法林岳之・石川温・石野純也・佐藤文彦のスマホ会議(仮)

MWC26から「桜色」iPhone 17eまで――2026年春のスマホ勢力図を読み解く

 通信業界を中心に活躍するライター4人による「スマホ会議(仮)」。今回はMWC26 Barcelonaを踏まえ、シャオミやサムスン、アップルの新端末について話し合っていきます。

MWC26 Barcelonaで盛り上がった「経済圏」

佐藤
 3月頭には、スペインで「MWC26 Barcelona」が開催されました。

佐藤

石川氏
 面白かったのが、楽天の三木谷さんの基調講演と、KDDIの秋山さんの話に通じるものがあって、世界の通信業界は、もう通信だけじゃ儲からないので、新しい食い扶持を見つけようという話から、みんな経済圏を作ろうと話が盛り上がっていました。

 MWCは、世界のキャリアがどうやって儲けようかという話をする場でもあるので、分かりやすいストーリーだと思います。ただ、今から海外のキャリアが、楽天みたいな経済圏を作れるかと言ったら、それは作れないですよね。

石川氏

石野氏
 ただ、楽天はポイントシステムを単体で売っていたりもするんですよね。アメリカの航空会社が入れてたりするので、そこをモバイルと合わせてやっていきましょうっていうときに、楽天シンフォニーがあるのはいいことかなと思います。

石野氏

石川氏
 楽天シンフォニーで無線機器を売り込みたいけど、興味を持たれるのは経済圏だったというのが、ちょっと面白かった。

石野氏
 元の形がないので、無線機よりも導入しやすさはありますよね。

石川氏
 あと、Open RANとかはもうあまり聞かなくなりましたね。

石野氏
 一気になくなりましたよね。イベントはちょろっとやってましたけど、NTTのブースからは完全に消えていました。

関口
 NTTグループでの合同出展になったのも要因ですね。

石野氏
 それもあるんですけどね。楽天の三木谷さんも、あんまりOpen RANって言わなくなっています。

関口
 会場はAIばかりでしたね。

石野氏
 それはそれであまり面白くない。どのキャリアを見ても、RANをAIで制御しましょうとか、保守をAIに任せましょうとか、セッティングをAIにやりましょうって内容ばかり。向かっている方向性が同じなのがいいことなんですけど、そればっかりだなっていう感じはちょっとしました。

石川氏
 ソフトバンクは、もう何年も前からAI RANの話をしていて、アライアンスもできた一方で、他国のキャリアも言い始めたので、だいぶキャッチアップされているなと思いました。みんな気づき始めたという感じですかね。

関口
 海外のオペレーターのブースでも、AIエージェントの話が多かったですね。

石野氏
 そういう意味では、ドイツテレコムは結構面白くて、ちゃんとコンシューマー向けのAIを出していました。

石川氏
 ドイツテレコムは、以前からコンシューマー向けをやっているよね。

石野氏
 あと、日本だと通信の秘密の問題もあって難しいんですけど、通話中にAIエージェントが割り込んでくるサービスもありました。通話中に交換機側、IMS側で動かして、翻訳だったり、会話で出てきた「あれなんだっけ」みたいな内容を聞けるサービスがある。日本だと総務省に怒られ案件になってしまいますが。

石川氏
 そこはヨーロッパの方が厳しい気がするけどね。

石野氏
 でも、日本の通信の秘密はかなり厳しいですから。機械でもダメとか、いろいろな解釈があります。ドイツテレコムは、実際にサービスとして提供すると言っていた。日本では日本通信とかmineoが、フルMVNOで、自分たちで交換機を持って音声サービスをやるときに、データと融合したようなものをやりたいと言っているのは、こういうことなのかなっていうのは、ドイツテレコムのブースで体感できました。

 スマホの自動操縦系のサービスも、結構いろいろ出ていましたね。

石川氏
 ZTEもやっていましたね。

石野氏
 あと、Galaxy S26でも、韓国語や英語でできるようになっています。クアルコムのブースに出てていた、AGIっていう会社が作ってる、自動操縦アプリは、日本語も解釈してくれて、「楽天でシャオミの毛玉取り器を探しといて」とお願いすると、勝手に楽天アプリを立ちあげて検索してくれる。今はクラウドで動かしているようですが、クアルコムとも提携していて、SnapdragonのNPUを叩いてローカルで動くやつようにするみたいです。

