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「i-navi@おおさか」体験レポート
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ドコモ関西の担当者にインタビュー
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「おおさかユビキタスネットワーク普及促進協議会」(*)におけるIT関連の事業化に向けた実証実験の第1弾である「i-navi@おおさか」。「i-navi@おおさか」とは、関西の中心を走る御堂筋周辺において、GPS対応携帯電話やiモード端末などを用いて、現在位置から文化観光施設や店舗など目的地までのナビゲーションを提供する“最適経路検索システム”のことだ。実験が開始されたのが2003年10月14日。約2カ月が経過しようとしているわけだが、その内容、経緯などについて、NTTドコモ関西 モバイルマルチメディア開発本部の坂本氏と安本氏にお話をお伺いした。
(*)おおさかユビキタスネットワーク普及促進協議会
民間主導によるユビキタスネットワークに代表されるIT関連の事業家に向けた実証実験を推進し、地域の産業活性を促すとともに、御堂筋の活性化など、大阪市のまちづくりの方向性と連携して活動していくことを目的として、大阪市の呼びかけで、先進技術を有する意欲ある企業をはじめ、学識経験者、関係団体、および行政機関が集まり、平成15年8月26日に発足した。
■ 目的は地域の活性化
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NTTドコモ関西 モバイルマルチメディア開発本部 ソリューション営業部 第三営業担当部長 坂本幸夫氏
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NTTドコモ関西 モバイルマルチメディア開発本部 ソリューション営業部 第三営業(SE)担当 安本慎太郎氏
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木地本:
まず「i-navi@おおさか」の実証実験の目的をお教えください。
坂本氏:
iモードを利用して、文化観光施設や店舗情報などを検索したり、デフォルメされた地図を配信することにより、その場所へのわかりやすいナビゲーションを提供します。それによって新しいビジネスモデルを検証する、というのが目的です。
木地本:
現在の実験対象地区は御堂筋周辺とお聞きしていますが、詳しく言うとどの辺りですか?
安本氏:
南北は梅田から難波まで、東西は堺筋から四つ橋筋までです。
木地本:
実験は10月14日から始まっていますが、いつ頃まで行なわれるのですか?
安本氏:
来年(2004年)の2月末までです。
木地本:
詳しいサービス内容をお教えください。
坂本氏:
現在地の検索や、現在地から目的地までの最適な経路を確認することができます。その際、携帯電話の小さな画面で見てもわかりやすい、デフォルメされた地図が携帯端末に配信されます。また、目的地の検索においても、店名などからの検索だけでなく、「静かに飲める」「お酒にこだわる」「リーズナブルな価格→800円未満でランチが食べられる」などといったシチュエーションによる簡単な検索を可能にしました。単に店舗情報が表示されるだけでなく、店舗側から発信されるタイムサービスや臨時休業など、新鮮な情報を確認することができます。もちろん、そういった店舗情報をお気に入りとして登録することも可能です。
木地本:
現在登録されている店舗はどのくらいあるのでしょうか?
安本氏:
11月末時点で620店舗ちょっとですね。
木地本:
使える携帯端末は何ですか?
安本氏:
現時点で利用可能と確認されている端末は表の通りです。GPSに対応した端末においては、GPSを利用して現在地を特定できます。GPS非対応の端末においては、現在自分のいる駅名など選択することによって現在地を特定させるようになっています。
木地本:
最初にお聞きした目的とかぶるかもしれませんが、この実証実験の今後のテーマについてお聞かせください。
坂本氏:
やはり、これを導入する地域の活性化ですね。今や誰もが持っているといっても過言ではない携帯電話を利用することによって、いかに人の流れを誘導できるかというのも大きなテーマだと思います。
木地本:
なるほど。では、これから実際に実験に行ってみたいと思います。ありがとうございました。
■ 実験に参加してみた
さて、「i-navi@おおさか」を利用するためには、まず会員登録(無料)をする必要がある。とはいえ、登録するために必要な情報は、性別や年代のみなので、それほど面倒なことない。iモードで「 http://www.i-navi-osaka.jp/ 」を表示し、必要事項を入力することで会員登録が可能だ。なお、会員登録は最初の1回だけでいい。このときBookmark登録しておけば、次回からすぐにログインできる。
ログイン後に最初に行なうのは現在地の登録だ。筆者の持っている端末はGPS対応端末ではなかったので地図で駅名を選択し、お店を検索してみた。今回は阪急梅田駅から、JR大阪駅前にあるドコモのモバイルショールーム「アトランティス」への経路を検索してみた。
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このように地図に経路が表示される
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実際にその地図を頼りに歩いてみた。もちろん迷うことなく「アトランティス」に到着した
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実際に使ってみて思ったのは、迷うことなく目的地に辿りつけ、結構便利だということだ。ただ、現在地や目的地の入力が意外と面倒、というか、該当する場所が見つからない場合が多いことが少々残念なところかもしれない。しかし、これも現在はまだ実験段階で、お店など登録されている情報が少ないことがそもそもの原因と思われるので、実際に正式なサービスとして運用される段階では、この点はきっと解消されるのだろう。
前回、PDAやノートパソコンを用いた「なんばウォーク地下街ナビ実験」の模様もお伝えしたが、こうしたシステムは、知らない場所を訪れた場合、かなり重宝することは間違いない。特に、普及台数の多い携帯電話を使うということでは、今回の実証実験は非常に興味深い。実験ではなく、早い段階で正式なサービスとして実現されるのを望むのは筆者だけではないだろう。
■ URL
おおさかユビキタスネットワーク普及促進協議会
http://www.osakacity.or.jp/ubiquitous/
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(木地本 昌弥)
2003/12/10 13:17
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