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「W51SA」担当者インタビュー
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“スライドでワンセグ”、その開発思想は?
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W51SA
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「W51SA」は、スライドという形状を採用しながら、ワンセグ機能を備えたCDMA 1X WIN端末だ。auの春モデルとして登場する「W51SA」は、どのようなコンセプトの下に開発されたのか。三洋電機パーソナルモバイルグループ テレコムカンパニー、商品担当の横田希氏に聞いた。
■ W51SAは「スマートなワンセグ機」
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三洋電機の横田氏
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――久々のスライドタイプですね。
コンセプトは「スマートスライドスタイル」です。W31SAからは約2年ぶり、W31SAIIからは約1年半ぶりとなるスライドタイプですが、快適にワンセグを視聴でき、スマートに使えるような端末を目指しました。具体的なターゲット層は、20~30代の男性です。
前面は、クリアパネルを重ね、ディスプレイ周辺は継ぎ目のない形で、「フルフラットパネル」と名付けました。また、W51SAの方向決定キーは、ゲーム機風の十字キーです。デザイン面では、相容れない、相違といった意味の「PARADOX」というキーワードを掲げているのですが、操作部のメカニカルな雰囲気と、前面を覆うフラットなイメージが「PARADOX」になることをイメージしています。また、手にとっていただくと、1つの塊のように感じるかもしれませんが、横から見ると層が重なっているような色遣いです。「塊」と「重なり」という異なるものがW51SAにはあるわけです。
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十字キーと、変わった位置にあるクリアキー
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スライドタイプの端末については、これまでどうしてもキー面積が少なくなることから、「ボタンが押しづらい」という意見もありました。そこで十字キーは少し盛り上げて、押しやすくしています。今回、PCサイトビューアーがバージョンアップし、ポインタが表示されるようになりますが、十字キーでは斜めにも移動でき、よりスムーズに操作できます。
またW31SAでは、それなりに力を入れて開閉する形でしたが、今回はアシスト機構を採用しました。途中まで押すと、あとはスッと開くのです。社内ではボタン式も検討したのですが、その場合、片手で開けられるにもかかわらず、閉じる際には両手が必要になったり、思ったよりも力を入れて……ということになり、あまりスマートではないと判断し、採用を見送りました。
開ければ通話・閉じれば終話、メールでは開ければ返信画面など、スライドと連動した機能も用意しています。
――クリアキーは、通常よりもやや右に寄った場所に配されています。あまり他に例を見ない、変わった場所になりますね。
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数字キーには傾斜がつけられている
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まず「ボディサイズは小さくしたい」という考えがあります。そしてスライドタイプではキー面積が少なくなりがちです。キーの押しやすさを追求していく中で、クリアキーについては、少しずらすことでその面積を大きく取れるようにしたのです。また、十字キーの真下にあれば、下を押した時にクリアキーを同時に押してしまうかもしれませんが、ずらしたことで、そういった事態を回避できました。
テンキーについても、横から見るとよくわかるのですが、押しやすくするため、傾斜をつけており、指が当たったことがより分かりやすくなっています。
――「W31SA」ではテンキー側ボディにあった、アプリキーとメールキーですが「W51SA」ではディスプレイ側ボディに配されています。
これは、閉じた状態でもスムーズに使ってもらえるようにするための配置変更です。テンキーは、ほぼ文字入力時のみに使うという形になりますね。
――スライドタイプでのワンセグというと、どういったメリットが?
ワンセグ対応の携帯電話として、当社では回転2軸ヒンジ、あるいは折りたたみ型という形状の端末を提供してきました。それぞれメリットはあるのですが、ワンセグを視聴する際には、どうしても「端末を開ける」というワンステップが必要になります。ディスプレイが露出しているスライドタイプであれば、よりスムーズにワンセグ視聴に移れるというわけです。
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スライドタイプでワンセグ機能を備える
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――5時間という視聴時間は、どういった工夫で実現できたのでしょうか?
新しいチップセットを導入した、ということではなく、ソフトウェア面での見直しなどによるものです。ちなみに、ワンセグ視聴では音質にもこだわっており、新たに「シーンセレクト」という機能を搭載しています。ワンセグの番組情報を元に、ニュース番組では人の声が聞こえやすいチューニングになるなど、自動的に切り替えるのです。
――手で持ちながら見ることを考えると、スライドタイプの採用は不安ではありませんでしたか?
折りたたみ型は入門者向けという位置付けになるでしょうか。また、回転2軸ヒンジや、他社で採用されているディスプレイを動かすタイプは、先述した通り、ワンクッション必要になります。また、ワンセグ視聴時の操作を考えると、スライド以外の形状では、端末側面のキーを使うことになりますが、W51SAの場合は、十字キーでチャンネル切り替えや音声調節ができます。よりスマートな使い勝手を追求し、直感的な操作が可能というメリットがあるのです。
――家庭用ゲーム機に慣れ親しんだ年代であれば、十字キーは左手のほうに配置されていたほうが馴染みやすい気がしますが、W51SAだと右手のほうになりますね。
そんなに複雑な操作をするわけではありませんので、右の方にあっても問題ないと思います。それよりも押しやすさのほうが主になる、というところです。
――1GBメモリを内蔵したというのも特徴の1つですが、搭載した理由は?
最近の携帯電話はmicroSDカード対応となっていますが、「やっとminiSDカードを買ったのに」という方もいるかと思います。過渡期だからこそ1GBというメモリを内蔵することにしました。データフォルダ用としての使い方に加えて、ワンセグ録画に使えます。
またFMトランスミッター機能を搭載していますが、当社が過去の端末について行なった調査では、20~30代の男性から「FMトランスミッターがあるから買った」という声が非常に大きいですね。
――興味深い傾向ですね。
もっと若い層でも、携帯電話内の音楽データを自宅の部屋で聞く場合にFMトランスミッタを活用するということがあるようです。またレンタカーを利用する場合にも役立つでしょう。携帯電話のデータについて、使用範囲を広げるという形ですね。
■ 「ケータイでブログ」が増えてきた
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横田氏はデコレーションメールとパシャ文字の利用スタイルの違いを語った
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「W51SA」では、従来の当社製端末と同じく「パシャ文字」機能を搭載しています。カメラで撮影した画像に落書きできるという機能です。最近では、携帯電話からブログを利用する方が多くなってきましたが、パシャ文字と同等の機能を備えるWebサイトもありますが、パシャ文字では端末内で全て完結できる、というのが大きいと思います。
――デコレーションメールとの使い分けはどうなっていくのでしょう?
デコレーションメールも、プリセットやダウンロード素材を使ってオリジナルメールを作成しますが、パシャ文字は素材も自分で作成するため、すべてがオリジナルです。用途としては、デコレーションメールは友達に送って楽しむものですが、パシャ文字はメールだけでなくブログなどに載せ、皆に見てもらって楽しむこともできます。
――その他の機能はいかがでしょうか?
メニューアイコンなどを変更できる「EZケータイアレンジ」に対応しています。プリセットとして「ミステリーマン」というコンテンツを搭載しています。これはユーザーがW51SAを使い込むほど、違う表情を見せてくれるキャラクターです。決して全ての姿を見せてくれはしないのですが、最初はごく一部だけ見せてくれたミステリーマンが、徐々にその姿を明らかにしてくれます。季節やイベントにあわせて待受画面が変わったり、おみくじを出してくれたりします。
――ありがとうございました。
■ URL
製品情報
http://www.sanyo-keitai.com/au/w51sa/
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・ 1GBメモリ内蔵のスライドワンセグケータイ「W51SA」
(関口 聖)
2007/02/08 18:45
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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