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経営企画部長 青木 伸大氏
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ウィルコムは、5月1日より音声定額サービス「ウィルコム定額プラン」を開始する。ウィルコムユーザー間の通話のみに限定されるとはいえ、音声通話も定額料金で提供するサービスは国内初となる。ウィルコム 経営企画部長 青木 伸大氏に新サービスの特徴と今後の展開について聞いた。
新料金プラン「ウィルコム定額プラン」は、AIR-EDGE PHONE経由のEメール、パケット式のエッジEメールに加え、ウィルコムユーザーへの音声通話も含めて月額2,900円の定額料金で提供するというもの。加えてパケット定額プラン「リアルインターネットプラス[1x]」も月額2,100円で7月1日から提供される予定で、通話とEメール、フルブラウザやデータ通信などのパケット通信と合わせて月額5,000円の定額料金で提供されることになる。
また、家族同士で利用することを想定した割引サービス「ファミリーパック」も提供され、複数台で請求書統合を行なえば「ウィルコム定額プラン」の2台目以降の月額料金が2,200円となる。
■ 新たなターゲットはカップルや家族
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家族、カップルといった新たなユーザー層を狙う
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「ウィルコム定額プラン」の発表とともに打ち出された新たな戦略は、これまで同社が得意としてきたビジネスマンなどのユーザー層に加え、新たに家族やカップルといった層へも「ウィルコム定額プラン」をアピールしていくという点だ。青木氏は、「複雑になりがちな割引サービスを少なめにし、そのかわりに最初から低料金で分かりやすいプランを提供するという姿勢も、新たなユーザー層へアピールするには必要」とみる。
同氏は、「すでに他社の携帯電話を使っていて、月に1万円以上支払うユーザーは、2台目としてウィルコムを持ち、携帯電話と併用しても月々の支払いを減らせるだろう」と予測する。同社ではこれを「ダブルホルダー」を呼び、広告などでもアピールしながら利用形態の一つとして認知を図っている。
同氏によれば、「ウィルコム定額プラン」のターゲットとするユーザー層は、比較的シンプルな端末を使い、通話・メールなどを中心に月1万円以上支払うユーザー。通話を中心に多く使うユーザーは、家族や恋人、友達など特定の相手との通話が多くを占めるケースが大半で、こういったユーザーなら相手と一緒にウィルコムを持つことで月の支払いを減らせると予測する。また、親が子供に持たせる場合でも、月額2,900円なら負担が少なく、家族全員が持っても十分検討に値する料金であるという。家族割引の「ファミリーパック」を適用すれば、家族5人分の「ウィルコム定額プラン」の料金は11,700円、4人家族なら9,500円だ。
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ファミリーパックは家族で持っても割安感がある
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7月開始予定のリアルインターネットプラス[1x]。接続速度も拡張が図られていくという
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■ 販売サイト拡充、2台セットでカップルにアピール
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2台セットの販売も開始
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5月1日のサービス開始を控え現在は予約が受け付けられているが、予約状況みると2つ同時に申し込むユーザーも多いという。店頭では音声端末を2台セットにしたパッケージを販売するなど、カップルへのアピールも行なっている。
ただ、「地方ではキャリアの携帯ショップが携帯電話購入の基本で、取扱いショップ数においては地方をカバーしきれない」(同氏)。そのため、Webサイト上での販売を拡充し、地方のユーザーでも端末を購入しやすくしていきたいという。
一方で、先進的な機能を次々に搭載する携帯電話と比べ、ウィルコムの音声端末は、性能やバリエーションの面で物足りないと指摘されることも多い。この点について同氏は、「定額料金プランはもう少し先になる予定だったが、できることから始めていこうということで、端末に先駆けて発表した」とし、現行の「AH-K3001V」の後継となるような音声端末を年内にも提供していくとした。また、「女性が2台持つというのも、今まであまりないスタイル。2台目として持つということにフィットしたものも研究を始めている」として、よりコンパクトで個性的な端末の開発にも触れた。
■ URL
ウィルコム
http://www.willcom-inc.com/
ウィルコム定額プラン 案内ページ
http://www.willcom-inc.com/cp/teigaku/
ウィルコム 販売サイト「MCダイレクト」
http://www.mcd.jp/555/
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(太田 亮三)
2005/04/28 12:30
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