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「W61SA」「W62SA」開発者インタビュー
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マルチメディア大画面ケータイと癒しの防水ケータイ
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W61SA(左)とW62SA(右)
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auの2008年春モデルとして発表された「W61SA」と「W62SA」は、三洋電機製として提供されながら、一方はKCP+対応のスライド型、もう一方は防水仕様の回転2軸型と、大きく異なる特徴を備えている。
今回、「W61SA」について三洋電機 商品企画担当の横田 希氏に、「W62SA」について鳥取三洋電機商品企画担当の田中 誠二氏に聞いた。
■ W61SA
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W61SA
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横田氏
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――スライド機構を採用したW61SAですが、メインディスプレイ下に操作キーを配さず、キー側ボディに操作体系を集約させていますね。
横田氏
3インチ有機ELディスプレイを採用したことで、コンセプトは「ネクストスタイル」「ネクストディスプレイ」です。メインターゲットとしては、AV機器にこだわりを持つ、20代男性を描いています。有機ELの表現力をアピールするため、ディズニーキャラクターを3Dで表現するコンテンツを用意していますし、メインディスプレイ表面には強化ガラスを使っています。
これまでの三洋製スライド端末では、ディスプレイ下にボタンを用意していましたが、今回はキー側ボディに配しました。スライド機構ですが、使い勝手は折りたたみタイプ、あるいは回転2軸ヒンジタイプに近いと言えます。従来のボタンでは「クリアキーが遠い」という声もありましたが、キー側ボディに操作を集約したことで、そういった違和感を抱くことなく利用してもらえるでしょう。従来型のスライド端末を使っていた方々だけではなく、新たなユーザー層にも利用してもらえると思います。
――先に発売された、W54SAもスライド型でKCP+を搭載していますが、違いは?
搭載するソフトウェアでほとんど違いはありません。従って、違いはハードウェアということになりますね。「W54SA」は、VGA液晶でパソコンに近い使い勝手と言えますが、「W61SA」はフルワイドの有機ELを採用したことで、ワンセグなど映像関係のコンテンツをより楽しめる機種という位置付けです。
先述したように、操作キーの配置が異なります。従来型のキー配置である「W54SA」は閉じたままでも使えますが、キー側ボディに集約した「W61SA」は通常の使い勝手としては、折りたたみ型に近い使い方になります。どちらかと言えば、スペック重視の方は「W54SA」で、マルチメディアコンテンツを利用する方は「W61SA」という感じでしょうか。
――「W61SA」のディスプレイ下には、タッチセンサーが用意されていますね。
「W61SA」はマルチメディア重視、ということで、タッチセンサーで操作できるのはテレビやカメラ、LISMOなどマルチメディア関連機能だけとなっており、マルチメディア関連機能は閉じたまま利用できます。
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操作部は、テンキー側ボディに集約
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画面サイズを活かして、画面下部でニュースなどをテロップ表示、
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ディスプレイ下部で青く光る丸い点4つがタッチセンサー
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――国内向けの携帯電話でタッチセンサーを装備したモデルでは、触れるとバイブが震える、という機能を備えているものがあります。
操作した感覚がわかるようなフィードバック機能を搭載するかどうか検討しました。開発時の調査では、「操作すると、すぐ画面が切り替わるので、操作したかどうかわかる」という回答が多く、画面の切り替えで操作感を伝えるということになりました。タッチセンサーそのものの搭載については、端末の新しい見せ方を模索していた中で、デザイン面と使い勝手を追求した結果と言えます。
――最近のau端末では、有機ELディスプレイが積極的に採用されていますが、あらためてその特徴を教えてください。
有機ELディスプレイの一番の良さは発色の強さ、鮮やかな色遣いということになるでしょう。そして応答速度も高速です。映像コンテンツが増えてくれば、その良さがよりわかりやすく、実感してもらえるのではないでしょうか。携帯電話のディスプレイは、QVGA、VGAと高精細という方向で進化してきましたが、それとは違う良さがありますね。
「W61SA」では3インチのフルワイドという大画面ですので、メインメニューを表示した後でも、スケジュールやクイズ、EZニュースフラッシュがテロップ表示されるようになっています。ユニークなところでは、「RGB」
――そのほか、どのような特徴が?
