ケータイ Watch
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[2009/06/23]



「P-09A」開発者インタビュー
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「W61SH」開発者インタビュー
カジュアル&ジャストサイズのAQUOSケータイ

 au向けのAQUOSケータイとしては第2弾となる「W61SH」が登場した。サイズ感を大切にしながらユーザビリティの向上を図ったという同端末。開発を担当したシャープ商品企画部の後藤正典氏と谷健氏に聞いた。


W61SH

――au向けのAQUOSケータイとしては第2弾となる「W61SH」ですが、まずは開発コンセプトを教えてください。

後藤氏
 W61SHは弊社が手がけた第1弾の「W51SH」とも、また他のキャリアさん向けのAQUOSケータイとも少し異なる新しいコンセプトを打ち出しています。まず前衛モデルのW51SHの購入層ですが、機能性、スペックを求める傾向の強い男性ユーザーが2/3をしめていました。ですが最近はワンセグが男女問わず広く一般ユーザーにも普及してきました。そこで、映像を高画質で楽しんでいただけるAQUOSケータイをより多くの方々に、男性だけではなく女性にも使っていただきたいという思いから、W61SHの企画がスタートしました。

 この端末のコンセプトを一言で表したのが、「カジュアル&ジャストサイズ」というキャッチですね。AQUOSケータイ=大画面、ハイスペックというイメージをお持ちの方も多いと思いますが、W61SHでは、横幅48mm、高さ104mmという女性の手にもなじむ、バッグの中でもかさばらないジャストサイズを実現しています。

――手に持ったときのサイズ感は、ボーダフォン(当時)の初代AQUOSケータイ「905SH」に近くないですか?

谷氏
 縦横のサイズは確かに一番近いですが、厚みは7mm近く薄くなりました。ヒンジ部分を除けば厚さ16mm台ですから、カジュアル&ジャストサイズという言葉どおり、手の中にすっぽり納まるようになっています。


LED

――デザインにもこだわりがありそうですね。

谷氏
 デザインのコンセプトは「Authentic & Modern」です。一見相反する言葉ですが、高級感あるアクセサリ、カジュアルだけれども信頼感のある製品といったところを目指しました。具体的には最近注目されている素材のステンレスパネルで高級感を打ち出し、さらにこのパネルをよく見ていただくと分かるのですが、へアラインと鏡面加工を使い分けて直線的なラインを生み出しています。そしてカラーバリエーションの色使いやグラフィカルな構成によりモダンというかカジュアルなデザインを表現しています。

 キーに関しては、表面に起伏をつけることでより押しやすくなっています。

――閉じた時に表示される背面のLEDディスプレイは、時計以外にもいくつかパターンがあるんですか。

谷氏
 サブ液晶の代わりとして搭載していますので、まずは時計を大きく見やすく表示するのが目的ですが、せっかくLEDを搭載するのにそれだけではもったいない、ということで不在時の着信アイコンの他に、天気やLOVEといったメッセージを含む全90パターンを用意しています。

――この天気というのは、EZニュースフラッシュと連携しているんでしょうか?

谷氏
 はい、連携しています。晴、曇り、雨、雪の4パターンがありまして、晴れのち雨といった情報もアニメーションで表現できます。

――天気以外に何か最新コンテンツと連携しているパターンはありますか? 最近はこのLEDディスプレイが一つの流行になりつつあるようですが、プリセットのみというものがほとんどですね。ユーザーが任意の発光パターンを登録できたりすると、より楽しいのですが。

谷氏
 連携しているのは、今のところ時計と天気だけになります。ユーザー側での新たに設定できるような機能も今後検討していきたいですね。このようなイルミネーションの機能というのはユーザーさんからのご要望も強いようでして、店頭からの情報ですと、「今度はどこが光るの?」という質問をされることも度々あるそうです。


後藤正典氏(左)と谷健氏

シャープ商品企画部の後藤正典氏(左)と谷健氏
――ちなみにLEDディスプレイをサブディスプレイとして採用するのは、ボディの薄型化に必要不可欠だったからという理由なのでしょうか。

後藤氏
 いえ、薄型化と直接は関係ないですね。

谷氏
 むしろデザイン的な理由が強いでしょう。サブ液晶を搭載すると、どんなに処理を工夫しても液晶の枠が残ってしまいますが、LEDディスプレイは発光していないときはツルリとした平らな表面を維持できます。このメリットは大きかったですね。

 W61SHではカラーバリエーションごとに、メインメニューと待受画面が異なっているのも特徴です。メインメニューごとにテーマが設けられていて、用意されているグラフィックデザインもそれぞれ違う上に、メニューの階層自体も全て変えています。例えばピンクですが、やはり女性ユーザーが一番手に取りやすいことを考えて、選択キーで一番押しやすいメニューの真ん中が「フォト」に設定されています。コンセプトカラーの黒はLISMO MUSICをテーマにしており、普通のメインメニューではトップに表示されないような「LISMO Music Search」「au Records」などが設定されています。全部で7パターンのメニューを用意していますので、もちろん最も使い勝手のよい物に自由に変更していただけます。