 ここまでくると、今のスマホのあり方が変わりそうな気もしますが、自動操縦はまだ、めちゃくちゃ時間がかかるんですよね。もうちょっと速度は必要になるのかな。

石川氏
 スマートヘッドフォンも結構面白いなと思っています。スマートグラスって、メガネのデザイン性とか、画面に表示するとか、まだまだハードル高いかなと思いますが、イヤホンだと、カメラも載せられるし、バッテリーもあるのでやりやすい。

 ちょっと前に、次のAirPodsにはカメラに載るという噂もありました。なので、AirPodsみたいな普及している端末がカメラ載せて、スマートヘッドホンになっていくと、いろんな可能性があると思いますし、アップルはそこを狙っていてもおかしくないなと思っています。

石野氏
 デバイス側もちゃんとAIで進化していきますよっていうのは見えたかなと感じました。一方で、シャオミは空気を読まずに、ここでもカメラ、車って言っていました(笑)。

石川氏
 それがいいんじゃん。中国メーカーが世界に向けてAIと言ってもしょうがない部分があるので、カメラ推しでいい。

関口
 シャオミの発表会では、AIのブースも用意されていましたが、あまり盛り上がってはいませんでしたね。

石川氏
 MWCと同じタイミングで、iPhone 17eとかも出ましたけど、アップルも全くAIって言ってないので、一般のユーザーに響くのはAIではないんじゃないかなっていう気もちょっとする。

法林氏
 結局、AIは何かを実現するための手助けのものとか、後ろ側で手伝ってくれるものっていう位置づけのもの。ただ、AIがあるのとないので、できることが違ってくると、AIのあるスマホじゃなきゃダメ、デバイスじゃなきゃダメってことになる。今はまず、とにかく明確なメリットをもっと打ち出していかないと。

法林氏

石川氏
 ただ、実際にメリットを打ち出して、メディアが記事にしても、実際にはそこまでAIが動かないことがある。

石野氏
 そう。そこですよね。

法林氏
 これは、ベンチマークスコアの話題にも繋がる。そもそもベンチマークのスコアを信じているほうが、どうなのかなとも思う。ユーザー、読者の皆さんも、数値だけを追わないでほしいなと思う。

石野氏
 あそこまでのハイエンドクラスになってくると、極端な話、特定のアプリがどのくらいのクオリティで動くかどうかの違いでしかないじゃないですか。99%以上の人には関係ない話です。

 一方で、中国市場がベンチマークで盛り上がっちゃってるっていうのはあるんですよね。各社プロモーションで数字をバンバン入れていて、シャオミも必ずAnTuTuで何百万点超えみたいなのを出してくる。

カメラ推しのXiaomi 17 UltraとLeitzphoneだが不満も感じる

関口
 せっかく名前が出たので、そのままシャオミの新端末についてうかがえますか。

石野氏
 日本ではXiaomi 17 UltraとLeitzphoneが出ていますね。MWCではAIの話があまりなくて、グループインタビューの時にも突っ込まれていましたが、AIはちゃんとやっていて、ベースとして載ってるのを前提として、今回はカメラですというような話をしていました。

石川氏
 本当に、シャープは踏み台されたなっていう感じがしますよね。

石野氏
 ライカはなかなか腹黒いですよね。

石川氏
 グローバルで売るために、シャオミと手を組んだと言っていました。それはわかるんですけどね。

石野氏
 ライカとしては、もともとシャープ、シャオミのどちらとも協業していたけど、今回シャオミを選んだ形。

法林氏
 販路考えたら、さすがにそうせざるを得ない。もう仕方ないでしょう。

石野氏
 そうなんですけど、切なさはありますよね。

法林氏
 ライカの選択としては間違ってないと思う。逆の話もあって、シャープの端末は、ライカと組んだことで良くなった部分もあるけど、ちょっとライカに引っ張られすぎたところもあると思っている。

 1インチセンサーを搭載した、Leitz Phone 2ぐらいまで良かったけど、AQUOS R8辺りから、フラッグシップに次ぐクラスのモデルとかは、ライカチューニングについ引っ張られてる気がする。

石川氏
 かなり癖が強かったですよね。

関口
 バルセロナでは、ProではないPhotography Kitも展示されていて、こちらの評価が高かったですね。

石野氏
 Proのほうは、「ダサグラフィーキット」って、とんでもない名前を石川さんにつけられていました(笑)。

石川氏
 早期購入特典で、タダでもらえるんだからいいでしょう(笑)。しかし、日本で販売されている台数は少ないはずだけど、SNS上でのLeitzphoneへの飛びつき方は驚きましたね。