今回も引き続きFMトランスミッターを搭載していますが、新機能として、充電中に使えるようになりました。自動車に乗っている時にDCアダプタで充電しながら利用できます。また、テンキー部分をなぞって文字入力できる「スムースタッチ」は、漢字入力できるようになりました。漢字を入力して、辞書機能で調べることもできます。
――ありがとうございました。
■ W62SA
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W62SA
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田中氏
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――防水仕様は昨年の「W53SA」に続き2機種目ですね。
田中氏
そうです。進化したポイントは、回転2軸機構を採用したことですね。「W53SA」でもワンセグ機能を搭載していましたが、視聴する際には「W62SA」のように回転2軸のほうが良いということですね。そしてディスプレイサイズが大型化し、0.5mm薄くなっています。
メインターゲットとしては、20代~30代の女性をイメージしており、お風呂での利用がコンセプトです。防水に加えて、癒し機能を用意しており、お風呂でリラックスできるような携帯電話を目指しています。
――お風呂での利用というコンセプトを採用した理由は?
「W53SA」ユーザーに対してアンケート調査を行なったところ、半数以上がバスルームで利用していることがわかりました。お風呂に入って、メールや通話、ワンセグなどを利用すると。そこで、今回はイルミネーションと音楽で、リラックスできる機能を加えています。
――シートキーを採用していますが、防水機能に効果があるのでしょうか?
「W62SA」はIPX5/IPX7相当の防水仕様となっていますが、シートキーがIPX5/IPX7に必要かどうか、という意味では、さほど関係ありません。シートをはがすと、キーの入力を受け付ける機構そのものに防水処理が施されていますので、シートが載るのか、ボタンが載るのか、という違いは防水仕様にとって関係がないのです。
強いて言えば、ボタン型であれば隙間に水滴が入ってしまい、水滴がついたままバックやポケットに入れてしまうと、水滴が漏れて濡れる、ということがありえますが、シートキーであれば隙間がありませんので、その心配は軽減されますね。シートキーは薄型化を図る機種で採用された事例が多いのですが、今回は防水仕様を示すデザイン的な意味が強いと言えます。
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シートキー採用
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――回転2軸ヒンジの採用は、防水仕様を実現する上でハードルになりそうな印象がありますが、実際はどうだったのでしょう?
防水技術そのものは、W53SAのときに確立されており、折りたたみ型と回転2軸型で塞ぐ部分はほとんど同じです。ただ、回転2軸になることで、キー側ボディとディスプレイ型ボディを繋ぐ部分が分割されて狭くなりますので、そこが「W53SA」との違いになります。
――狭くなると防水しづらくなるのでしょうか?
いえ、そういう意味ではなく、回転2軸になることで、ヒンジが大きくなり配線のスペースが制限されますし、折りたたみの開閉にディスプレイの回転も加わるため動きが複雑になり、耐久性を増す必要があります。信頼性を向上させるため、中を通る配線の形状決定に試行錯誤しました。「W62SA」は、「W53SA」と同じく鳥取三洋の開発チームが手掛けた機種ですが、鳥取三洋にとって回転2軸は初の試みでした。もっとも三洋電機の携帯電話では、過去に回転2軸を採用した機種はありましたので、そのノウハウは活かされています。
――「W53SA」よりも0.5mm薄くなったということですが、どういった工夫を?
画期的な技術を使った、ということではなく、1つ1つの部品が進化したり、社内で技術を蓄積したり……といった細かな積み重ねによるものです。いわば、「W53SA」で詰め切れなかった部分をより踏み込んで実装したと言えますね。
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バッテリーカバーはロック機構を備える
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――バッテリーカバーの仕組みは、「W53SA」と異なるようです。
まずロック機構がスライドスイッチ型になりましたが、これはデザイン的な理由が大きいですね。ロック機構はバッテリーカバーが偶然外れることを防ぐためのもので、ロック機構そのものは防水に寄与しているわけではありません。カバーを開けると、ゴム状の素材を貼り付けた金属のフタでバッテリーを押さえつけているような構造になっていますが、この仕組みも「W53SA」と異なります。ディスプレイを大型化しながら全長が拡大するのを抑えるよう、アプローチ方法を変えたための変更ということになりますね。
――メニューアイコンを見ると、Spaメニューという一風変わった機能が目にとまります。
コンセプトにあわせたメニューとして用意しましたが、マルチメディア関連機能や砂時計機能などを呼び出せるような構成になっています。
また癒し機能として取り入れたイルミネーションですが、これは女性にとって魅力と捉えてもらいやすい機能と考えています。ただし、光だけではちょっとシンプル過ぎますので、音楽を付けて、着うたも選べるようにして、空間全体を演出できる機能にしています。
――ありがとうございました。
■ URL
三洋電機 携帯電話情報
http://www.sanyo-keitai.com/
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2008/03/26 11:16
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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