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「W63H」開発者インタビュー
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ワイドVGA有機EL搭載で進化したWoooケータイ
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3.1インチのワイドVGA有機ELを搭載した「Woooケータイ W63H」がauから発売される。日立製作所 デザイン本部の福田陽平氏、野村皓太郎氏、カシオ日立モバイルコミュニケーションズ 商品企画チームの佐藤恵理奈氏、同 日立営業グループ マーケティングチームの吉田征義氏、光永博史氏に、同端末の特徴や開発コンセプトなどを伺った。
――まずはW63Hの開発コンセプトについて教えてください。
吉田氏
今回ご紹介するW63HはWoooケータイの第3弾になります。昨年の秋冬モデルとして発売したWoooケータイ W53Hはおかげさまで大変ご好評を頂いており、そのW53Hをさらにレベルアップさせたのが、Woooケータイ W63Hです。Woooケータイとして、映像面でのこだわりでは、3.1インチのワイドVGA 有機ELディスプレイを搭載し、さらに、日立のハイビジョンテレビWoooの技術を活かした高画質エンジン「Picture Master for Mobile」にも新しい補正技術を加えて進化させました。
デザイン面ではWoooケータイ W53Hから基本的なスタイルを踏襲しつつも、細部にまでこだわって磨きをかけています。
また、ここのところ1台の携帯電話を長く使う傾向が強まってきていますので、映像面とデザイン面以外の機能面も強化しています。具体的には、5メガピクセルのカメラやW53HにはなかったPCドキュメントビューアーなどの搭載、そして、日立モデルとして初めてグローバルパスポート CDMAにも対応しており、長くご愛用いただける携帯電話に仕上げることができたと考えています。
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(左から)吉田氏と光永氏
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――デザインを見ると、W53Hよりも高級感がさらに増しましたね。
光永氏
弊社の調査によると、W53Hの購入動機では、ワンセグや有機ELディスプレイ、Woooケータイだからといった映像面はもちろんのこと、デザイン面も上位にきていますので、さらにデザイン面でも磨きをかけるため、プロダクトデザインはW53Hに引き続きW63Hも野村が手がけました。
――では、野村さんからW63Hのデザインに関する、こだわりやポイントをお話いただけますか。
野村氏
はい、まずW63HはWoooケータイのコンセプト、先進と上質を継承しています。そして、W53Hでも採用しました「Cutting edge Design」、これは無駄をそぎ落としエッジを効かせて内に秘めた先進性を表現したデザインですが、今回もこの「Cutting edge Design」を採用し、それをさらに進化させています。正面や側面だけでなく、キーボタンやカメラ部分にいたるまでカット処理を施してあります。高級感という点でも、カーソルキーを金属にしたり、数字キーもシルバーに立体印刷を使うなど、緻密さや繊細さを感じられるようこだわりました。
また、W63HはW53Hに比べて本体サイズがスペックアップによりやや大きくなりましたが、そこまで変わった、大きくなったと見えないように、細かい処理をヒンジ部分などに施しています。
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(左から)福田氏、野村氏、佐藤氏
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――W53Hはまず3色でスタートして、後から2色追加の全5色という展開でしたがカラーバリエーションはいかがでしょう。
野村氏
カラーバリエーションは「ガーネットオレンジ」「サファイアブラック」「オパールホワイト」の3色展開となります。名前ですぐお分かりになると思いますが、カラーコンセプトはジュエルカラーで、先進と上質というコンセプトの上質を表現しました。
ガーネットオレンジは輝度が高いのに深みのあるオレンジに、ゴールドのトリムとブラウンを組み合わせました。サファイアブラックはマジョーラカラーを抑え気味に使用していまして、太陽光の下だと分かりやすいんですが、角度によっては黒にもブルーにも見える不思議な色合いを出しました。オパールホワイトは純粋な白ではなく、ほんのわずかにピンクがかっています。また、白はシルバーと組み合わせられやすいところを、あえてゴールドのトリムにしました。最近は女性の持つバッグや小物にホワイト&ゴールドというデザインをよく見ますので、わりと受け入れられやすいのではと思います。
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背面には5メガカメラを装備している
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――よく見ると、表面のFeliCaロゴをうまくデザインに溶け込ませましたね(笑)。
野村氏
はい、そこは苦労したポイントでもありますが、工夫しすぎて溶け込みすぎて、最初はほとんど見えなくなってしまいまして(笑)。着信LEDも成型の限界まで小さくし、デザインを損なわないようにしています。
W63Hは5メガのカメラを搭載するなど機能面でも充実を図っていますが、お買い上げいただく対価として、持っていて嬉しいアクセサリー感覚を抱ける、上質なデザインというのは欠かせないと考えています。
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GUIも進化し、表現力が向上している
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――GUI周りはいかがでしょう?
