7月4日に発表されたNTTドコモの702iSシリーズの中で、最初に発売されたシャープ製の「SH702iS」。スタンダードクラスの端末ながら大型液晶を搭載し、端末ボディの塗装にも従来のものとは異なるこだわりを見せている。今回、発売されたばかりの「SH702iS」について、シャープの商品企画部 濱田紗織氏に話を聞いた。
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SH702iS
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写真左からホワイト、ブルー、オレンジ
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■ ナノコーティングで高い質感を実現した端末ボディ
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シャープの通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 商品企画部 濱田紗織氏
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多面性を打ち出したCombi+
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――ドコモの702iSシリーズのラインナップの中では、非常にオーソドックスなデザインだと感じました。まず、デザイン的なコンセプトについて教えて下さい。
濱田氏
最近のSH端末のデザインには、「Simple+」と「Combi+」という2つの考え方があります。Simple+は、シンプルな中にハイクオリティを持たせるという思想で、最近の端末では、SH902iSとDOLCE SL、SH702iDなどがこの考え方で開発されました。本物感や素材感を大切に、シンプルなトーンの中に素材感を加えていく感じでしょうか。
一方のCombi+では、多面性を打ち出しています。異なるものが合わさったときに生まれる創造性がキーワードです。今回のSH702iSはCombi+となります。SH702iSは若い人に向けたケータイですので、ディスプレイを中心に、Webやゲームといった「遊」の世界の多面性を持たせようとしました。
――ターゲットの年齢層は?
10~20代後半としています。70Xiシリーズは、ライフスタイルケータイを目指しており、スタンダードな端末となるため、嫌味のないカラーから挑戦的なカラーまで幅広くそろえました。
――質感の高いカラーリングだと思いました。
SH702iSは自然な面と都会的な面を意識したデザインとなっており、リゾートをイメージしたカラーを採用しました。ボディには、ナノコーティングという微細粒子による塗装を施しました。塗装の中にはパールを含んでおり、明るさを際立たせたナチュラルなカラーとなりました。手触りも良く、ちょっとしっとりした感じが出ているのではないでしょうか。オレンジは安っぽいカラーになりやすいので苦労しました。他の端末と比較していただきたいですね。通常の塗装とはひと味違うはずです。
背面のアルミパネルはアルミ建築から発想し、ボディカラーによって若干色味が異なっています。全てのボディカラーに共通のアルミパネルでは物足りないので、それぞれのカラーに合わせてこだわりました。リゾートのイメージだけではなく、都会的なハイテク感をコンビネーションしました。
――ただ、デザイン的なテイストがさほど変わっていない気がしましたが?
変えていないつもりはないのですが、他のメーカーが取り組まれているようなデザイナーズケータイとの比較では、あまり変わっていないように感じるかも知れません。そうした提案はSH702iDで取り込んでおり、90Xiシリーズではアルミと革のテイストを出しています。店頭ではしばらくの間、SH702iDとSH702iSが併売されるかと思いますので、スタンダードなものでバランスをとった感じです。70Xiシリーズでは、他のメーカーがデザイナーズケータイを出してきたので、かえって差が出たのではないでしょうか。
■ スタンダードな機能に2,4インチモバイルASV液晶を搭載
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左からSH701iD、SH702iS、SH902iS。中央の端末がもっとも明るかった
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――機能面の特徴を教えて下さい。
まず、コンセプトとして、「Omni Privacy」と「美しく、気持ちの良いディスプレイ」を挙げています。「Omni」とは360度を意味しており、DOLCEなどに搭載されているベールビュー液晶の進化系として、ベールビューの180度に対して、左右だけでなく前後のプライバシーも守れるプライベートフィルタを搭載しました。ベールビューは、新幹線の横に座った人から見られないという想定ですが、SH702iSは、満員電車などで女性が座る前からのぞき込まれないようにと考えた新しい提案です。
プライベートフィルタは全てのアプリでフィルタを利用可能で、例えば暗証番号を入力する画面や、親しい友人の電話帳、内緒のWebサイトなど、ワンボタンでさまざまなシーンで使えます。
液晶は、70Xiシリーズ最大の2.4インチのASV液晶を搭載しています。明るさは90Xiシリーズよりも約20%明るく、色の鮮やかさも90Xi相当となっています。液晶としても現在のNo.1のものを用意し、70Xiシリーズだからといって90Xiシリーズに劣るものを使うのではなく、むしろ90Xiよりも進化したものを使いました。また、きれいな液晶に合わせた待受画像なども用意しています。
今回、70Xiシリーズということで、先端機能というよりもベーシックなところで勝負する必要がありました。SH902iSやDOLCE SLに搭載したベールビューと、SH702iSのプライベートフィルタを提案したことで今後の反響も楽しみにしています。
――スペック的には90Xiシリーズと近く、なかなか差別化が難しいのではないでしょうか?
90Xiシリーズは、外観の素材感を大切にしており、その時々で新しい提案をしていきたいと思っています。これに対し、70Xiシリーズは、カジュアル感を大切にして、素材感よりもコンビネーションで勝負していきたいと考えています
また90Xiでは、カメラ機能などにその時点で一番良いデバイスを使っていますが、70Xiシリーズでは、ベーシックなモジュールを採用しています。とはいえ、カメラもチューニングアップし、よりきれいな撮影が可能となっています。70Xiシリーズはデザインコンシャスなユーザーが多いと聞いているので、そういった方に向けて小型でスリム感を提案していきたいですね。
フルブラウザもいざという時に使うと便利なので搭載しました。ブログやネットオークション、クーポンなど若い人は利便性を感じるのはないでしょうか。
――SH902iSと同様にIrSimpleを搭載した理由は?
ケータイに限らず、シャープとしてIrSimpleを推していきたいので搭載しました。圧倒的なスピードが実感できるはずなので、今後普及させていきたいですね。
――インターフェイスに変更点はありますか?
基本的には90Xiとの差はありません。細かいところですが、デコメールのテンプレートを208種類も用意しています。種類を増やすだけでなく、テンプレートの種類がわかりやすいように、彼氏向け、彼女向け、友達向けなど使い易く工夫しました。
――それでは最後に、SH端末の今後の方向性について聞かせて下さい。
我々は、次の新しいスタンダードデザインとは何かと常に考えています。現在次の新しいスタイルを模索しているところですね。その中でキーワードとなるのはワンセグだと思っています。今後、ディスプレイの大型化をどう考えていくのかというのが我々の検討課題ですね。
――本日はお忙しい中ありがとうございました。
■ URL
製品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/702i/sh702is/
製品情報(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/products/sh702is/
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(湯野 康隆, 津田 啓夢)
2006/07/27 16:58
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