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「804SH」開発者インタビュー
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“ファッション・アイテム”として新しい価値を提案
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ボーダフォンから発売された「804SH」は、上下のボディで異なる質感を持たせたデザインが印象的な3G端末。おサイフケータイに対応し、カスタマイズ機能やミュージックプレイヤー機能など、注目の機能で楽しめる。
開発を担当したシャープ 通信システム事業部 パーソナル通信第二事業部 商品企画部 主事の井之村 憲一氏に話を聞いた。
――まず、804SHのポイントとなる部分はどこでしょうか。
デザイン、カスタマイズ、ミュージックの3つが大きなポイントです。
デザインは発表以来反響が大きく、良い意味でこれまでのシャープらしくないという好意的な意見が多く寄せられています。今回はデザインを先行して決めてイメージを膨らませ、その中に基板などの中身を搭載していく、という流れで商品化を進めました。
今回のデザインポイントは、折りたたみ型で上下のボディにギャップ(対比構造)を採り入れたところです。上側の素材感と下側の素材感が、これほどまでに違うモデルもこれまであまりなかったと思います。上側は金属調の質感で、面の部分にはダブルインモールドで処理を行ない、メタリックな風合いの素材感を出しています。下側はラウンド感のあるフォルムで、手に収まるようなイメージを出し、上下のデザインがうまく組み合わさるような新しいデザインイメージを試みました。
デザインに丸みを持たせるということは、小ささを訴求する場合には無駄が多くなりがちですが、「703SH」という3Gの携帯電話として非常にコンパクトな製品を作ることができたので、その次として、シャープとして過去にあまり例がないラウンドフォルムのデザインにトライし、具現化したのが804SHです。
携帯電話における機器的なイメージをいかに払拭するかという部分で“ファッションアイテム・デザイン”というキーワードを設定しました。今までは電話をかけるツールとして、あるいは大きな時計として持っていたところを、機器としてよりもまずはファッションの小物として持ってもらい、結果的にそれが携帯電話である、という流れをこの端末で提案したいと考えています。
――「ライム」は金属調の質感がマットで、ほかの2色と違いますね。
これは下側ボディも同様です。上下のアンバランスさとは別に、トータルのデザインとして「マロン」「スノー」は上側の金属感から下側の光沢感へつなげているのに対し、「ライム」は上下をツヤ消しに仕上げて柔らかいイメージを演出しています。
――携帯から直接コンテンツをダウンロードできるカスタスクリーンに対応し、カスタマイズ性にも注力されているようです。
カスタムスクリーンは、V501SH、V604SHではメモリカードを利用してカスタマイズすることができるようになっていましたが、今回の804SHでは、3G端末ということで、カスタマイズコンテンツを端末で直接ダウンロードして利用できるようになりました。
シャープでは、カスタムスクリーンコンテンツ配信サイト「カスタモ」でキャラクターやファッション、スポーツなど多彩なコンテンツを取り揃えていますので、いつでも気軽にコンテンツをダウンロードしてカスタマイズを楽しんでいただけます。
現在準備されているコンテンツのほかにも、今後性別や年齢にあわせたコンテンツや季節感のあるコンテンツなど、さらに充実させていきたいと考えています。
また、804SHではインデックスメニュー画面が、標準のグリッド表示タイプのもののほか、縦に並んだバージョンや横に並んだバージョンなどデザインとは別に遊び心のあるもを用意しています。第2階層メニュー画面でもアイコンや背景がカスタマイズできたりと、機能としても進化しています。
カスタマイズは重要な機能と位置づけて、今後のシャープ端末にも引き続きカスタムスクリーンの搭載を考えていますし、さらに進化を続けていきたいと思っています。
――マイク付液晶オーディオリモコン同梱するなどミュージック機能も充実しています。
別売りのminiSDカードに、SD-Audio規格に準拠したセキュアAAC形式の音楽データが取り込める「SD-Jukebox Ver.5.0 LE」を同梱しました。パソコン上にあるAAC形式の音楽データを本体のメモリやminiSDカードに転送できる「Music Manager」も同梱しています。また、オプションの光デジタル変換ケーブルを使用してオーディオ機器からminiSDメモリカードにセキュアAAC形式で直接録音することもできます。
「J-SH51」以降、これまでもミュージック機能はサポートしてきましたが、やはり今のタイミングにおいてミュージックプレイヤーはホットな機能ですし、改めて紹介する意味でも、シャープの端末はミュージック機能が充実していますということを今一度知ってもらえればと思います。
――そのほかにも、804SHには多彩な機能が充実しています。
電子マネーやポイントカードにもなる「ボーダフォンライブ!FeliCa」に対応し、モーションコントロールセンサーも3G端末として初めて搭載しています。
シャープ製PDC端末ではお馴染みの、カメラで撮影した画像などを2画面で編集する機能も3G端末では初めて実現しています。
文字入力では、今までの「ケータイShoin3」からバージョンアップした「ケータイShoin4」を搭載しました。絵文字との連携や、文章作成中の英字や数字入力も連携・予測変換ができるなど、細かい使い勝手が向上しています。
――80Xシリーズではかなり高機能な水準にあるということでしょうか。
ボーダフォンの3G端末には、90Xシリーズ、80Xシリーズ、70Xシリーズのクラスがあり、804SHはミドルクラスに位置づけられる商品ですが、機能面においてはフラグシップモデルの903SHを継承しつつ、新たにカスタムスクリーンのダウンロードやモーションコントロールセンサーに対応し、またミュージック機能の強化も図っており、新しい80Xシリーズの価値を提案する、というのが今回の804SHです。
――本日はどうもありがとうございました。
■ URL
製品情報(ボーダフォン)
http://www.vodafone.jp/japanese/products/model_3G/v804sh/
製品情報(シャープ)
http://k-tai.sharp.co.jp/products/v/804sh/
カスタモ
http://www.custamo.com/
■ 関連記事
・ ボーダフォン、おサイフケータイ「804SH」を一部地域で発売
(太田 亮三)
2005/12/27 20:33
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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