|
「W22H」開発者インタビュー
|
|
アシスト機構を装備、au初の“スライドケータイ”
|
|
|
|
「W22H」ヴィンテージレッド、プレミアムシルバー
|
auより発売された日立製作所製CDMA 1X WIN端末「W22H」は、au初となるスライドデザインを採用した端末。「スライドアシスト機構」を搭載することで容易に端末の開閉が可能になっている。メニュー周りなどはカシオ日立モバイルコミュニケーションズによる開発の特徴を感じさせる一方、スライド機構と連動した独自の機能も備える。
カシオ日立モバイルコミュニケーションズ 戦略推進グループの松長 孝徳氏、吉田 征義氏、開発設計本部 機構設計グループ チームリーダーの下山田 和郎氏、日立製作所 デザイン本部 ホームソリューションデザイン部 専門デザイナーの岩間 徳浩氏の4名に、W22Hについてお話を伺った。
|
左から機構設計担当の下山田氏、デザイナーの岩間氏、戦略推進グループの松長氏、吉田氏
|
|
スライドの隙間が光る「ルミナススリット」
|
――まずはW22Hの特徴を教えていただけますか?
吉田氏
開発のコンセプトは、一言で言うと「ニュースタイル」です。リッチコンテンツが増え、いろいろな端末が増えている中で、どういった形状の端末が使いやすく、ユーザーの方に楽しんでいただけるのか、といったところから開発をスタートして、au初のスライドケータイを誕生させました。
端末の中身は、「EZ着うたフル」のサービスも開始されましたので、ミュージックプレーヤーとしての使い勝手を良くし、またEZチャンネルなどの映像コンテンツを、スライドを閉じた状態でも操作できるようにしています。通話、メールといった基本的な機能では、スライドオープンで通話、スライドクローズで終話はもちろん、メールを見ていて返信したいという時にスライドを開ければ返信画面に移るというように、スライドと連動した機能を搭載しています。前面にこれだけキーがあるので誤動作を防ぐ機能も重要ですが、スライドを開けるとキー操作無効を解除、閉じるとロック、といった連動も図っています。また、こういったスライドの機能を利用するには開けやすいスライドでなければ使ってけないだろうと考え、「スライドアシスト機構」を搭載しています。
動画の再生ではQVGAサイズの録画・再生はもちろん、「SD-Video」の再生に対応しました。パソコンやAVなどのSD-Video対応機種で記録したSD-VideoのASF形式のデータを再生できます。ほかにも、「W11H」では何もない塗装面が光るという「ルミナスシェル」を搭載しましたが、今回、スライドの隙間が光る「ルミナススリット」を搭載しています。
――メニューは従来のカシオのメニューに近い印象ですが、日立オリジナルの部分はどのあたりでしょうか?
松長氏
開発会社としては一緒になっていますので、リソースの共有化をしつつ開発を進めていますが、ラインナップ、あるいはデザインに合うような機能を搭載しています。au全体で端末の操作性の共通化を図っているということもあり、従来の端末を使用してきたユーザーの方にもそれほど違和感はないのかな、と思っています。
画面パーツやアイコンといったインターフェイスについては、(従来のカシオと)同じように見えますが、実は多くを作り直していますし、Flashに対応したメニューなども新たに作ったものです。端末の色や形状など、トータルでの見え方を考慮した制作を心がけました。
|
スライド面や方向キーは傾斜しており、テンキーと方向キーを操作する際の指の移動量を軽減させている
|
――大きさはこれが限界だったんでしょうか。もう一回り小さいと嬉しいのですが。
下山田氏
中に多少余裕はあるのですが、その部分についてはデザインとスライド機構を実現するために必要なスペースであったと思っています。さらにその条件下で各種モジュール、デバイスを最適に配置し、この大きさに収めています。
松長氏
W22Hのスピーカーは、実は横向きに付けています。この辺りも大きさの要因の一つです。3Dサラウンド再生は3段階にステレオワイド設定が切り替えでき、イヤホン端子からでもサラウンドが楽しめます。また、パッケージに同梱しているステレオイヤホンの変換プラグを使用すれば、お手持ちのヘッドホンで臨場感あるサウンドをお楽しみいただけます。音についてもこだわっているスタッフがいますので、着うたが主流になりつつある今ですが、プリセットの「世界・ふしぎ発見!」の着メロも豪華なものを用意してみました。
以前、折りたたみ端末を出した時は最後発ではありましたが、ヒンジに回転カメラを入れたり、アンテナを内蔵するなど、他社にない折りたたみ端末を追求しました。今回のスライド式も業界初の形状ではないですが、『スライドアシスト機構』や連動機能を採用し、使いやすさや高い完成度を目指しました。
岩間氏
女性の長い爪が引っかからないように、スライド部分の段差やキー配列の調整にも苦労しましたね。
――このデザイン形状は“自分撮り”がやりにくいと感じたのですが、自分撮り用のミラーなどは付けられなかったのでしょうか?
岩間氏
自分撮りは何回か撮っていただければコツがつかめると思いますし、1.3メガのカメラで、閉じた状態のデジカメスタイルで撮影してもらうのがメインなのかな、と考えています。デザイン的なこともあり、今回ミラーは搭載していません。
――今後もスライド式を採用していくのでしょうか?
吉田氏
利用シーンや、用途によって変わってくるものと考えていますので、選択肢のひとつと考えています。
――本日はどうもありがとうございました。
■ W22H 製品情報(KDDI)
http://www.au.kddi.com/seihin/kinobetsu/seihin/w22h/
■ W22H 製品情報(日立製作所)
http://www.hitachi.co.jp/Prod/vims/mobilephone/w22h/
・ W22H(ビンテージレッド)
・ au初のスライド機構を採用した「W22H」
(太田 亮三)
2004/12/02 18:50
|
ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2004 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.
|
|
|
|