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W51SH
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今春、シャープとしては2機種目となるWIN端末「W51SH」が登場する。1機種目の「W41SH」は比較的スタンダードな端末だったが、W51SHはワンセグに対応する「AQUOSケータイ」だ。
「AQUOS」（アクオス）というと、非常に強いブランド力を持つ、シャープの液晶テレビのブランド名だ。W51SHが「AQUOSケータイ」を名乗るには、ただワンセグを搭載しただけでなく、そこから一歩進んだこだわりがあるという。その「AQUOSケータイ」ならではのこだわりについて、シャープの通信システム事業本部 パーソナル通信第四事業部 商品企画部 主事の小林 繁氏に聞いた。
■ 大画面や画質にこだわる「AQUOSケータイ」
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シャープの小林氏
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――まずはW51SHの基本的な製品コンセプトからお聞かせください。
シャープとしては、昨年10月にW41SHで初めてauさんに端末を提供しました。W41SHはどちらかというと広いお客様をターゲットとしたスタンダードモデルでした。W51SHは、auさんのワンセグ、デジタルラジオやLISMOビデオをはじめとする強力なマルチメディアサービスを、シャープならではの大画面・高画質液晶とサイクロイドスタイル、AQUOSの画作りノウハウの強みを生かして楽しむケータイをコンセプトに開発しました。
デザイン面でのコンセプトは「Active & Dignified」です。どのAQUOSケータイもサイクロイド部のヒンジ形状は似てしまいますが、その中でもW51SHはauさんらしさを演出しています。
まずぱっと見て目につくのは、ディスプレイ背面のカーブです。auさんの比較的若いユーザー様向けに、非対称感でアクセントをつけ、エネルギッシュに見せています。これが「Active」の部分です。
「Dignified」（威厳のある）としては、AQUOSらしさを考えました。AQUOSはテレビなので、画面表示をじゃましないように、ディスプレイを主体としたデザインになっています。W51SHでも、ディスプレイをじゃましないような画面枠をデザインして、静かなたたずまいを取り入れました。
あとはカラーバリエーションごとに細かい仕上げが異なっていたりします。ディスプレイ背面のテクスチャは、オーシャンブルーは小さなウェーブパターンを施していますが、スターリーシルバーとオーロラピンクはクロスパターンを施しています。あとオーロラピンクだけ、背面がツートンにデザインされています。ピンクはよく女性向けといわれますが、最近では男性がピンクを持たれる場合も多く、落ち着いたピンクに仕上げていますので、男性にもお使いいただけるかと思います。
――メインディスプレイの枠を見ると、AQUOSケータイのロゴが入ってますね。
よりAQUOSらしさにこだわった結果です。ロゴの位置は、液晶テレビのAQUOSと同じ左上にそろえてあります。
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カラーバリエーションごとに表面の仕上げなどが異なる
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ディスプレイ枠にはAQUOSのロゴがある
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――機能面でのAQUOSケータイらしい特徴は、どういったところにあるのでしょうか？
まず3インチのワイドモバイルASVの大画面です。メディアケータイなので、大画面は外せません。ディスプレイが水平に回転するサイクロイドスタイルも、AQUOSケータイならではの特長です。ワンセグだけでなく、LISMOのビデオクリップも、サイクロイド状態で見えるようにしました。マルチメディア系サービスは、横画面で楽しんでいただけるサイクロイドスタイルと相性が良いと考えています。
あとは画質も徹底的にこだわりました。画質の調整には、液晶テレビのAQUOSの開発チームに協力してもらっています。ディスプレイの解像度は、ワンセグ放送よりも大きいワイドQVGAなので、ぴったりとは表示できませんが、エッジ強調や色合いの調整を施しています。色調としては色彩の強いところでも表示がつぶれず、じっと見ると深みがあるように作り込んでいます。標準画質でも、比較的暗い映像も黒つぶれせず、逆に明るい部分が白くつぶれるのも防ぐように、こだわってチューニングを施しています。
液晶テレビAQUOSの名前をつける以上、画作りには徹底的にこだわりました。
■ テレビ出力機能やタイマー録画など、ワンセグは機能面でも充実
――ワンセグ関連の機能としては、ワンセグをテレビ出力が可能になっているようですが。
以前からテレビに画像などを出力できるケータイはありましたが、ワンセグを出力できるケータイは初めてでしょうね。ワンセグはデジタル放送なので、コピーガードなどの面で、アナログ放送よりも厳しい規定があります。そこでW51SHでは、出力時にマクロビジョンなどのコピーガードをしっかりと入れています。ケータイだとここが難しいところですね。
――どういったシーンでの利用を想定されているのでしょうか？
