「らくらくホン」インタビュー
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1,000万台突破、富士通・佐相氏が語る今後の展望
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らくらくホンIV
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8月17日より、富士通の「らくらくホン」シリーズの最新モデル「らくらくホンIV」が発売された。同社が「正当な進化」とする使いやすさへの追求はそのままに、シリーズ初のGPS機能を搭載した端末が「らくらくホンIV」だ。今回は、らくらくホンシリーズの今後の展開や、「らくらくホンIV」について、富士通の経営執行役であるモバイルフォン事業本部長の佐相秀幸氏に話を聞いた。
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富士通の佐相氏
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――まずは5月の1,000万台突破について伺います。2001年の登場以来、6年間で非常に大きな数字を突破しました。この理由をどう見ていますか?
やはり、携帯電話の基本機能をきちっと押さえているところが受けたのだと思います。90Xiや70Xiでは難しいというユーザーさんがいらっしゃいます。こうした方々に基本機能がしっかりしたものをきちっとアピールできたことも大きいのではないでしょうか。我々は、敬老の日や母の日/父の日といったタイミングにキャリアといっしょになってプロモーションをかけてきましたから。
もう1つは、やはり正当進化ということですね。もちろん、端末自体はPDCの頃から進化はしていますが、基本的な端末のデザインを変えていません。シニア層の中で、お仲間同士で徐々にユーザーを増やしてきた、そういう面もあるのではないでしょうか。
――これまでのらくらくホンシリーズは、1つの端末のセールス期間が長いのが特徴となっています。今回の「らくらくホンIV」も息の長い端末になるのでしょうか?
そうですね。キャリアとそういう方向で進めています。
――今回、らくらくホンシリーズ初のGPS機能搭載となりました。らくらくホンシリーズになぜGPSが必要だったのでしょうか?
ユーザーに便利にお使いいただきたいというのももちろんありますが、何かあった場合にご家族が確認できる状況にあるというのも大事だと思います。GPS機能によって、携帯電話を持っている人にもその周辺の方にも安心を提供するということです。
――しかし現状では、GPSの位置通知はドコモの端末でしか確認できません。
1つはわかりやすさです。あれもこれもと機能を追加するよりまずは第一歩をしっかりやっていこうと思っています。
――らくらくホンシリーズはシリーズを重ねていくことで、いかにも「シニア向け」というデザインから、少しずつスタンダードモデルの端末に近いテイストが取り入れられています。これにはどういった意図があるのでしょうか?
シニア層といってもユーザーが限られています。新規のユーザーが減少している中で、ユーザー層の幅を広げる必要があります。いろいろな方に抵抗なく使っていただけるように、幅広くご支持いただけるようなものを考えました。ただし、安心・安全というキーワードに変更はなく、デザインのテイストはひと目で使いやすいとわかるような配慮はしています。
――今後、団塊の世代がらくらくホンを使う層に入ってきます。これまでのらくらくホンのような、堅調な販売数とは違う流れもありそうですが、どういった展開をお考えですか?
私自身、らくらくホンを使う世代になってきます。現在90Xiシリーズを利用していますが、そうした端末を使っていたユーザーをどうやってうまくらくらくホンにブリッジさせていくのかという点がポイントになるでしょう。1つの考え方として、90Xi系にらくらくホンのような機能を搭載していくことも考えられます。現在、うまく融合させてブリッジさせる方法を考えている最中です。
――では、らくらくホンの「使いやすさの追求」を90Xi/70Xiシリーズに拡大すると?
そうですね、現状でも安心機能など、良いところは積極的に横展開しようと考えています。
――ドコモの苦戦が伝えられていますが、他のキャリアに端末を供給する考えはありますか? また、他のメーカーのシニア向け端末をどう見られていますか?
他キャリアへの展開については、まずはドコモさんをきちんとサポートしてからと考えています。他社の端末では、らくらくホンのように3つのワンタッチキーを搭載する端末など似ているものもあります。しかし、「見る」とか「聞く」、「持つ」ということに関して我々は相当自信があります。使っていただければご理解いただけるものと思っていますし、安心しているわけではありませんが、我々が長い間取り組んできたらくらくホンというものに、それなりに自信を持っています。もちろん、他キャリアさんへの提供も気になるのは事実です。
――地味な存在に思われがちですが、らくらくホンという長期の取り組み自体が非常に珍しいですよね。特に海外ではあまりらくらくホンのような端末は登場していないように思います。今後の海外展開やらくらくホンの技術提供といった考えはありますか?
非常にいい質問ですね。正直言って悩ましいところです。いつか日本勢の海外でのリバイバルを考えています。その入り口は、今回のようならくらくホンとか、90Xiシリーズような非常に高機能な端末などが考えられるので、いろいろ検討したいところです。
――お忙しいところありがとうございました。
■ URL
富士通製品情報ページ
http://www.fmworld.net/product/phone/
NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
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(津田 啓夢)
2007/09/03 13:25
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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