佐藤
 当初は、日本には1000台くらい入荷するっていううわさでしたね。

関口
 編集部では岩井くんも買っていて、法林さん、石川さんも買われていると。すごい所有率ですね。

石野氏
 1000分の3ですか(笑)。僕はLeitzphoneではなくて、Xiaomi 17 Ultraにしました。

石川氏
 業界では買っている人がかなりいますね。

法林氏
 もう売ろうかな(笑)。

関口
 買うなら、やっぱりLeitzphoneですか。

石野氏
 いやいや、Xiaomi 17 Ultraで十分ですよ。

石川氏
 実際、ケースを着けるとあまり変わらないからね。ただ、なんとなくLeitzphoneにしておかないと後悔するかなと思って、こっちにしました。

石野氏
 僕はむしろ、IIJで17万円で買えたことにホクホクしています。

法林氏
 違いはライカモードくらいだっけ。

石川氏
 あとデザイン。

佐藤
 カメラリングを回転させられるのは、Leitzphoneだけですね。

石川氏
 ただ、サードパーティ製のケースを着けると、カメラリングは回らない。

石野氏
 それにしても、このPhotography Kit Proの質感の低さはなんなんですかね。

関口
 Photography Kit Proは、日本だけではないですよね。

石野氏
 グローバルも一緒ですね。グループインタビューで、なんでPhotography Kitはライカが監修してないかを聞いたら、ライカのスピリッツが入ってる的な、すごいぼやっとした回答でした。ライカのノウハウみたいなのを入れ込んでるとは言っていましたが、このデザインでそれはないでしょう。

佐藤
 ライカって、iPhone用にカメラグリップを売ってるじゃないですか。それに対応してもよかったですよね。

石野氏
 Photography Kit Proを着けるよりも、裸のほうがかっこいいっていうのはどうなのかなと思いますよ。あと、Photography Kit Proは、グリップ部分がでかすぎて持ち運びにくいんですよね。

石川氏
 しかも、バッテリーの制御はいまいち。

石野氏
 そうですね。ズームができるのはいいんですけどね。あと、当然ですけど、グリップつけちゃうと、縦方向で操作しづらいんですよね。やっぱり、ProじゃないPhotography Kitも日本で出してほしいです。

関口
 Photography Kit Proはともかく、スマホとしての評価は高いということですか。

石野氏
 普通のスマホとして使うには、カメラが大きすぎたり、ちょっとバランスが悪いところもあるなと思いましたね。

石川氏
 シャオミの安達さん(シャオミ・ジャパン プロダクトプランニング部本部長 安達晃彦氏)が言うには、「ライカとしては安い」と。

関口
 昨年はXiaomi 15も発売されましたが、今年はXiaomi 17が日本で発売されませんね。

石野氏
 そこは反省というか、去年いろいろと出しすぎていましたからね。

法林氏
 そうだね。Xiaomi 15は、せっかくリキッドシルバーを出したのに、全然存在感なくて、一瞬で話題をUltraに持っていかれたから。

関口
 出したとしても、同じ時期じゃないほうがいいですね。

石野氏
 昨年は一応、発表は同じタイミングでしたが、発売時期はずれていたんですよ。それでも、話題は持っていかれた。

 やっぱり、コンパクトハイエンド的な位置づけのものは難しいですよ。iPhone miniほど小さくはないですけど、それでも難しい。

法林氏
 シャオミのラインアップには、性能が被るものが多いので、「Xiaomi 15T Proでいいか」みたいな話になっちゃう。

石野氏
 そうですね。肝心のカメラが、Xiaomi 15T Proとセンサー同じだったりするので、本当に小さいだけという話になってしまう。

関口
 シャオミとしては、POCO X8 Proも日本で発売しましたね。

法林氏
 バッテリーが話題になってるけど、ギミックとして、カメラリングの周りが光るとか、こういう面白いもののほうがシャオミらしくて楽しいと思う。

石野氏
 もともと、POCOブランドはゲーミング要素がありましたからね。

石川氏
 POCOを見ていると、どうもNothingと戦っているように見えるんですよね。

法林氏
 POCO X8 Proに関しては、僕はありだと思う。カメラリングもそうだけど、今は背面くらいしか主張する場所がないので、そこに特徴を持たせるのはありかなと。

