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「W62SH」開発者インタビュー
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新プラットフォームでもシャープらしさを追求
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今夏のシャープ製WIN端末「W62SH」は、“AQUOSケータイ”ではないものの、3インチのフルワイドVGA液晶を搭載する、映像にもこだわったモデルだ。さらに今回は、シャープとしては初めてのKCP+対応機種でもある。統一プラットフォームのKCP+になってもシャープの特徴は失われていないのか。シャープ 通信システム事業本部 パーソナル通信第四事業部 商品企画部の小菅 一徳氏に聞いた。
――まずはW62SHのコンセプトからお聞かせください。
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W62SH
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シャープの小菅氏
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小菅氏
商品化の背景として、まず市場の状況があります。ケータイでの音楽や動画の利用が拡大し、着うたフルも2億ダウンロードを突破しました。LISMO Videoも開始されます。そうした拡大している映像・音楽サービスを楽しめる使いやすい端末を目指して企画しました。
ターゲット像としては、「30歳前後のアクティブな層」を設定しています。仕事を精力的にこなしつつも、プライベートでは趣味などを大事にする、そういったイメージです。商品化においては、「高画質・高音質」と「ユーザビリティ」、「スリム・スマートなデザイン」の3つのポイントを重視しました。
高画質化としては、シャープ製のWIN端末として初めて、フルワイドVGA液晶を搭載しています。現在のワンセグ放送は、ほとんどが16:9で放送されていますので、そこに親和性の高いフルワイド(480×854ドット)となっています。
液晶はNewモバイルASV液晶です。従来のものより進化していて、3.0インチフルワイドVGAの高精細でありながら明るく鮮やかになっています。あとはW61SHでも搭載しましたが、高演色バックライトや6色カラーフィルター、微反射型、リフレクトバリアパネルなども搭載しています。
高音質化としては、KCP+標準ですが、ヤマハさんの最新チップを搭載しています。音楽を軸とした機能としてBluetoothも搭載していますが、さらにFMトランスミッターも搭載しています。FMトランスミッターはLISMOだけでなく、EZナビウォークとEZ助手席ナビにも対応しますので、カーナビ的に使っていただけます。
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画面の最上段に独自の情報表示エリアがある
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辞書機能
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――今回、シャープとして初めてKCP+を搭載されたわけですが、さまざまな面で共通化が図られているKCP+において、どのあたりに差別化ポイントがあるのでしょうか?
KCP+は標準で480×800ドットまでのサポートですので、W62SHの搭載する480×854ドットでは、縦に54ドットほど余ってしまいます。その54ドットを活用するべく、W62SHでは「拡張エリア情報表示」という機能を独自で加えました。画面上のピクトエリアのさらに上に、EZニュースフラッシュから天気や占いの情報が表示されます。ほかにもメールの着信通知やLISMO再生中であれば曲名/アーティスト名が表示されたりします。
それから、辞書機能を新たに搭載しています。内蔵辞書としては、大修館の明鏡モバイル国語辞典とジーニアスモバイルの英和辞典と和英辞典を収録しています。内蔵辞書の方は、通信を気にせずに使えますが、あまり大きな容量は内蔵できないので、ある程度、収録語数が限られます。そこでネット辞書としてフル版のコンテンツを使えるようにしました。
ネット辞書では内蔵する3辞書のフル版に加え、標準でウィキペディアやHot Pepper Pocketsを利用できます。辞書の種類は今後も増やしていく予定です。
これらの辞書機能が、「スマートリンク辞書」として、いろいろな機能とリンクするようになっています。たとえばメール閲覧中にスマートリンク辞書を呼び出し、調べたい単語の範囲を指定すると、内蔵辞書が立ち上がるようになっています。日本語の場合は国語辞典、英語の場合は英和辞典で検索がかけられます。ここで単語が見つからなくても、そのままネット辞書で検索できます。辞書の検索結果は、コピーしてメールへの貼り付けも可能です。
このほかには細かいところですが、名刺リーダー機能で、郵便番号の住所欄への登録と読み取り日時のメモ欄への登録ができるようになりました。フルワイドVGA液晶を活用するアプリとして、PCサイトビューアーはもちろん、PCドキュメントビューアーも搭載しました。覗き見を防止する「新ベールビュー」機能のパターン画像は、3種類から選べるようになっています。
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FMトランスミッター機能。LISMOのプレーヤーから周波数変更ができる
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マルチタスクなどのメニュー回りはKCP+の仕様に準拠
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ネット辞書ではウィキペディアも検索できる
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ローレット加工を取り入れた決定キーやWINのロゴ
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シルバーのフレームが本体を一周している
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――商品コンセプトの1つに「スリム・スマートなデザイン」を挙げられていますが、デザイン面での特徴はどのあたりなのでしょうか。
ターゲット像の「30歳前後」といった人を意識し、デザイン要素として「ブリリアントデザイン」をコンセプトにしています。
まずフレームですが。閉じた状態で正面から見ると、シルバーのフレームが見えます。W52SHでは二辺のみのフレームでしたが、W62SHではフレームが1周するように配置し、高級感を演出しています。
フレームを含めた装飾部分は、カフスや時計などをイメージしたローレット加工になっています。見ていただければわかりますが、ただシルバーなだけではなく、中にギザギザの模様が入っています。WINのロゴや決定キーにもローレット加工が入っています。トップパネルには、ガラス粒子入りの特殊な塗装を採用しています。
キーバックライトの色も変更できるようになっています。マリンとサンセット、フォレストの3色とランダムの中から選べるようになっています。ランダムを選んだ場合、組み合わせでバックライトの点灯するたびに3色以上の異なるカラーでランダムに光るようになっています。
こうした装飾部分だけでなく、今回はより端末を使ってもらいやすくするために、厚み15.8mmとスリムなデザインを実現しました。
――今回は「AQUOSケータイ」ではありませんが、ワンセグや液晶などの仕様はAQUOSケータイ並ですか?
AQUOSケータイでもそうでなくても、そのときどきのいちばん良い液晶を搭載していますし、基本的に違いはありません。画像エンジンの「SVエンジン+」なども最新のものを搭載しています。
――本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
■ URL
製品情報(KDDI)
http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/cdma1x_win/w62sh/
製品情報(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/products/w62sh/
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(白根 雅彦)
2008/07/18 11:21
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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