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モトローラ・北アジア担当副社長インタビュー
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日本市場への取り組みを聞く
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NTTドコモから発表されたM702iS/M702iGは、世界第2位のシェアを誇るモトローラによるFOMA端末だ。発売日はまだ決定していないが、大ヒットを記録したRAZRをベースとしており、日本での展開にも期待がかかる。モトローラ モバイルデバイス部門北アジア担当バイスプレジデントのマイケル・テーテルマン氏に聞いた。
■ 日本市場への取り組み
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モトローラのテーテルマン氏
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――M702iS/M702iGが既に発表済ですが、なぜRAZRベースの機種を投入することに?
携帯電話というものは、21世紀におけるユーザーのアイデンティティを示すアイテムになっています。世界の消費者向け製品を見て、RAZR以上にユーザーのファッション性やイメージを表現できるものはありません。
そして、日本のユーザーもそういった点で高い意識を持っていると思います。世界で人気のある製品が日本でも受け入れられたり、日本で人気の製品が海外でも支持されるというケースはよくあることです。世界各国でヒットしたRAZRも、日本で受け入れると思います。
――“大ヒットした”というRAZRですが、実際の販売台数は? 地域によって異なる点は?
RAZRの販売数は5,000万台以上となっています。通常、我々はグローバル向けの製品をリリースし、その後、各国向けのカスタマイズを行ないます。カスタマイズの範疇には、ボディカラーなどもありますが、NTTドコモのM702iS/M702iGでは、日本市場独特の機能が盛り込まれています。
このモデルについては、ドコモとともに開発を行なってきましたが、その絆から良い製品、サービスが生み出されることになるわけです。
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薄さ14.9mmの「M702iS」
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W-CDMA/GSM対応の「M702iG」
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――日本向け端末の開発は、相当なコストをかける必要があると思いますが、どのようなメリットが見込めるのでしょうか?
日本におけるプレゼンスが重要視されますね。日本は、3G市場で世界最大です。我々は、世界的に見て、ファッションやエンターテイメントなどで高いブランド力があります。たとえば中国の携帯市場で売れ筋トップテンを見ると、モトローラの携帯電話が多くランクインしています。我々が持つそういったアドバンテージを日本市場でも活かしていきたいと思います。
――日本では、「RAZRが世界でヒットした機種であることがあまり知られていない」という意見もありますが、どのように捉えていますか?
そうですね、確かに日本での認知度は低いと思います。詳細はまだ明らかにできませんが、今後は、モトローラを知っていただけるよう、大がかりなマーケティング活動を行なっていく考えですし、こういった活動のノウハウは持っています。
韓国市場のことも紹介しておきましょう。昨年、我々は韓国向けにRAZRをリリースしました。発売当初、現地における我々のブランド力は低かったのですが、今では韓国で高い人気を誇っています。
日本におけるブランド力の向上は大きなチャレンジであり、現在は確固たる立場を得ているわけではない、と認識しています。しかし、世界市場でシェア2位のメーカーであること、長く携帯市場で活動していることなど、グローバルなブランドが持つ強みがあります。実績や歴史がまったくないブランドと比べると、我々のブランドには力があるということです。たとえば、若年層にモトローラが知られていなくとも、彼らの親にあたる年齢層に「モトローラを知っていますか?」と訊ねると、認知度は高い数値を示すでしょう。日本のユーザーにも受け入れてもらえるのではないかと思います。
――RAZRに似たスタイルの携帯電話は既に存在していますが、「モトローラがコピーした」と思われる心配はありませんか?
あまり心配はしていません。理由の1つは、日本のユーザーは非常に洗練されているためです。携帯電話に限らず、オリジナルを真似た商品は世の中に数多く存在しますが、RAZRに限った場合でも、オリジナルであるRAZRは売れ続けています。人はオリジナルを求める、ということではないでしょうか。ましてや、M702iS/M702iGは、オリジナルであり、その新バージョンなのです。
――日本メーカーとモトローラの違いはどう見ていますか?
我々にとって最も弱い点は、やはりブランド力だと思います。世界各地で信頼される企業として活動してきましたが、日本でもそうなりたいと思います。ただし、それは、「モトローラが日本メーカーを軽んじている」という意味ではありません。日本の携帯市場は、世界で最も先進的です。なぜ先進的なのか、それは日本メーカーが先端技術を作り上げてきたためであり、その業績は尊重したいと思います。
当社が日本市場で展開していく際、日本メーカーに打ち勝って市場を乗っ取ろうと考えているのではありません。彼らとは異なるデザイン、機能の端末を投入することで、市場を補完し、それにより訴求力を高めていきたいですね。
――米国ではファッションブランドとのコラボモデルなどが登場しています。日本でのブランド力向上を図る上で、そういったモデルが投入されると期待してよいのですか?
ええ、期待してください。ただし、今は何も言えません(笑)。
――モトローラは、数多くのラインナップを揃えていますが、日本ではどう展開していくのでしょうか?
我々の旅は、始まったばかりであり、今後日本市場とは長く関わっていく考えです。しかし、今の時点で発表できる新製品はありません。確かなことは、我々と日本市場の関係は長いものになる、ということです。新製品発表会も開催していきたいですね。
また、基本的にはキャリアとの協力関係は重要視しています。日本でもSIMロックに関する議論があるようですが、将来がどうあれ、キャリアとの関係は密に保っていきたいと考えています。我々は、端末だけではなく、インフラ設備も提供しており、ドコモに限らず、KDDIやソフトバンクとも密接な関係を維持していきます。
――ありがとうございました。
■ URL
モトローラ
http://www.motorola.com/jp/
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(関口 聖)
2006/09/15 11:46
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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