福田氏
画面デザインはカラーバリエーションに合わせたものが3種類と、ケータイアレンジとして日立エアコンでおなじみの「白くまくん」を含め、4種類用意しました。弊社内でWoooメニューと呼んでいる標準的なメニュー画面の「Fusion Black」では、アイコンに注目していただけますか。画面がワイドVGAになったこともありまして、例えばTVのアイコンを選択すると、アイコンのTV画面の中に本当に映像が映るんです。その他全てのアイコンもアニメーションをしているので、楽しんでもらえるのではと思っています。
――これは搭載エンジンを変えたりしてるんでしょうか。
福田氏
搭載エンジンには変更はありませんが、さまざまなチューニングによって、動作の軽快さと、表現力の両立を行っています。画面がワイドVGAになったからといって、それで操作が遅くなるようでは、ユーザーにはメリットがありませんから。
また、細かい話になりますが、W62Hの時からケータイアレンジに加わった「白くまくん」画面も、実は進化してるんです。何が変わったかと言いますと、メニュー画面でまず時刻に合わせて日中は背景が明るい昼に、夜はちゃんと星空になりました。さらに従来の白くまくんアイコンはずっと起きていましたが、今度は何も操作しない時間が長いと居眠りをするんです。待受画面も時間連動でそれぞれ数パターン用意しました。
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「白くまくん」メニューも進化している
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――白くまくんは半分ぐらい寝ているようですけど……。しかしここまで来ると、白くまくん絵文字も欲しくなりますね。
福田氏
そうですね、QVGAで白くまくん絵文字は難しいですが、せっかくワイドVGAになったので、それはやりたいですね。来年はちょうど白くまくん誕生50周年ですし。
――機能面での進化はいかがでしょうか。
佐藤氏
W63H最大の特徴は、やはり3.1インチ ワイドVGA 有機ELディスプレイになります。高精細、大画面で、ワンセグやLISMO Videoをご覧いただけます。また、高画質エンジン「Picture Master for Mobile」を搭載しておりますので、映像をより美しくお楽しみ頂けます。今回は、このエンジンに新たに「エッジエンハンサ」を追加しており、QVGAの映像をVGAに引き伸ばしても、文字などがくっきり読みやすく表示できます。
また、グローバルパスポート CDMAへの対応、5Mの手ブレ補正対応オートフォーカス付きカメラ、PCサイトビューアーとPCドキュメントビューアーなど、映像面以外の機能も充実させました。
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卓上ホルダはUSBクレードル機能付き。縦でも横でも利用できる
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――有機ELについては、それなりにノウハウが蓄積されていると思いますが、ワンセグは以前から屋外での視認性の悪さが指摘されています。それについてW63Hでは何か工夫されていますか。
佐藤氏
有機ELディスプレイの特性を活かし、前機種以上に鮮やかな画質を実現しております。
光永氏
「Picture Master for Mobile」の光センサー連動γ補正では、外光の強さを検知して屋外でも見やすいように補正しています。
――そのほかに隠れたアピールポイントなどはあるのでしょうか?
佐藤氏
しゃべるモバイル辞典を充実させ、カメラで撮ったテキストや単語を翻訳する機能も搭載致しました。また、PCドキュメントビューアーも、Eメール受信したデータを修正し、送れるようになりました。
――ところで防水やタッチパネルのWoooケータイがあったらなぁと思っているんですが、技術的にハードルが高いのでしょうか。
吉田氏
技術的な難しさもありますが、サイズ面での影響があるので、大きさ含めたデザインとの両立が課題と考えています。
福田氏
タッチパネルは映像にこだわるWoooケータイである以上、指紋がつきにくいディスプレイやコーディングが必要になりますね。
――本日はありがとうございました。
■ URL
製品情報(日立製作所)
http://k-tai.hitachi.jp/w63h/
製品情報(au)
http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/cdma1x_win/w63h/
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・ 3.1インチ・ワイドVGA有機EL搭載のWoooケータイ「W63H」
(編集部, 麻生 ちはや)
2008/11/27 11:58
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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