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703SHf ウェーブレッド
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ボーダフォンから発売された「703SHf」は、おサイフケータイの「Vodafone live! FeliCa」対応端末として登場したシャープ製3G端末。小型・軽量な3G端末「703SH」の特徴をそのままに、質感などデザイン面で大きくイメージが変更されているほか、カメラに接写機能を追加してQRコードに対応するなど、細かな使い勝手にも配慮されている。
シャープ 通信システム事業本部 パーソナル通信第2事業部 商品企画部 主事の石井 裕樹氏にお話を伺った。
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シャープ 通信システム事業本部の石井 裕樹氏
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FeliCaのアンテナはサブ液晶のまわりに内蔵する
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――「703SHf」はボーダフォン初のおサイフケータイとなりますが、苦労された点、工夫された点はどういった部分ですか?
スタンダードモデルとして「703SH」も併売しますので、それとの差別化を念頭に置いて商品化しました。また、ボーダフォン初のおサイフケータイとして、どのような特長をもたせるかという点でも悩みました。
シャープでは、新しい機能などはハイエンドモデルの端末に搭載することが多かったのですが、普及クラスの端末にFeliCaを搭載して、より多くの方にスマートにおサイフケータイを使って欲しいという思いがあります。
703SHと比べても変わらない大きさ、重さをとにかく意識して開発しました。FeliCaのアンテナを内蔵していますが、703SHと比べて1mm厚くなっただけです。重さは109gで、発売時点で日本国内で販売されているFeliCa対応携帯電話としては最軽量になると思います。
FeliCaのアンテナはサブ液晶のまわりに内蔵していますが、単純にアンテナを追加しただけでは厚くなってしまいますので、サブ液晶まわりの回路部品をほかへ移動させてFeliCaのアンテナを搭載しています。
また、デザイン面では703SHがポップなカラーを採用しているのに対し、703SHfでは大人向けのデザインやカラーを採用しています。
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水圧転写塗装により印象的な模様が施されている
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――デザイン面では、液晶側ボディの外観が特徴的です。
液晶側ボディには、水圧転写塗装というシャープの携帯としては初めての塗装技術を使用しました。模様などが描かれた特殊なフィルムを水面に浮かべて図柄を転写する技術で、主に自動車の木目調パネルなどで使われています。携帯電話では他社で採用例がありますが、閉じた状態の上側ボディ全面に幾何学模様を使用したのは703SHfが初めてではないでしょうか。この塗装の仕上がりは実際にやってみてからチェックするしかなく、試行錯誤を繰り返してどうにか製品化までたどり着きました。表面のUVコートも厚めなので、光沢もしっかりと出ていると思います。
――ボディカラーも、ワントーンの落ち着いた雰囲気です。
「コルクベージュ」はテンキー部分のボディがシルバーですが、「ウェーブレッド」「カーボンブラック」はトーンをまとめています。ワントーンでシックにまとめながら、水圧転写塗装でアクセントを加えたデザインにしています。
オプションで卓上ホルダが用意されていますが、今回の703SHfでは本体側に卓上ホルダに固定するための溝などを設けていません。ヒンジ部周辺のデザインは一体感のあるすっきりしたものに仕上がっていますので、端末に溝を付けずに卓上ホルダ側だけで端末を固定できる仕組みにしています。
――ソフトウェア面で、おサイフケータイとして対応した機能や、独自に搭載した機能などはありますか?
ソフトウェア面では、703SHをベースに「ボーダフォンライブ!FeliCa」に対応しています。メインメニューにはICアプリアイコンを追加し、すぐにICアプリの起動、ICカードの設定ができるようになっています。また、FeliCaのロック系の機能が充実していますが、ボーダフォンの標準仕様として、電話でのロックに加えメールでのロックもサポートしています。
「メールリモートロック」では、あらかじめ登録した件名でロックしたい端末にメールを送信することでロックできます。メールの仕組みを利用している特徴として、ロック操作をしようとした時点で紛失した端末の電源が切られていたり、圏外であったとしても、72時間以内に圏内に復帰した場合、メールが受信され、ロックできるという点があります。予め設定すれば、指定したアドレスにロック成功の通知も送信されます。
我々が独自に搭載した機能でこだわったのは、おサイフケータイとして閉じた状態で使用するシーンも多いだろうと考え、「ICカードロック」が作動しているときにはサブ液晶にもロックアイコンを表示するようにした点です。ロックしていることを忘れて使おうとする、ということが無いよう、閉じている状態こそロック状態が確認できる必要がある、と考えました。
ディスニーコンテンツも703SH同様に搭載していますが、ディスニーコンテンツも含めて、搭載しているコンテンツはすべて刷新しました。着うたフルの検索サイトへアクセスできる項目が追加されていますし、ユーザーからの要望を採り入れる形でアイコンの下にメニュー名称が出るタイプのカスタムスクリーンも用意しています。TVコールの設定メニューなどでも、細かな使い勝手を改善しました。
カメラ機能では接写機能に対応し、QRコードの読み取りが可能になりました。おサイフケータイを利用するシーンなどでもQRコードを使用したサービスがありますし、おサイフケータイには必須の機能と捉えて搭載を決めました。
――703SHfでは、どういったユーザー層を想定していますか?
「ウェーブレッド」がイメージカラーとして採用されていますし、パッケージの外箱もピンクがあしらわれたものになります。メインは「20代のショッピングが好きなOL」といった層がターゲットになると思いますが、それにプラスして、カーボンブラックなどでは、ビジネスマンにもスマートにおサイフケータイを使って欲しい、と考えています。
――本日はどうもありがとうございました。
【法林岳之のVodafone 703SHfレビュー】
■ URL
ニュースリリース(ボーダフォン PDF形式)
http://www.vodafone.jp/japanese/release/2005/051110.pdf
ニュースリリース(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/051110-a.html
製品情報(ボーダフォン)
http://www.vodafone.jp/japanese/products/model_3G/v703shf/
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(太田 亮三)
2005/11/11 11:03
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