 Nothingも同じアプローチをしているけど、これはこれでありなのかなっていう。Nothing以外のメーカーでは見ないしね。

Galaxy S26シリーズは3モデル&4キャリア展開へ

佐藤
 新端末としては、3月12日にGalaxy S26シリーズが発売されています。

石川氏
 グローバルの発表会も取材しましたが、意外とプライバシーディスプレイのウケがよかったですね。日本人からすると、電車の中で見られるのが嫌だと思うので、ウケるとは思ったんですけど、車社会の人でも盛り上がっていたのは驚きました。

石野氏
 子供にも響いてましたね。プライバシーディスプレイを使ってみたいと言われて、なんでそんな高いものばっかり買おうとするのかなと(笑)。良さがわかりやすいんですかね。

石川氏
 数年後にはほかのメーカーも採用するだろうなと思うくらい、ヒット機能になっています。

法林氏
 でも、グローバルでのレポートを見ていると、「酔うからダメ」といった意見も出ているよね。

石野氏
 常時オンにしていると、ということですね。

佐藤
 僕もダメでした。ずっとは使っていられないです。

石野氏
 ちょっとクオリティが下がる気はしますよね。

佐藤
 昔の3Dディスプレイみたいな、ぼやっとした感じが続くので厳しいです。ただ、通知のポップアップのみオンにできるので、それはいいところだと感じました。

石野氏
 仕組みとしては、光を無理やり前に飛ばしてる。本来は周囲で反射したものも受け取って像を作ってるので、目が混乱するんでしょうね。

石川氏
 多分、脳が補完してるんでしょうね。結果として目が疲れる。

法林氏
 結局、Galaxy S26シリーズとして出したけど、プライバシーディスプレイはUltraのみ。値段、サイズを考えると、より幅広い人に売るモデルとしては、ちょっと違ったと思う。Galaxy S26+は、久々にプラスモデルが日本でも出るという話題こそあるけどね。

石川氏
 今回、日本は頑張ってる。一次販売国になって、楽天モバイルも巻き込んで、サンフランシスコの発表会にキャリアもつれてきた。

関口
 買い替えを検討している人に対して、皆さんがおすすめするポイントはありますか。

石野氏
 ここ数年、ハードウェアを大きく変えたり、カメラに新しいセンサーを載せるとかではなく、いかにAIを快適に動かすかに焦点を当てています。そういう意味で言うと、プライバシーディスプレイみたいなハードウェア依存じゃない売りの部分は体感できるかな。

 あとGalaxy S26は、キャリア、特にソフトバンクがかなり頑張っていて、安く手に入れられます。

石川氏
 結局、売れるのは標準モデルだからね。

石野氏
 ソフトバンクは今回もかなりすごくて、MNPだと2年間で毎月1円、機種変更でも1年間は毎月1円でした(現在は価格改定済み)。どれだけGalaxyを配るのかと(笑)。

石川氏
 ソフトバンクは、しばらくGalaxyを採用していなかったので、今は他社から移行してもらうフェーズ。ユーザーを取られるタイミングではないので、どんどん売っていきたいはず。

石野氏
 とはいえ、機種変更でも1年間毎月1円なのはすごいですよ。

石川氏
 みんな1年で返せばいいのに。

法林氏
 ソフトバンクとしては、Galaxyを取り扱っていなかった時期に失ったユーザーを取り返しましょうという意気込み。

石野氏
 貯金というか、チャージしていたパワーを使っている感じですかね。

関口
 とはいえ、毎月1円みたいな買い方ができるモデルは、あまり多くないですからね。

石野氏
 そうなんですよ。ソフトバンクの戦略モデルになっている。iPhoneより安いというか、買いやすくなっているので、すごい力の入れっぷりだなと思います。

法林氏
 だからこそ、プライバシーディスプレイは標準モデルにも欲しかった。あと、標準モデルのサイズ感は、結構行き詰まりがあるかな。絶妙なサイズだけど、物足りないと思う人が増えてるはず。そこでプラスを復活させたんだろうけど、メリットがどこまで伝わっているのかは疑問。

石川氏
 結局、売れるのは圧倒的にGalaxy S26なので、プラスもUltraも比較対象でしかない。

法林氏
 従来までのシリーズでもそうだけど、無印とUltraがあると、初速だけは必ずUltraが伸びる。だけど年間を通したら、絶対無印の方が売れる。ただ、Galaxy S26のサイズは、やっぱり物足りないっていう人が出てきてる。

