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タフネスケータイ「G'zOne W42CA」
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5月22日、auの夏モデルとしてタフネスケータイ「G'zOne」シリーズのCDMA 1X WIN端末「G'zOne W42CA」が発表された。昨年「G'zOne TYPE-R」で久々の復活を果たした同シリーズは、今回のW42CAで初のCDMA 1X WIN端末を投入する。WIN化するとともに、AF付きカメラや赤外線通信、PCサイトビューアーといったさまざまな機能も搭載され、デザイン面でも新たなアプローチがなされた感のあるG'zOne。
今回は、カシオ日立モバイルコミュニケーションズ 戦略推進グループ 商品企画チームの甫足博信氏、カシオ計算機 通信営業部 マーケティング課の高木健介氏に、G'zOne W42CAの開発経緯や新たな魅力について話を聞いた。
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ボディカラーは、左からグレイシャーホワイト、ボルケーノオレンジ、マナウスグリーン
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端末を開いたところ
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■ 防水性能はそのままに各機能を搭載
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カシオ日立モバイルコミュニケーションズの甫足氏(右)と、カシオ計算機の高木氏(左)
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バッテリーにはパッキンが着いた
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――G'zOneがCDMA 1X WINに対応しましたね。
甫足氏
お陰様で前回の「G'zOne TYPE-R」は、さまざまなところから評価を頂くことが出来ました。しかし、当時からWINにして欲しいという意見が多数あり、また「外部メモリ、赤外線通信は必須でしょ」という意見もいただきました。実際にTYPE-Rを購入された方の意見では、メモリカード対応やカメラの画素数アップ、画面サイズ、本体メモリのアップなどが挙がり、今回はそこを全て解決してしまおうと考えました。
――ユーザーの注目が集まる端末なだけに、WIN端末の開発は大変だったのでは?
甫足氏
そうですね。WIN化することでの大きな課題として、au ICカードと外部メモリをどこに搭載するかというのがありました。そこで今回は、電池パックを開けた部分にICカードとメモリカードを入れ、そこを完全密閉化することを考えました。そのため、電池カバーにパッキンを着け、ロックも2つに増やし耐水性能を保持しました。またWIN化するとアンテナもダイバー対応しなくてはならないので、ケースの素材や構造を一から見直しています。今回メインアンテナはヒンジ部付近のフックの中に搭載しています。
――TYPE-Rでは、カラビナなどで腰にぶら下げて利用するユーザーもいましたが、今回も大丈夫でしょうか?
甫足氏
アンテナ部となるため、金属のものはおすすめできません。ストラップホールもありますし、今回はそうした形での利用は積極的におすすめしていません。
――WIN化するメリットというと?
甫足氏
WINの「高速・大容量・定額」といった優れたサービス性と端末としての「快適性、簡便性・安全性」を兼ね備えた、十分に安心できる携帯端末でガンガン使いこなせるという点です。例えば、TYPE-Rではサブディスプレイで方位センサーを起動し、端末を開くとEZナビウォークに簡単にアクセスできる仕組みが用意されていました。しかしながら、TYPE-Rでは定額サービス非対応の1X端末ということで、あまり使いこなされているものではなかったようです。WINとなったことで、パケット通信への不安も解消され、タフネスモデルと相性の良いナビのサービスを安心して利用する機会も多くなると思っています。
高木氏
TYPE-Rのユーザーは、20~30代が多くを占めていました。10代のユーザーはWIN志向指向が強いので、今回は10代の若年層も獲得できるのではないかと期待しています。
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バッテリー部のロックは2つに増えた
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au ICカードや外部メモリカードに対応
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■ 先進性・未来感を意識した端末デザイン
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「赤外線には想像以上の要望があった」と甫足氏
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――TYPE-Rはモータースポーツをモチーフにされていましたが、今回は何をイメージされたのでしょう。
甫足氏
デザイン的には、ヒューチャリスティックやロボティックといった先進性・未来感を意識しています。TYPE-Rの強さを前面に打ち出したデザインから、今回は強さを内に秘めているイメージを具現化しています。
――ハードウェアで進化した部分を教えて下さい。
甫足氏
カメラ部は、2メガのAFとしました。W41CAで好評のビジネスショット機能も搭載しています。本体メモリは50MBに拡大し、外部メモリはmicroSDを採用しました。また、今回は赤外線通信にも対応しています。なお、WINモデルとして液晶も大画面化を図り、2.4インチ液晶を搭載しています。
――赤外線を待っていたユーザーも多いでしょうね。
甫足氏
想像以上のご要望がありました(笑)。赤外線機能は、アドレス帳交換をする時の当たり前の機能として市場で認知されていることを痛感させられました。大切なのは、あって便利な機能と、コミュニケーションツールとしての機能は質が違うということでした。
――G'zOneらしさに何か変更は?
