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「W52SH」開発者インタビュー
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真っ向勝負を挑むシャープの薄型ワンセグケータイ
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W52SH（ロージーレッド）
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7月5日、沖縄エリアを皮切りにauの「W52SH」が発売された。同端末は、2.8インチのモバイルASV液晶やAF付き2メガカメラを搭載し、おサイフケータイに対応したシャープ製の薄型ワンセグケータイだ。
シャープのワンセグ端末というと、「AQUOSケータイ」の名で知られるサイクロイドスタイルに特徴があるが、「W52SH」は2軸ヒンジタイプのボディを採用し、「AQUOSケータイ」の名を使うことなく、使いやすさにフォーカスしたワンセグケータイとなっている。今回はそんな「W52SH」について、シャープの通信システム事業本部 パーソナル通信第四事業部 商品企画部の中田尋経氏に話を聞いた。
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グレシャスブラック
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インテリジェントホワイト
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■ 4つの特徴
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シャープの中田氏
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――それではまず、「W52SH」のコンセプトについて伺います。
シャープでは、「W41SH」で使いやすいケータイを、「W51SH」でマルチメディア系に力を入れた端末をリリースしてきました。我々は、ワンセグが定番機能になり、おサイフケータイも標準的なものになると考えおり、「W52SH」ではこれらの機能を搭載し、「ニュー・コンパクトスタンダード」というキーワードをコンセプトに開発しました。
――特徴を教えてください。
大きな特徴は4つあります。
1つ目は、サイズと機能のバランスです。ケータイは日々使うものであり、薄さが大きなポイントになります。そのため、最薄部17.6mmの薄いボディの中に、ワンセグ、FeliCaそして2メガのオートフォーカスカメラを搭載し、使いやすいパッケージにおさめています。
2つ目は、シャープの技術の顔ともいえる液晶です。「W51SH」では、ワンセグを迫力ある映像で楽しんでいただくために3インチの大型液晶を採用しましたが、今回は、よりコンパクトにするためのバランスを重視し、2.8インチとしました。しかし、コントラスト比は進化しています。また微反射液晶と6色カラーフィルターを採用しているので、屋内だけでなく屋外でも色の美しさを感じていただけます。
3つ目は、ユーザーインターフェイスなど、使いやすさへのこだわりです。シャープならではの特徴である「Task bar」をさらに進化させました。たとえば、ワンセグ録画を行ないながら、録画を中断することなくメールの受信・返信がTask barから行なえます。アドレス帳に登録されている人であれば録画中でも電話の発信も可能です。
待受画面で便利なショートカット機能も改善し、「録画予約スケジュール機能」など登録できる機能をさらに増やしました。ワンセグの録画予約は、EPG（電子番組表）からでは5時間先までの予約しかできませんが、録画予約スケジュール機能を利用することにより、1週間先でも1カ月先でも、自由に予約が可能なほか、繰り返し録画も可能です。朝方の番組を寝る前に録画予約して、通勤中に確認するといった利用が可能です。
さらにプリセットされた各画面テーマは、秒表示対応したアナログ時計のほか、大人っぽいものから、かわいらしいものでご用意しました。ケータイを開くたびに動きあるアニメーションなども楽しめます。
4つ目は、デザイン的な特徴です。ユーザーターゲットのイメージは、20代後半～30代の、モノにこだわりを持った方です。そうしたユーザーに選んでもらえるように、本流感や上質感にこだわりました。
「W52SH」は、回転2軸を採用したベーシックな形状です。17.6mmの薄さを引き立たせるために、側面にメタルのフレームを採用し、より薄さが際立つようにしました。従来、薄さの表現は削れるところを削るというのが主流でしたが、今回はさらに、美しさの領域に踏み込み、アクセサリーの持っている上質感を表現しました。
本流感として、今回ワンセグが視聴できるため、ワンセグの高品位な映像をアピールするにはやはり液晶を主役にするべきだろうと考えました。それには、横向きのデザインが1つの特徴になります。画面を横にした際、テレビのようにメタルフレームが上下に配置され、これによって液晶の高精細感が際立つようになっています。この手法は液晶テレビ「AQUOS」で採用しているものです。