――なるほど。機能面や従来モデルからパワーアップした部分など、細かいお話をうかがえますでしょうか。

谷氏
 女性にも持ちやすいサイズ感を今回は重視したとは言え、やはりW61SHはAQUOSケータイ。AQUOSケータイとしての画質にはこだわっています。他キャリアさん向けですと「SH905i」や「920SH」などで既に搭載していますので、皆さんご存知かとは思いますがコントラスト比と応答速度が高く、発色も鮮やかな「NewモバイルASV液晶」をauさん向けとしては初めて採用しました。これに加えて画質周りには、「SVエンジン」からバージョンアップした「SVエンジン+」を搭載しました。「SVエンジン+」を採用することで色味やエッジ処理といった細かいチューニングはもちろん、ワンセグを見る際の画質設定に「スポーツ」と「ビビッド」という新モードが2つ加わりました。スポーツは特に緑を美しく表現できるので、サッカーやゴルフ観戦に適しています。一方のビビッドは今までにない鮮やかな色味が特徴です。AQUOSは元々、自然な発色を特徴としていますが、ワンセグは野外で利用されるシーンも多いので、コントラストが色味はっきりと出るビビッドを今回用意しました。また、液晶本体と保護パネルを密着させて、液晶への映りこみを軽減させた「リフレクトバリアパネル」も採用しています。


開いたところ

――少し話が飛びますが、搭載アプリケーションの「名刺リーダー」は御社のau向け端末としては初めてですね。これは何かバージョンアップしている部分はあるのでしょうか。読み込んだ情報がPCと連携できたりすると嬉しいのですけれど。

谷氏
 名刺リーダーは特にユーザーさんから評価の高い機能でして、読み込みの体感速度が従来より少し速くなっています。おっしゃる通り、いったんアドレスに登録した情報を、他の端末でも生かせるようPCとの連携は考えているところですが、まずは第1弾ということで現在は特別なツールなどは用意していません。今後の課題として検討いたします。

 また弊社独自機能の一つ、「ケータイShoin6」もさらに使い勝手を向上させました。ケータイShoinはバージョンアップのたびに、ユーザーさんからの要望を反映するように努めております。今回は芸能人の名前も一発変換しやすくなったりもしています(笑)。

 もう1点、今回新たに追加された機能としてご紹介したいのが「フェイク着信」です。発信キーかサイドにあるカメラのシャッターキーを長押しすることで、擬似的に着信音が鳴ります。外から見るとLEDディスプレイも通話状態と同じように光ります。最初にお伝えしたように、W61SHは女性ユーザーにも訴求していきたい端末ですので、夜道などで不安な時にお使いになれるものとして結構大切な機能なんじゃないかと考えています。

――ユーザービリティの向上という点ではいかがでしょう。特に意識されたポイントはありますか。

谷氏
 使い勝手という部分からは少し離れてしまうのですが……20代のユーザーに特に多い、ゲームを中心とするコンテンツへの対応が強化されました。1つにはJavaアプリを利用できる「オープンアプリプレイヤー」の採用や横画面ゲーム「2008リアルサッカー」のプリセットなどのゲームの強化、もう1点が横画面で読めるコミックとして、「花より男子」「DEATH NOTE」の2作品がプリセットで楽しめるようになっています。特に後者はAQUOSケータイのサイクロイドスタイルにマッチさせ、横画面に対応したのが特徴ですね。

――気になるのは、既存のサービスとしてダウンロード可能な縦画面用の電子コミックを読むとどうなるんでしょう。

谷氏
 普通に縦画面用のコミックとして読むことはできますが、残念ながら、そもそも縦画面用とはコマ割や画像の比率が全く異なりますので、横画面ではお楽しみいただけません。コミックコンテンツはこれからも需要があると弊社でも考えていますので、ワイド画面に対応した作品は今後とも増やしていけるように出版社などに働きかけていく予定です。


――他キャリアの話になりますが、ワイド横画面を生かして画面を分割し、ワンセグを見ながらメールに返信もできる、というマルチタスク的な使い方が売りになっている端末もあります。W61SHはタスクボタンがあるので切り替えはできますが、何かをしながら別の操作もということができませんね。それについてはいかがでしょう。

後藤氏
 auさんの端末ではアプリケーションの多くが各社の共通仕様ということもあり、独自の機能を盛り込むのが難しい部分もありますが、画面分割等への対応については、できれば今後、実現していきたいです。

――「緊急地震速報」への対応をうたっていますが、これは発売時期にはまだスタートしてないサービスですよね?

谷氏
 そうですね、こちらのサービスはCメールを利用して行なうのですが、2008年3月下旬のスタートが予定されていますので、W61SH発売の時点ではまだ利用できません。また、購入時には設定がオフになってますので、その点はご注意ください。

――もう少し他キャリア向けのAQUOSケータイにはない、auだけの特徴といいますかアピールポイントがあれば、ぜひうかがいたいのですが。

谷氏
 一番注目していただきたいのがワンセグ視聴時間ですね。節電モードを利用すれば最大6時間半、標準モードでも約5時間半の連続視聴が可能です。トップクラスの実力だと自負しています。

――6時間半という連続使用は、電池容量が単純に大きくなったということなんですか。

谷氏
 いえ、電池は特に従来モデルと変わっていませんね。一番影響しているのは先ほどご説明した「SVエンジン+」の採用とワンセグ回りを無駄な電流を消費しないよう作りこんでいった結果かと思います。他にもこの視聴時間の測定結果には影響していませんが、映像の内容に合わせてバックライト輝度を自動制御できる「映像シーン別バックライト制御設定」を採用していますので、実際にお使いいただく際にはさらなる長時間再生が可能となります。

――それでは最後に、読者向けにメッセージを一言お願いいたします。

谷氏
 W61SHは、“ハイスペック”を売りにした端末ではありませんが、実際に店頭で手に持っていただければその良さが分かっていただける、そんな製品だと思っています。ぜひサイズ感や使い勝手を、お店で比べてみてください。

――本日はありがとうございました。



URL
  製品情報(KDDI)
  http://www.au.kddi.com/seihin/kinobetsu/seihin/w61sh/
  製品情報(シャープ)
  http://www.sharp.co.jp/products/w61sh/

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(編集部, 麻生 ちはや)
2008/01/09 13:05

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