3月3日に発売されるauの春モデル「W41K」は、3.2メガカメラに手ぶれ補正機能とオートフォーカス機能を搭載した京セラ製のCDMA 1X WIN端末。音楽機能として、auの音楽サービス「au LISTEN MOBILE SERVICE(LISMO)」をサポートし、ウーファースピーカー付きの充電台を用意するなど新たな試みがなされている。
ケータイ業界のトレンドとなっているカメラ機能と音楽機能に力を入れ、さらに今回はスタイリッシュなボディのハーフミラーパネルに、有機ELディスプレイが搭載されるなどデザイン面でも先進的な印象だ。今回は、京セラの開発およびデザイン担当者にW41Kの魅力を聞いた。
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ボディカラーは写真左から、グリタリーレッド、スパークリングシルバー、ベーシャルブラック
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端末を開いたところ
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写真左より、京セラ 品企画担当の田辺氏、デザイン担当の光永氏
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――まず、開発コンセプトについて聞かせてください。
田辺正昭氏
(京セラ 移動体通信機器事業本部 移動体通信機器国内営業部 マーケティング部 商品企画課 商品企画2係 責任者)
コンセプトは、カタログにもある「GOOD SHOT & GOOD SOUND」です。ケータイ市場は、カメラ機能がトレンドとなり、画素競争が続いている状況です。そこで、カメラとしての周辺機能を整える方向に進めました。
GOOD SHOTとして3.2メガカメラに手ぶれ補正機能を搭載しました。GOOD SOUNDは、LISMOに対応しています。今回auのメインサービスをどう受けるかというのも課題でした。具体的には、au Music PortやLISMOのサポートに加えて、オンリーワンの機能としてウーファー付きの充電台を用意しました。着うたフルをダウンロードして外で聴くのはもちろんのこと、音楽を聴く機会を家の中にも作ろうと考えました。
――デザイン面でのコンセプトは?
光永直喜氏
(京セラ 移動体通信機器統括事業部 マーケティング部 商品企画部 デザイン課 デザイン係)
W41Kでは、商品コンセプトにもあるカメラと音楽にフォーカスして、デザインを展開しました。カメラや音楽プレーヤーは、電気製品の中でも花形です。市場では、高級感や緻密感が求められている傾向なので、アクセサリーのような高級感のあるデザインを考えました。
また、カメラに手ぶれ補正機能が搭載されているため、横撮りではなく、通常の携帯電話と同じスタイルで撮影するのが自然です。横撮りにしたところで、やはりデジカメには勝てません。今回は、カメラ部分に突起が出ていることでレンズに手がかかることがなく、端末を開いたときに、ディスプレイとカメラが平行になるように設計しました。
音楽機能については、音楽プレーヤー市場でキラキラしたデザインに文字が表示されるタイプがトレンドとなりつつあります。こうしたものを取り入れるチャンスだと考え、背面側の何もないところから文字が浮かび上がる演出にこだわりました。
――サブディスプレイへのこだわりは、auのA1403Kでも面白い試みをされましたが、今回もかなりチャレンジだったのではないでしょうか?
光永氏
そうですね。有機ELとボディパネルの組み合わせですが、パネルには輝度と光の透過度があり、輝度が落ちると、ガラスらしさが消えてしまうし、透過度を落とせば必要以上に透けてしまいます。両方落とすことができないため、最適なバランスを探すことが非常に大変でした。
また、それに伴うボディカラーの処理についても苦労しました。色によってLEDなどの見え方が異なるため、細かいバランスをとる必要がありました。特にグリタリーレッドは難しく、音楽プレーヤーとして市場に出ているもので、赤系ボディでここまで明るい表示のものはないかもしれません。
――とはいえ、背面ディスプレイ側のデザインはあまり出しゃばり過ぎていないように感じますが、これもデザイン的に意図されたのですか?
光永氏
そうですね。W41Kは、音楽プレーヤーでもデジタルカメラでもなく、それぞれの高級感を出さなければなりません。今回のようなデザインに落ち着いたのは、バッテリー側のカメラ部分が強い印象なため、バランスをとったからです。端末を開いたときに、マッチするようにデザインしました。
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ハーフミラーパネルは、一見するとサブディスプレイがわからない。なお、ボディの隅にはLEDが光るネオンウェーブを搭載する
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サブディスプレイ表示
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■ 手ぶれ補正機能付きカメラでGOOD SHOTを
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底面部のヒンジ付近にカメラを搭載
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――静止画の手ぶれ補正機能は、これまでNECなどが取り組んでいます。今回の機能はソフトウェア処理で行なっているのでしょうか?
田辺正昭氏
(京セラ 移動体通信機器事業本部 移動体通信機器国内営業部 マーケティング部 商品企画課 商品企画2係 責任者)
ソフトウェアでの処理になります。ユーザーがシャッターを押す際に複数枚の画像を撮影し、取り込んだ画像の移動距離からブレ幅を検出して、それに合わせてデジタル処理で画像を1枚に合成する処理が行なわれます。このため、従来のカメラ機能よりもバッファ容量が4~5倍と大きくなっています。
――ユーザーは処理スピードが心配かと思いますが、通常の撮影よりも時間がかかるのでしょうか?