また、上質感のもう1つの表現として、色と仕上げにこだわりました。金属的な表現のほかに、表面塗装に、細かなドットのテクスチャーを入れました。触ると細かい凹凸があるのがわかると思います、これにより、光の角度によって微妙に表情に変化が生まれ、これまでの塗装では表現しきれなかった上質感が表現されています。全体的には、アクセサリーの持つ世界観をモチーフに、各ボディカラーとも男女問わず持っていただけるものになったのではないでしょうか。
■ 改善ポイント
――「W51SH」から改善されたポイントはありますか？
今回、薄さを17.6mmに収めながらも、数字キーの幅を広げ、キーの表面1つ1つに凹凸を持たせ、打ちやすくしています。キートップは緩やかに、キーの端の部分に曲面を持たせるように配慮しました。指触りがかなりソフトにできたのではないかと思います。
Task キーの長押しは、常時プライベートフィルターのON/OFF設定と固定することで、待受状態でもフィルターON/OFFの切り替えを可能としました。テレビ起動は、待受画面で「＊」キーの長押しで行なえます。
また、端末を回転させた際に、行なえる動作を選べるようにしました。プリセットでは、ワンセグなどのメディアチューナーが起動しますが、設定によってカメラを起動させたり、動画を起動させたりといった自分好みの設定が可能です。ケータイを回転させてすぐにカメラ撮影を行ないたい方にも便利ではないでしょうか。
ワンセグ機能では、「W51SH」よりもバッテリーを小さくしながらも視聴時間を伸ばしました。さらに、ワンセグの視聴スタイルは人によってさまざまですので、机に置いて見たい時、右利き、左利きといった利き手によって異なる持ち方で使いたい時など、Task barを長押しすることで、上下の画面の反転を可能としました。使いたいスタイルに合わせてワンセグが楽しめます。
さらに、「W51SH」はモノラルスピーカーでしたが、今回ステレオスピーカーを装備しました。ヤマハさんにご協力いただいて、音質の全面チューニングを行ないました。
――使いやすさへのこだわりということで、小さな改善ポイントがたくさんあるようですね。
そうですね。例えば、EメールやCメールもサブフォルダに対応しました。これにより見られたくないメールはロックをかけたサブフォルダに保存しておけるようになっています。もちろん自動振り分けにも対応しています。また、文字入力の際に、従来よりも大きな文字が選べるようになりました。5段階で設定可能で、それにあわせて絵文字の表示サイズも2段階に切り替わります。アドレス帳リストについても、4段階で文字サイズを設定可能です。
さらに、Task barをもっと便利に使っていただくために、マナーモード設定やFeliCaロックもTask barから設定できるようにしました。例えば、メール作成中などにマナーモードに設定するといった操作が可能です。
■ 一番使いやすいベストなものを提供したい
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「シャープの真っ向勝負はただの直球ではない」と中田氏
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――シャープのワンセグケータイと言えば、サイクロイド方式といった印象がありますが、今回回転2軸方式を採用したのはなぜですか？
「W52SH」では、軸足をワンセグだけに置くのではなく、トータルな面でのバランスを重視しました。サイクロイド式の操作感が欲しい方もおられる一方で、スリムなケータイで気軽にテレビを楽しみたいというユーザーも併存していると思います。ワンセグは定番機能になりつつありますが、その楽しみ方のスタイルはいろいろあるのだろうなと考えています。
今回のau様夏モデルの中には、ターゲットユーザーが重なっている端末もあります。そうした中、我々としては、サイズ感や持ちやすさ、同じワンセグケータイでも液晶や映像エンジン、いろいろなユーザビリティなど、それぞれの局面でアドバンテージがあるのではないかと思っています。今回、サプライズは抑え気味ですが、真っ向勝負の直球でマーケットに提案しています。
――機能的な取りこぼしがないような印象を受けました。
今回はコンパクトな中に、日々の生活の中で必要なものは全部入っているケータイを目指しました。ケータイでできることは一通り楽しみたいと思っている、そういったユーザーに対して、一番使いやすいベストなものを提供したいと考えました。
――スタンダードな使いやすさの追求というのは、なかなかユーザーへの訴求が難しいのではありませんか？
スタンダードなだけでは、難しいですね。そこで今回は「薄型」というテーマにフォーカスし、どこまで薄く、その中でどれだけ完成度を上げられるかに取り組みました。真っ向勝負となりますが、シャープの真っ向勝負はただの直球ではないぞ、と誇れるものに仕上がっているかと思います。
――お忙しい中、どうもありがとうございました。
■ ＵＲＬ
製品情報（KDDI）
http://www.au.kddi.com/seihin/kinobetsu/seihin/w52sh/index.html
製品情報（シャープ）
http://www.sharp.co.jp/products/w52sh/
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（編集部）
2007/07/11 13:16
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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