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「ジュニアケータイ/Sweets cute」担当者インタビュー
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子供向けケータイの特徴とは?
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子供向け端末として登場する「ジュニアケータイ A5525SA」と「Sweets cute」は、防犯ブザーなど、一般的な携帯電話にはない機能を備える。親子に安心をもたらすべく開発されているという子供向けケータイについて、鳥取三洋電機マルチメディアビジネスユニット、商品担当の大下 雅史氏に話を聞いた。
■ 色味の再現に苦労

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ジュニアケータイ A5525SA
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Sweets cute
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――約1年ぶりのジュニアケータイとSweetsですね。
ジュニアケータイのターゲット層は小学生で、Sweets cuteは小学校高学年以上の女子児童です。大人が思うほど、子供層は一括りにできませんので2機種のラインナップとしています。
デザインは、どちらも柴田文江氏にお願いしたものとなっていて、ジュニアケータイはポップな色づかいの北欧玩具をコンセプトにしています。開発する上で苦労を重ねましたが、コンセプト通りの製品に仕上げられたと思います。
――苦労した点と言うと、色味の面でしょうか?
そうですね、色の再現が難しいところです。パーツごとに素材が異なりますが、表面の質感は統一しなければいけません。そのあたりの要求も高かったですし、苦労した点です。
――なるほど。
機能面では、新たに緊急通知機能をサポートしています。1分ごとに1回現在地を計測し、5回分をまとめてサーバーにアップロードします。あまり想像したくないシーンですが、万が一、誘拐が発生した場合でも移動しているルートが把握できるわけです。また、日常生活においても、子供さんがちゃんと学校や塾から帰宅しているか、確認できます。
この機能を起動させるものとして、防犯ブザーと疑似電源オフ、Cメールという手段を用意しています。

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鳥取三洋の大下氏
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――ブザーは、ジュニアケータイ・Sweets cuteともに備わっていますが、スイッチの形状が大きく異なります。用途は同じだと思うのですが、インターフェイスが異なるのはなぜでしょう?
端的に言えば、商品コンセプトによって分けたということになります。それぞれコンセプトとデザインが異なっています。たとえば女の子向けのSweets cuteで、ジュニアケータイのような紐で引っ張るスイッチでは、ユーザー層を考えるとデザイン面で難しいところがあるというわけです。
一方、ジュニアケータイの場合、ランドセルに括り付けられる場合もありますし、デザインと機能をできるだけ両立させることを目指しました。
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ジュニアケータイ A5525SAの防犯ブザースイッチ
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Sweets cuteの防犯ブザースイッチ
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――防犯ブザーと疑似電源オフで、移動経路通知が起動するということですが……。
流れとしては、カメラを起動して撮影し、その後音声の自動発信を行ないます。そしてGPSの自動測位を行なうのですが、これらはサーバー側で処理するのではなく、端末側で行なうことになります。
また疑似電源オフは、犯罪発生時に犯人にケータイの電源をオフされても動作し続けますから安心ですし、バッテリーについては、ジュニアケータイは蓋をネジ留めし、Sweets cuteはバッテリーそのものをロックする事により、容易に取り外しできないようにしています。
――CDMA 1X WIN対応であれば、写真送信などがもっと早く処理されると思うのですが、実際はどの程度変わるのでしょう?
親御さんが持たれる端末では、地図の閲覧などがありますのでWIN端末のほうが高速かもしれません。ただ、ジュニアケータイ・Sweets cuteともに写真の送信とGPS情報の通知といった情報量ですので、1XでもWINとさほど変わりないのです。
■ ニーズに応えた新機能

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ジュニアケータイ A5525SAのメニュー画面
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――これまでも子供向けケータイが提供されてきましたが、その結果、実装された機能はあるのでしょうか?
1つは、時間割です。今回は3件分の時間割が登録できるようになっています。というのも、ゆとり教育ということで2週間に1回だけの授業があったりするのです。塾用の時間割を求める声もありました。そこで、学校の時間割として2件、塾用として1件用意しました。
またアンケートの結果を踏まえた機能として、英和・和英に加えて、新たに国語辞典機能も搭載しました。また外部メモリカードが欲しいという声も高かったため、microSDカード対応となりました。両機種ともにバッテリーを外した本体の左上部にmicroSDカードスロットを設けています。
――少し取り出しにくく感じますね。
確かにその点は否定できませんが、子供さんが利用される上では、microSDカードを紛失しづらいという効果が期待できると思います。
――なるほど、では外部メモリカードを求めるのはなぜでしょう?
やはりプリントアウトしたいというニーズが高いようです。過去と比べると、1X端末でも印刷に耐えうる写真が撮影できるようになってきました。多少、推定しているところも含みますが、プリントへのニーズによるものと見ています。

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ジュニアケータイは生活防水対応
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――ジュニアケータイ A5525SAは防沫型ですね。子供向けとして必要な機能でしょうか?
子供さんは多少の雨でも外で遊ぶことがありますし、水の近くで使われることもあります。お風呂で使う、というのではなく、子供の日常生活を踏まえた上で防沫機能をサポートしました。
――防沫仕様を実現する上で苦労したところは?
当社の携帯電話としては、初めての機能になります。難しいところがなかったわけではありませんが、三洋としては、防水製品そのものは過去に手掛けた経験があります。グループ内の横の連携を活かして、作り上げた形になります。もっと高い機能を求められるかどうか、今後継続していきたいところですね。
――子供向けの携帯電話としては、完成形と言えるものでしょうか?
まだまだ完璧とは思っていません。子供に携帯電話を持たせるということについて、是非を含め、さまざま視点があると思います。あくまで個人的な考えですが、目指すべきところは、安心を届けられる端末なのかな、と感じています。ですから、これでゴールというわけではなく、auさんも考えられるでしょうし、我々もメーカーとして考えていきたいと思います。
――安心機能はどちらかと言えば親御さん向けの機能ですが、子供向け機能も搭載されることになるのでしょうか?
たとえばワンセグのような映像機能がどのような形になるのか、たとえば教育番組の視聴などで、今後考えていく必要があるかもしれません。また、コミュニケーション部分についても、充実させていきたいと思います。
――ありがとうございました。
■ URL
ジュニアケータイ A5525SA 製品情報(三洋電機)
http://www.sanyo-keitai.com/au/a5525sa/
Sweets cute 製品情報(三洋電機)
http://www.sanyo-keitai.com/au/sweetscute/
■ 関連記事
・ 生活防水対応の「ジュニアケータイ A5525SA」
・ シリーズ第3弾の「Sweets cute」
(関口 聖)
2007/02/22 14:57
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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