11月19日、ボーダフォンのシャープ製PDC端末「V604SH」が発売された。同端末は、3.2メガピクセルカメラやアナログテレビチューナー、モーションコントロールセンサーなど盛りだくさんの機能が搭載され、他キャリアを含めて、現在もっとも高機能なPDC端末と言えるだろう。今回は、商品企画を担当したシャープの通信システム事業本部 パーソナル通信第二事業部 商品企画部 係長の宮國守氏に、V604SHの魅力について聞いた。
■ V604SHはPDCの最高モデル
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シャープ 通信システム事業本部 パーソナル通信第二事業部 商品企画部 係長の宮國守氏
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――V604SHのポイントを教えて下さい。
V604SHは、PDCの最高モデルとして、3.2メガのモバイルカメラを搭載しており、それが前回のV603SHより大きくバージョンアップした部分です。シャープのモデルには高付加価値を求めるユーザーが多く、今回の端末では、より高画質なカメラ撮影が可能になっています。
またV501SHで対応したカスタムスクリーン機能をサポートしています。この機能は、端末の機能メニューやグラフィックスなどを自分の好きなキャラクターやデザインに簡単にカスタマイズできる機能です。シャープではJ-SH09、J-SH52からディズニーコンテンツで自分の端末を彩れる「ディズニースタイル」をこれまで搭載してきました。またV603SHでは、電池やアンテナの画像を変更できる機能が好評でした。
こうした流れの進化としてV501SHでは、コーディネイトパネルやテクスチャーパネルとカスタムスクリーン機能により、トータルなカスタマイズを楽しんでいただく提案を行ない、多くのユーザーにご支持いただきました。今回、V604SHでは、カスタムスクリーン機能の充実として全部で24種類のコンテンツを同梱のminiSDにセットしてあります。
――モーションコントロールセンサーも引き続き搭載されましたね。
そうですね。V603SHで好評だった機能は搭載しました。機能的には従来と同じものですが、今回は、7種類の対応Vアプリ(体験版)がプリセットされています。
このほか、ボーダフォンの究極のエンターテイメントPDC端末として、地上アナログテレビチューナー、FMラジオチューナーを搭載しており、テレビもラジオも記録することが可能になっています。EPG電子番組表アプリもセットされています。こちらも基本的には前のモデルと同じものですが、オート選局の帯域がより最新のものになっているので、以前より使いやすくなっているとは思います。
――地上デジタル放送に対応した端末も発表されましたが、V604SHは、当初からアナログテレビチューナーを搭載するつもりだったのですか? 地上デジタルはやはり3Gでということでしょうか?
そうですね。地上デジタルについては来年のサービス開始に向けてこれから大いに期待されるところだと考えております。端末の開発のタイミングなどによりV604SHでは地上アナログテレビ対応となっていますが、シャープは既に地上デジタル対応試作機を開発しており、今後の展開に注目をしています。
■ 新たにノンセキュアAACに対応
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音楽機能は、セキュアMP3とノンセキュアAACに対応
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カメラ部近くにサブディスプレイを搭載
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――音楽機能に変更は?
今回新たにノンセキュアAACに対応した音楽プレーヤー機能を搭載しています。V603SHやV501SHでは、これまでと同様にSD-Audioに準拠したセキュアMP3の音楽プレーヤーを搭載していました。今回、ノンセキュアのAAC音楽プレーヤーも搭載し、2つの音楽プレーヤーが搭載されていることになります。また音楽ファイルの作成方法としては、本体でCDなどから直接録音する方法と、パソコンを使って音楽CDからリッピングした楽曲をminiSDに入れて利用するという2つの利用方法が可能です。
なお、音楽プレーヤーでもカスタマイズ機能で再生画面に自分で撮影した画像を表示して楽しむこともできます。
――ミュージックプレーヤーの機能がMP3とAACで別になっているのはなぜですか? また、AACだけノンセキュアなのはなぜでしょうか?
