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medibaに聞く
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「au one」迫る~これからのメディアレップの戦略
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EZwebのメディアレップであるmediba(メディーバ)が新たな局面を迎えている。これまで同社は、KDDIとともにEZwebのポータルを展開してきたが、9月27日より、EZwebとPCインターネット版ポータルを統合した「au one」がスタートするのだ。「au one」については未だ不明な点も多く、その全容はまだ見えない。今回、medibaのメディア戦略部長である竹嶋拓也氏に話を伺う機会を得た。medibaの広告事業の戦略や「au one」について同氏に聞いた。
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mediba 竹嶋氏
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――メディアレップとして、EZwebの広告などを展開されていますが、最近、人気のあるコンテンツはどんなものですか?
我々は元々メディアレップとしてスタートし、EZwebのポータルの編成・制作・運営にKDDIと共に携わってきました。そうしたことから、単にレップという存在から、媒体社とレップの融合体のような存在になっているかと思います。9月末からは「au one」というモバイルインターネットとPCインターネットを統合したポータルをKDDIといっしょに展開していきます。
ユーザーに人気があり、アクセス数が多いコンテンツは、ニュースや天気、スポーツといった速報性の高いものです。また、グルメ、音楽、占いなどのエンタテイメント系と呼んでいるコンテンツ群へのアクセスも伸びています。昨年7月に導入されたGoogle検索のアクセス数も好調で、モバイル検索という行動スタイルがユーザーに完全に定着したといえると思います。
――Googleの検索結果に表示される広告もmedibaが取り扱っているのですか?
検索結果に表示されるテキスト広告については、当社で取り扱っていませんが、ページ上部に表示される画像バナーについては、当社で取り扱っています。EZ検索ワード連動ピクチャーという商品で、ユーザーが検索窓に入力したワードと連動したバナー広告が検索結果ページの上部に表示されるものです。単純にバナーを貼るよりも、CTR(広告のクリック率)の数値で数倍から十倍の広告効果の差が出ています。
――携帯電話向けのバナーだと、最近になって電子書籍のものを多くみかけますね。
そうですね、非常に多いと思います。電子書籍のコンテンツプロバイダー様は我々にとって有難いお客様となっています。その背景には、昨年から電子書籍のコンテンツマーケットが爆発的に拡大していることがあるでしょう。
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モバイルでもパソコンでも両方使って便利なサービス、コンテンツを
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――クライアント(広告主)から人気が高い枠はどんなものがありますか?
1つは背景JACKタイアップと呼ばれる商品です。EZwebのトップメニューの背景画面をタイアップ商品として提供しています。EZwebのゲートウェイであり、EZwebユーザーのほぼ全員が閲覧する場所ですので、ブランディング効果につながるメニューとしてご好評を頂いております。
もう1つは待受け情報配信サービス「EZニュースフラッシュ」の広告商品ですね。ドコモさんではiチャネルの名称で月額課金モデルでサービスを提供されていますが、KDDIとmedibaでは広告モデルでサービスを展開しています。対応端末数が着実に増えていることで、利用ユーザー数が右肩上がりで伸びており、広告商品としてのリーチが急拡大しています。これまでモバイルインターネットをヘビーに使いこなしていなかったライトユーザーも本サービスを使っている印象もあり、ユーザーのアクセス数も順調に伸びています。今年の3月から広告商品として販売してきましたが、非常に人気があるため満稿の状態が続いています。
また、昨年より所謂ナショナルクライアント様の出稿が増えています。この流れを止めることなく、クライアント様に評価いただける商品・サービスを提供していきたいと考えています。
いわゆる一般サイトの中には、若年層のユーザーが非常に多いサービスもありますが、キャリアのポータルについては、若年層だけでなく30-40代ぐらいまでを幅広くカバーしており、ライトユーザーからヘビーユーザーまでリーチできるオールターゲットメディアとしての強みがあると思います。
――今後の広告商品として、たとえばAmazon.co.jpのような、過去の購買履歴から属性を判断するような広告の可能性はありますか?
購買履歴と特定してお話をすることはできませんが、ユーザー属性や行動履歴を見据えた広告商品について検討はしているところです。
先般発表させていただきましたが、現在、行動ターゲティング広告を準備しているところです。行動ターゲティング広告とは、訪れたユーザーの行動・閲覧履歴にもとづいて、medibaが提供する広告枠に広告の配信を行う広告手法です。たとえば、自動車カテゴリを頻繁に閲覧しているユーザーに対して、自動車カテゴリ以外のページにおいても、そのユーザーを捕捉し自動車関連の広告を出すようなイメージです。今後は更に、他のユーザー情報を付加させた多面的なターゲティング広告を実現するところまで持って行きたいですね。
――SNSやブログといった、いわゆるCGMに対する広告はいかがでしょう?
モバイルは、ユーザー主導でのバイラルキャンペーンが仕掛けやすい特徴があると思います。たとえば、バトンキャンペーンがそうです。商品・サービスのブランドをベースにしたコンテンツを作り、そのコンテンツをユーザー同士で広げていくような仕掛けは、モバイルでは成功しやすいようです。
パソコンの場合は、ユーザー間である程度伝えるべき内容があって、それを伝えようとするコミュニケーションが多いと思いますが、ケータイの場合、伝えるという行為自体に意味と目的があるコミュニケーションも多いような印象があります。
――おサイフケータイのクーポンといったリアル連動商品や、GPS機能を利用した商品も面白そうですね。
おサイフケータイについては、最終的な購買プロセスに直結した、モバイルインターネットならではの仕組みですので、早々に検討しなければならないと考えています。GPSについては、EZナビウォークや助手席ナビの中に、広告を表示させる商品を準備しています。秋以降に提供できるのではないでしょうか。
――これからau oneも控えています。パソコン版もサポートすることになりますが、モバイルとパソコンの広告の違いをどう見ていますか。
au oneは、ケータイ発想のパーソナルなマイ・ポータルを目指しています。auの携帯電話の機能や情報と連携した様々なコンテンツ・サービスが考えられており、デバイスの垣根を越えたポータルの利用シーンが広がっていくことでしょう。広告ビジネスという側面でいえば、PC・モバイル両方のデバイスにおいて連動した広告商品というところに他にはないバリューがあると思っています。PCインターネットの世界で広告を売っていくことを考えると、モバイルとの連動をどこまで深めるか、という点がポイントになるでしょうね。
――ただ、au oneがどういうものになるのか、正直よくわからない状況です。
モバイルとPCのポータルの融合が大きなテーマです。今の段階でその柱の一つとなるのが、Google社のGmailの技術をベースとしたau oneメールです。また、1つのキーワードから幅広く検索するオリジナルの検索機能「au one キーワード」ももう一つの柱になることでしょう。モバイルでもパソコンでも両方使って便利なサービス、コンテンツを目指していくことになります。
――本日はお忙しい中ありがとうございました。
■ URL
mediba
http://www.mediba.jp/
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(湯野 康隆, 津田 啓夢)
2007/09/25 12:28
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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