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「SH905i」開発者インタビュー
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液晶からUIまで各種強化が施された正統進化モデル
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シャープは、NTTドコモの冬モデル第1弾として、ワンセグケータイ「SH905i」を投入する。その新機能や進化のポイントを通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 商品企画部 部長の河内厳氏と同部 副参事の木戸貴之氏に聞いた。
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SH905i(White)
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――まずSH905iの基本的なコンセプトについてお聞かせください。
木戸氏
SH905iの進化のポイントとしては、ベーシック機能のハイスペック化があります。ディスプレイはフルワイドVGAになり、通信もハイスピードに対応しました。今まで以上の速度で進化しています。しかし今回は、ハードウェアがハイスペックになる一方で“品格のあるケータイ”を意識しまとめて見ました。見ての通り、スリムでコンパクトに仕上げています。
こうした背景には、SHの900シリーズのユーザーは女性が増えてきている、ということがあります。そこで女性も使いやすいハイスペック端末としてデザインしました。テーマは「美しく、快く、しかも楽しい」です。
いちばんの差別化ポイントは、3インチのフルワイド液晶を搭載しながらもスリムスレンダーであることです。幅48mmはシャープの90xシリーズとしては一番の細身のデザインです。スペックが向上する中でこのサイズは苦労しましたが、女性の手にも使いやすいサイズになっています。
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4色はそれぞれ、背面のパターンが異なる
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デザインはいつもの通り4色展開で、色ごとに背面のパターンが異なります。光沢感や高級感ということでは、やはり金属に勝るものはなかなかないので、今回はアルミ箔を使い、さらにアクリルを上に載せて透明感を出しています。
液晶も進化しています。今回はNewモバイルASV液晶という新しいパネルを採用しました。さらに今回はパネルの進化だけではなく、構造も新しくなっています。また、音に関してもケータイとしては初めて「ドルビー モバイル」を搭載し、ワンセグやミュージックプレーヤーの音を向上させています。
ユーザーインターフェイス(UI)も強化しています。今回はディスプレイがフルワイドVGAとなり、縦に長くなったので、それを活かして電話帳なども2ペイン表示できるようになりました。マイピクチャも画像とサムネイルを同時表示します。メールも同様にリストと本文の2ペイン表示になりました。
また、フォントもLCゴシックとSH平成明朝、SHクリスタルタッチの3種類あります。いずれもスケーラブルなフォントで、メールでは「1」と「3」キーで拡大縮小ができるようになっています。
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SH平成明朝フォントの表示
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メール表示時にはワンボタンで文字の拡大縮小を行なえる
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電話帳の2ペイン表示。名刺風に詳細が表示される
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カーソルキーの上にタッチパネル操作部「タッチクルーザー」がある
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タッチクルーザーは前回と構造は同じですが、解像度を上げて反応が敏感になっています。しかし反応の良さについては使い手の好みやクセがありますので、自分で調整できるようにして、より使いこなしてもらえるようにしました。また、手書きパターンをパスワード代わりに設定できるようにもなっています。
細かいところでは、背面のイルミネーションが今回、4つのLEDが別々にコントロールできるようになったり、前回は光らなかったカーソルキー回りのバックライトにも対応しました。
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シャープの河内氏
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――いろいろ盛りだくさんですが、液晶の進化、とくに構造が変わったというのはどのようなもので、どんな意味があるのでしょうか。
木戸氏
ケータイの液晶は通常、液晶の前にアクリルやガラスの保護板がつきます。今までは保護板と液晶パネルの間に隙間があり、どうしてもそこで色が変わったり光が弱まったりしていました。保護板があるので、ケータイで実際に見えるのは、液晶パネル自体の発色ではありません。
SH905iでは保護板をアクリルから更に透過率の高い強化ガラスに変え、さらに保護板と液晶パネルを接着剤のようなもので直接貼り付けて隙間のない構造にしました。ドコモではこの構造を採用するのは初めてになります。これにより、今までと画質が大きく変わりました。電源を切った状態だとわかりやすいのですが、黒がより際立っています。
河内氏
よくコントラスト比と言いますが、あれは上に保護板が載った状態ではなく、液晶パネル自体のスペックです。また、ケータイは外で使うことが多いので、われわれは微反射型の液晶を使い、どんな環境でも実際に見える絵をよくするためにこの「リフレクトバリアパネル」という新しい構造を採用しました。
――「ドルビー モバイル」が入りましたが、これはどういった機能になるのでしょうか。
木戸氏
実際に音を聴いてもらうのが一番だと思いますが、臨場感を上げたり低音強調や音レベルの均一化、モノラル音源をステレオっぽくするなどの機能があります。何種類かのプリセットがあり、一つ一つドルビーさんに調整してもらい、予想以上の大きな効果が得られました。
ワンセグ視聴時には、放送の番組ジャンル情報から自動で適切なプリセットに切り替えることができます。音楽については好き嫌いもあるので、こちらはマニュアルでの設定となります。
――ワンセグ関連では新機能はあるのでしょうか。
木戸氏
マルチウィンドウは前からメール+ワンセグでやっていましたが、今回は縦画面でもメールとワンセグができるようになり、さらにブラウザとワンセグの同時表示にも対応しました。
細かいところでは、受信エリアをまたいで移動したとき、自動スキャンしてエリア設定を変えるかどうかのアラートを表示するようになりました。シャープではワンセグのモジュールも作っていますが、今回は新開発のチューナーモジュールを採用しています。
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シャープの木戸氏
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――フルブラウザとワンセグの同時表示もできるんですね。フルブラウザの新機能は?
木戸氏
ディスプレイがフルワイドのVGAとなり、さらにハイスピードにも対応したので、使ってもらえる機会を増やしたいな、と思い、いろいろ強化しています。たとえば認証が必要なサイトで、登録しておいたIDとパスワードを自動入力する「ログインマネージャ」やワンボタンでの拡大縮小メニュー呼び出し、最大50件までのページ履歴などに対応しています。
――WMV形式の動画配信にも対応しているということですが。
木戸氏
フルブラウザから視聴できるようになっています。今回は体験的なサイトとして、シャープのサイトをブックマークに入れています。
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左からWhite、Pink、Blue、Blackの4色のカラーバリエーションが用意される
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――このほかの強化点としてはどのような部分があるのでしょうか。
木戸氏
細かいところでは、従来から搭載している名刺リーダーが今回、英語の名刺も読み取れるようになりました。会社名や役職の読み取りにも対応しています。電話帳での名刺表示と連動させており、是非見てもらいたいところです。
文字入力はケータイShoin6になっています。口語表現や優先ジャンル設定、候補の見せ方の改良など、細かい点を改良しています。
それから、メールを受信したときに、どの画面でもテロップが表示されるようになりました。画面に常時時計と日付を表示する行を新しく用意し、ここに新着メールのテロップを表示するようにしました。
ショートカットメニューはこれまで、待受画面で上キーを押すと専用の別画面の専用メニューが立ち上がっていましたが、今回は待受画面の上にアイコン表示されるランチャー風に変更しています。
SH905iではディスプレイをフルワイドVGAにしたので、それに併せてUIではさまざまなところに細かく手を入れています。
河内氏
操作レスポンスも、いろいろなところで少しずつ向上させています。ほかにも電話番号の検索を入れるなど、お客様の声を反映し細かい改良も施しています。
――細かいところでだいぶ進化していますね。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
■ URL
製品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/905i/sh905i/
製品情報(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/products/sh905i/
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(白根 雅彦)
2007/11/22 11:49
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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