MP3はこれまでのモデルと同様にSD-Audio準拠になっておりこれまでユーザーの方が楽しんでいた音楽スタイルを引き続き使ってもらえるように配慮しました。また、AACについては携帯音楽プレーヤーのブームを背景に、パソコンでリッピングした楽曲データを手軽に使っていただけることを可能にしています。ユーザーのニーズやスタイルに合わせて使い分けできるという点では、便利な面もあるのではないでしょうか。
――なぜ今のタイミングでノンセキュアAACなのでしょう?
携帯電話だけでなく、iPodなどノンセキュアのAACが今のスタンダードになりつつあるからです。
――メモリカードの対応は?
確認できているのは、512MBまでです。
――サブディスプレイも搭載されましたね。
やはりサブディスプレイは必要だと思います。V604SHの発表以降にユーザーの反響を見てみると、やはり、サブディスプレイに対して評価をいただいていることがわかりました。
――そのほか何か変更点はありますか?
細かいところでは、ニーズの多かったカレンダーの祝日表示の対応や、メールを作成する際に相手のメールを同じ画面で確認しながら入力できる受信メール表示機能も搭載しました。
■ 化粧品をイメージしたデザイン
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ターコイズ&ブラック
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ホワイト&シルバー
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ブラック&レッド
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――デザインの印象も変わりましたね。
ボディカラーについては、新しい試みとして上側ボディと下側ボディの組み合わせによる2色カラーとしました。これまでのシャープの端末は割とシックでおとなしいイメージのスタンダードな色調が多かったと思います。これをこれまでとは少し変えていこうと仕上げました。最高位のPDC端末ということでハード志向になりがちなデザインから、品位を持ちつつ、洗練された化粧品をイメージしたデザインとしました。
――女性的なイメージを強めたということですか?
女性だけというわけではありませんが、女性にも意識をもっと振っていこうとはしました。これまでの端末は、わりと男性的なデザインの端末が多いかなと思いまして、少し女性寄りにしました。また、シャープの端末は、ハード志向の流れから男性からの支持が多いということもあって、もっと女性にも手にとってもらえたらと考えました。
――デザイン的には、キートップの電源マークなども3Gを意識させるものになっていますが。
実は今回、3Gと統一感を持たせるようにも意識しました。
――V501SHのときはパネルも出されましたが、画面を変更できる方が人気が高かったために、今回カスタムスクリーン機能を残したのですか?
それはデザイン性の違いですね。今回は化粧品やアクセサリーをイメージしており、それを優先するために、パネルではなかったのです。
■ カスタマイズ機能は今後さらに進化する
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V604SHは、エンターテインメントを極めた全部入りケータイ
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――モデル全体を通して、カスタマイズがポイントのようですが、最近の携帯電話のトレンドを意識されたものですか?
V501SHでカスタマイズをやってみて、非常に好評でした。ユーザーは、いつも持っている携帯電話により愛着を持ちたいと考えています。そのためには、やはりカスタマイズが必要で、今後もカスタムスクリーンはさらに進めたいと思っています。
ちなみに、V604SHでは、カスタムスクリーンだけでなく、例えば、電池レベルや電波のアイコンだけを変更することも可能ですし、自分で撮った画像をそれぞれのアイコンに割り当てることもできます。V501SHではできなった、自分のスタイルに合わせた画面構成を楽しめるようになっています。
――V603SHは完成されたPDC端末だと感じたのですが、そこから次のステップに進むのは大変ではなかったですか? また、今回の一番のアピールポイントは何でしょう?
V603SHは今でも売れており、非常に好調なモデルです。そこから何を変えていくのかは、本当に悩みどころでした。盛りだくさんの機能があるため、1つに絞るのはなかなか難しいですが、この1台にカメラもテレビも音楽も凝縮し、エンターテインメントを極めた全部入りケータイということでしょうか。
――本日はお忙しい中ありがとうございました。
【法林岳之のVodafone V604SHレビュー】
■ URL
製品情報(シャープ)
http://k-tai.sharp.co.jp/products/v/v604sh/
製品情報(ボーダフォン)
http://www.vodafone.jp/japanese/products/kisyu/v604sh/
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(編集部)
2005/12/02 14:20
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