 これは、他のメーカーがもう少し大きいディスプレイを搭載してるから。補完のためにプラスを出してきたっていうのは分かる。プライバシー保護って言ってるのに、プライバシーディスプレイはUltraにしかない。

石野氏
 あと、サムスンはAIと結びつけてプライバシーディスプレイのアピールをしていましたが、それはレイヤーが違うだろうという気がする。AIの時代だから、データ処理時のプライバシーを守るのが大切ですっていう流れで、プライバシーディスプレイの話をするからツッコミたくなりますし、3モデルに搭載するべきというツッコミも出てきてしまいます。

法林氏
 先回り表示してくれるAIっていうのも、うまくシーンがはまれば面白いだろうけど、実際はどうなんだろう。

石野氏
 Pixelよりはちゃんと出てくるんですけど、もっと利用してみないと何とも言えませんね。この機能はプレビュー的な位置づけになっていて、グーグル曰く、自動操作も含めて、Android 17に仕込んでいるみたいです。サムスンと一緒に先行事例を作っているような形です。

石川氏
 ちょっと思うのは、サムスンはネタを小出しにしすぎている気がする。AirDropとの接続も、最新モデルだけ採用する感じが、いやらしいなって思う。気持ちはわかりますけどね。

石野氏
 AIで差別化しようとすると、どうしてもそうなってしまいますよね。

法林氏
 SIMフリーモデルでau Starlink Directに対応するのかという話もそうだったけど、最近のGalaxyは、機能の伝え方がちょっと変だなと思う。

 ただ、Galaxy S26シリーズでQuick ShareがAirDropに対応して、OPPOもFind X9で対応したので、今後対応機種は増えていきそうだね。

石野氏
 Quick ShareのAirDrop対応は、チップセットも関係してそうなのと、通信部分が入ってくるので、チップベンダーのソフトウェアにも影響がある。そう考えると、拡大にはリソースがかかりそうです。

法林氏
 ネタの出し方は難しいところだな。細かいネタでもいいから、どんどんアピールするために、リリースを出すなり、お知らせを出すなりした方がいいっていう話もある。

石川氏
 小さいメーカーで、もっと話題性を出さなきゃいけないポジションならそうですけど、サムスンはアップルと戦うべきポジションじゃないですか。アップルはOSのアップデートをするとき、新製品も古い製品もほぼ同時に機能が追加されるので、古い機種を使っていても、新しい機能が使える満足感につながる。

 Galaxyは、AirDropに対応したと言っても、新しい機種だけなので、古い機種を持ってる人はいつなのか、SIMフリーモデルはいつなのっていうずれが発生する。結果としてユーザーの不満になるんじゃないかなって気がしています。

石野氏
 そこは水平分業している難しさですね。クアルコムやメディアテックも関わる部分ですから。

石川氏
 とはいえ、Galaxy S26と同じタイミングで、Galaxy S25とか、Galaxy Z Fold7でもできるはず。

石野氏
 もうちょっと、対応機種を増やしてくれっていう話ですよね。せめて去年のモデルぐらいまではまとめてやろうよと思ってしまいます。

法林氏
 そうだね。

石野氏
 Galaxy S26を売りたいのはわかるので、Galaxy S26の1カ月後に昨年のモデルに対応するといった形でもいい。既存のユーザーにもう少しうまい見せ方をしてほしいです。

石川氏
 AirDropに対応するなら、最初から言っておいて、順次アップデートでもいい。

法林氏
 情報としては先に出しておいて、順番にアップデートしていくという形でいいよね。

石野氏
 そうですね。ちょっと情報を小出しにしすぎている感じはあります。

iPhone 17eのライバルはiPhone 17

佐藤
 新端末としては、3月2日にiPhone 17eが発表されました。

関口
 アップルの製品としては、MacBook Neoなどもあり、日本から見ると春商戦向けの端末が出そろった感じですね。

石野氏
 かなり意識しているようですね。

石川氏
 桜を意識したという話もありますね。後付けかもしれませんが。

石野氏
 10万円を切ると、日本では中小企業も採用しやすいという話が、本国(アメリカ)の責任者から出てきたのは驚きましたね。

石川氏
 値段を守ってきたっていうのは非常に大きいと思うし、ストレージが倍になってるのは垂直統合の強みというか、それだけ数を作っている強みが発揮されている。OSとハード、チップの統合ができているところが強いなって印象もあります。