カーナビなど車載テレビの助手席で楽しんでいただいただけると思います。ワンセグはモバイル向けの放送なので、車載テレビでの利用にも向いていますが、まだすべてのカーナビに搭載されているわけではありません。そういった、ワンセグがないカーナビで、W51SHを使ってもらえれば、と考えています。
テレビに出力するときは、QVGA解像度の映像をNTSC信号にするために映像を拡大するのですが、拡大の際に発生するギザギザ感があまり目立たないように調整しました。また、チャンネル変更などの操作がTV出力を継続したまま本体側でできるのですが、出力先の画面上にはオンスクリーン表示(OSD)でチャンネル番号や番組名を表示するように工夫しました。このチャンネル番号表示のデザインもAQUOSを意識しています。
――家のテレビにはチューナーがだいたいありますので、W51SHを家のテレビにつなぐということは、あまり想定していないのでしょうか？
タイマー録画で撮り貯めた番組を、家のテレビで見るという、ビデオサーバー的な使い方もできます。2GBまでのmicroSDカードに対応するので、容量も十分だと思います。
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予約録画中の画面。待受画面は表示されず、専用のメニュー画面となる
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――タイマー録画にも対応しているようですが、どういった機能になっているのでしょうか？
auさんの場合、「au Media Tuner」は共通のアプリなのですが、そこに独自に録画予約機能を追加搭載するのには苦労しました。使い方としては、番組表から録画予約できるようになっています。
こだわった部分としては、タイマー録画中にも、メールの送受信や電話の発着信などができるようにしました。現在のシステムはマルチタスクをサポートしていないので、ここはかなり苦労したポイントです。
タイマー録画が開始するときに、まずアラームが鳴って、アンテナを伸ばすように警告します。タイマー録画が開始されると、専用のメニュー画面に固定されますが、そこからメールや通話が可能になっています。カレンダー機能など他の機能を起動するにはTask bar（シャープ端末独自のマルチタスクメニュー）から各種機能を呼び出すようにしています。
――今回はワンセグだけでなく、デジタルラジオも搭載されていますね。
実際の放送が開始される前からの開発だったこともあり、こちらも苦労しました。
デジタルラジオは音声に加えて画像の表示やデータのダウンロードが可能です。特にデータのダウンロードに際しては少しでも取り損ねると受信失敗してしまうので、感度の部分には細心の注意を払いました。同梱されている、イヤホン端子の変換ケーブルは、デジタルラジオのアンテナを兼ねており、デジタルラジオの受信に最適化された長さになっています。
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ショートカットにワンセグのチャンネルを設定可能
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――マルチメディア機能としては、他に特徴はありますか？
「au Music Player」（LISMOの音楽再生機能）を独自カスタマイズしている部分で、独自の「おすすめ効果設定」を搭載しています。ただDBEXを掛けるのではなく、これにイコライザの機能などを組み合わせた効果「Synergetic DBEX」などにより迫力のある音質を楽しめます。また、密かに便利なのは「0」ボタンのワンプッシュでBGMに移行するようになっています。ちょっとした機能ですが、個人的にはすごく便利だと思います。
あと、以前から搭載しているショートカット機能というものがあります。これは待受画面での数字ボタン長押しに対し、それぞれショートカットを割り当てられるというものですが、W51SHでは、ワンセグのチャンネルも割り当てられるようにしました。
――非マルチメディア系機能で、AQUOSケータイならではの機能というのはあるのでしょうか？
ユーザビリティ面では、ワンセグ起動中にもTask barが起動できるようになっています。これによりワンセグを見ている間にメールを受信しても、Task barからメールを読み・返信できるようになりました。
日本語入力システムは「ケータイ Shoin5」にバージョンアップして変換がさらに賢くなりました。さらに今回従来のUndo(やり直し)機能に加えて、変換Undoに対応しました。変換確定後にひらがな状態に戻して再度変換し直すことができますので、誤変換してしまった場合の再変換がとても楽になりました。ケータイ Shoinには1文字1タッチの入力から単語を推測する「ワンタッチ変換」に対しても変換Undoを対応させるのはかなり大変でした。
あとは細かいポイントですが、PCサイトビューアーがサイクロイド状態の横画面表示に対応していたりします。文字入力などは縦表示になってしまいますが、このあたりはニーズが大きいようであれば、今後、対応する可能性もありますね。
――本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
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（白根 雅彦）
2007/02/28 11:28
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