甫足氏
丸型で特徴のあるモノクロ液晶のサブディスプレイは前回から踏襲していますが、今回はサブディスプレイの周囲が光るようになっています。サブディスプレイ周りに蓄光素材を採用し、光を吸収することで暗闇で、ぼわーと光ります。また、モノクロ液晶には反転機能を新たに搭載し、白黒反転のほか、上下反転も行なえるようにカスタマイズ性を高めました。ネックストラップを使われる方は上下反対の方が視認しやすいのではないでしょうか。
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サブディスプレイ下部に赤外線機能を配置
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サブディスプレイの周囲に蓄光素材
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――FeliCaを搭載しない理由を聞かせて下さい。
甫足氏
それは本当につらい選択でした。今回の端末には、どうしてもスペース的に入る場所が無く、機能とデザインとのバランスの中で、泣く泣く非搭載としました。もちろん今後のトレンドだと考えているので、課題にしたいと思います。
――このほか何かトピックはありますか?
現在ご好評いただいているW41CAからの進化としては、モバイル辞典とWシーン機能ですね。モバイル辞典には、英和/和英/国語辞典など6つの辞書が搭載されており、検索する文字を入れていくと、候補が自動的に絞られていきます。検索結果を大きく表示したり、単語をコピー&ペーストしてメールなどにも利用可能です。思った以上に使える機能だと思うで、今後無くてはならない要素になっていくのではないでしょうか。カシオらしさの機能の一つとしていきたいと思っています。
また、Wシーン機能は、*キーを長押しすることで、待受画面や着信音、アドレス帳、スケジュール、配色設定などを手軽に切り替えられるというものです。ビジネスとプライベートなどを分けるといった使い方が可能です。
このほか、最長3時間のICレコーダー機能や、連続約15時間の音楽再生機能なども用意しており、こちらも大きな飛躍のポイントでしょう。
――連続再生時間の拡張は、音源チップで実現したのですか?
甫足氏
ご想像の通りです(笑)。この連続再生約15時間というのは、端末を閉じた状態でのイヤホン再生時になります。また、今回、大きさとの兼ね合いもあってラジオが非搭載となりました。人によってはそこは残念な点かもしれません。
■ 夏はG'zOneの季節に
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特徴的なデザインの充電台
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――隠れたこだわりなどはありますか?
甫足氏
今回も端末だけではなく、トータルな世界観を具現化したいという意味で、充電台の形状やオリジナルデザインの梱包箱など、こだわりがいたるところにあります。充電台は端末を置いたときのスタイルにも注力しています。前回のボルトのような形は、データ通信をやる際に、使いにくかったのですが、今回は外部接続端子を繋げたまま充電台に設置できるようにしました。また本モデルから2タッチ入力(ポケベル入力)にも対応しました。
――では最後にひとことお願いします。
甫足氏
今回のこの端末は、これまでのG'zOneファンのお客様、およびTYPE-RはWINでなかったからという理由で購入されなかったユーザーにもきちんと評価いただけるように作り込んできました。正直なところコンセプトモデルですので、全てのユーザー層に響くものだとは思っていません。しかし、G'zOneのWIN端末を待っていたユーザーに、満足いただけるような仕上がりにはなったのではないかと思っています。
G'zOneは、固有名詞で呼んでもらえる珍しい端末です。「夏が来るとG'zOne」とユーザーに期待していただけるようになったら嬉しいですね。
高木氏
夏モデルの中でもコンセプトモデルとなるため、ユーザーさんの注目が集まってくるかと思います。今回はなんといっても、WINなったというのが最大のアピールポイントです。前回のTYPE-Rのキーワードは“復活”でしたが、今回は“進化”と考えています。WINになるとともに機能が進化しただけでなく、デザインも先進的、未来的なデザインとなりました。WINになったG'zOneを強くアピールしていきたいですね。
――本日はお忙しい中ありがとうございました。
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発表会では流水に端末を置いてアピール
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IPX7相当の防水性能
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■ URL
ニュースリリース(カシオ計算機)
http://www.casio.co.jp/release/2006/w42ca.html
ニュースリリース(KDDI)
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2006/0522/
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(編集部)
2006/05/25 11:18
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