田辺氏
それほど変わらないかと思います。手ぶれ補正機能の効果は、携帯電話の画面で見るより、印刷をした場合によくわかるので是非印刷も楽しんで欲しいですね。
――今回は3.2メガカメラを搭載していますが、携帯電話としてはこれ以上の画素数は必要ないような気もします。
田辺氏
カメラ機能については、調査を行ないました。「300万画素デジタルズーム手ぶれ補正付き」、「300万画素光学ズーム手ぶれ補正なし」、「500万画素デジタルズーム手ぶれ補正なし」の選択肢の中で、もっとも支持されたのが手ぶれ補正機能付きのものでした。
――カメラ機能にそのほか工夫された点はありますか?
田辺氏
撮影シーンに合わせてカメラの設定を変更できる「撮影シーンセレクト機能」や、撮影時のディスプレイに補助ラインを表示できる機能なども用意されています。撮影時のポイントとなるファインダー、つまり液晶ディスプレイにも広視野角のモバイルASV液晶を採用し、半透過型となるため屋外でも見やすいはずです。
また、撮影後のツールとして、パソコン向けの写真編集ソフト「Photoshop Album3.0 Mini」のサンプル版も同梱します。我々は手ぶれ補正機能の効果を体験していただきたいと考えています。同梱のソフトで、手ぶれ補正効果が判別しやすい写真の印刷も楽しめるようになっています。
■ ウーファー付き充電台でGOOD SOUNDを
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ウーファー付き充電台に設置
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パッケージには、マイク付きリモコンも付属する
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――音楽機能はやはり、充電台がかなりインパクトがありますね。なぜウーファー付きを採用されたのでしょうか?
田辺氏
ケータイで音楽を聴く際に、イヤホンで聞く方法と、端末スピーカーで聞く方法があります。しかしこれまで、端末のスピーカーで聴くとどうしても低音が出にくいといった制約がありました。そこでこの低音をどうにか補完していきたいと考え、ウーファーを採用しました。
今回、LISMOが登場したことをきっかけに、外だけでなく、家で音楽を聴くシーンも多くなってくるかと思います。ウーファー付きの充電台でより質の高い音を楽しんでいただけるようにしました。
また、カラオケの練習用など、着うたフルをラジカセのような使い方で利用されているユーザーも多いようで、こうした方の練習用としてオススメです。
田辺氏
このほか、イコライザー機能も用意しました。結構迫力がありますよ。家にオーディオ機器がない方でもケータイだけで楽しめるはずです。
――ウーファー付きということで、一般的な充電台よりもサイズが大きくなっていますが、これは仕方ないのでしょうか?
田辺氏
音圧を上げるためにはどうしても空間が必要になります。携帯電話の充電台としての大きさと、音圧を上げるための大きさのバランスを考えてこのサイズに落ち着きました。サイズを大きくすればさらに良い音で聴けますが、置く場所の問題もあり難しい判断でした。
また、スピーカーが上を向いているのは、少しでも良い音を提供するための工夫です。店頭などで実際に音を聴いていただきたいですね。
――最近の充電台は、縦置きタイプが主流になっていますが、寝かせたのはなぜでしょう。サイズを考えると、充電台に置くとデータシンクロする機能があっても良かったのでは?
光永氏
縦置きだと充電台が大きな箱のような形状になってしまうためです。それに、おそらくその形でウーファー付きだと携帯電話のパッケージに収まらないかもしれません(笑)。あの箱に収まらないと流通させにくいのです。
田辺氏
充電台のシンクロ機能は次への課題ですね。今回のウーファー付きは他メーカーがやっていない挑戦です。こうした工夫の延長線上には、充電台の機能拡張もあると考えています。
田辺氏
開発段階でLISMOの大枠は聞いていたので、春モデルでは各メーカーが音楽に対して何か特徴を用意すると思いました。音楽プレーヤーはLISMOの標準的なものとなりますが、我々はウーファー付きということ以外にも、音楽プレーヤーとしての使いやすさを求め、リモコン付きのイヤホンマイクも同梱しました。
■ そのほかのポイント
――その他何か目を引く機能はありますか?
田辺氏
メールの内容を判断して感情アイコンが表示される「エモーションメール」機能に、ユーザーが自分で設定できる機能を用意しました。例えば、メールに「Fw」があるときは、仕事アイコンが表示されるといった設定が可能です。
田辺氏
ペア機能には、従来より連絡を取り合う頻度によってキャラクターの表情が変わる「バロメーター表示」という機能が用意されていましたが、今回さらに、そこに画像を登録できるようにしました。
あとは、音楽再生中にLEDが音楽に合わせて点灯する「ネオンウェーブ」という機能も用意されています。
――本日はお忙しい中ありがとうございました。
■ URL
W41Kスペシャルサイト
http://w41k.jp/
製品情報(au)
http://www.au.kddi.com/seihin/kinobetsu/seihin/w41k/
製品情報(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/consumer/w41k/
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(編集部)
2006/03/02 16:13
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