっと動きの早い映像、スポーツ番組などでカメラが会場全体をパンするシーンでより違いが出ると思います。
――W62Hは、日立として初のKCP+へのチャレンジになりますが。
高田氏
メニュー周りは自由度が増した分、作り込もうと思えばどこまでも作り込めますが、それをやってしまうと動作が重くなります。軽快さを重視すれば見た目に劣ってしまいますし、兼ね合いは難しくなりましたが、表現力はかなり増しました。
――機能面では、WordとExcelの表示に加えて、編集も可能なPCドキュメントビューアーを新たに搭載していますね。
成合氏
以前から編集も可能なドキュメントビューアーを搭載しようという話は出ていたんですが、W62Hのタイミングで実現できたということです。ただ、今回は、編集と保存は可能なのですが、編集したファイルをメールに添付して送信することができません。そのため、ビジネスユーザーが事前に作成した資料を出先に持ち出したり、上司に数値をチェックしてもらうため、といった利用方法を想定しています。メールに添付しての送信は、今後の課題として対応できるように頑張りたいですね。
――2WAYオープンというスタイルを活かす機能としては、ワンセグ以外にLISMO Video、ゲーム、PCサイトビューアーなどが横開きの状態で使えますね。
成合氏
ワンセグが浸透してきており、また、最近電車でゲームやムービー視聴をしている方を多く見かけるようになってきました。これからますます、横画面でワンセグやLISMO Videoの映像、ゲームを利用するというスタイルが、ユーザーに定着していくと考えています。
――本日はお忙しい中、ありがとうございました。
■ URL
製品情報(日立製作所)
http://k-tai.hitachi.jp/w62h/
製品情報(au)
http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/cdma1x_win/w62h/
■ 関連記事
・ 有機EL搭載で横開きスタイルも可能「Woooケータイ W62H」
・ 有機EL採用で映像にこだわったWoooケータイ
(編集部, 麻生 ちはや)
2008/07/18 12:19
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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