 あと、話は逸れますが、MacBook Neoも、iPhone向けに量産して作ってるチップをベースにしてるからこそできている。垂直統合がコスパに効いてるのは、結構脅威です。あれをスマホ、PCメーカーが真似できるかと言ったら、結構厳しいと思います。

石野氏
 ディスプレイは古いですし、カメラは1個しかないんですけど、処理能力で言えば、20万越えの端末とほぼ同じで、ゲームも快適に動かせる力がある。

 AIも、アップルのAI自体はまだまだですけど、オンデバイスでゴリゴリ動かせるのは、やっぱりiPhoneが強いところですね。

法林氏
 AIがまだまだというか、入口しかできていない。

石野氏
 入口しかないし、Apple Intelligenceの話は全然出てこない。ただ、サードパーティーのAIモデルを、オンデバイスで動かすとすると、iPhoneはすごいというか、処理能力の高さを感じます。それが10万円を切り、中小企業の一括償却で買える値段っていうのは、なかなかインパクトあります。ストレージも256GBになって、値段据え置きというか、実質値下げなので、良心的じゃんって思いますよね。

石川氏
 逆に言うと、Pixel 10aは早く出せよっていうね。グーグルは何をやっているのか。

 ※編集部注:グーグルはPixel 10aを4月に発売した。

法林氏
 FeliCaの認証に時間がかかっているといううわさは聞いたよ。

石野氏
 でも、Pixel 10は普通に出しているじゃないですか。

法林氏
 そうだね。だから準備期間の問題でしょう。

佐藤
 Galaxy S26も、一次販売国になっても、しっかりFeliCaを載せていますから。

石野氏
 しかも、Pixel 10aは台湾で作っている。

石川氏
 キャリアが端末を出すタイミング的に、次の年度にしたいという話はあると思う。

石野氏
 年度末だと予算の関係はありますよね。

法林氏
 iPhoneの話もそうだけど、出るタイミングと作るタイミングがごちゃごちゃになってる人は多い。iPhoneもメモリが高騰する中、256GBになって価格据え置きはすごいという人がいるけど、iPhone 17eを作り始めた時は、まだメモリが安いタイミングだから。

関口
 Pixel 10aが出るタイミングはわかっていたのに、キャリアが予算を用意していなかったという見方になりますか?

石野氏
 普通に考えて、年度末にそこまでバジェットは用意できないですよね。

法林氏
 iPhone 17eもGalaxy S26もあるからね。まとめて出すのはしんどい。

石野氏
 4月になれば、バジェットが復活しますから。

関口
 iPhone、Galaxyと比べると、Pixelは優先度を下げられていると。

石川氏
 そうですね。

法林氏
 それは販売台数的にもしょうがないよね。ただ、iPhone 16eは、法人では数が出ているけど、個人は全然らしい。端末購入サポートで買うと、無印と値段があまり変わらなくなってしまうからね。

石野氏
 子供にiPhoneを買うとき、MNPだと楽天モバイルでiPhone 16eが月額1円、ソフトバンクだとiPhone 17も月額1円だった。どっちでもいいと言われつつ、120Hzリフレッシュレートが決め手でiPhone 17になりました。

法林氏
 iPhone 16eも、iPhone 17eもそうだけど、最大のライバルが自社の無印モデルになってしまっている。そこはどうするのかという話はあるよね。

石野氏
 特にキャリア版はそうですよね。3万円ぐらいしか差がないと、キャリアの売り方ではうやむやになってしまう。

関口
 ドコモオンラインショップの価格を見ると、月額支払いの差は800円くらいですね。

石野氏
 あまり差がないですし、MMPだとさらに差がなくなっちゃうんですよ。

石川氏
 アップルからすると、より高いモデルが売れているので美味しい話。選択肢を与えて、いいものを買わせるっていうビジネスの構図で、結局3モデルあったら、その真ん中を買わせるのがマーケティング的にいいやり方。Proは別枠になってきていて、本当に好きな人しか買わない中で、いかにiPhone 17を選ばせるのかという戦い。

石野氏
 iPhone 17eは、減価償却を利用して企業に売っていくという、考え方としてはありかなと思います。

石川氏
 結局、白と黒しか売れなくなるけどね。

石野氏
 実際に使ってみると、全然使えるというか、悪くないんですよね。

石川氏
 普通の人は、これで十分ですよ。

石野氏
 あと、UQ mobile、ワイモバイルといったサブブランドで買えるのは大きいですね。サブブランドで、これが一番新しいiPhoneになるので、節約志向の人たちを狙っている感じはあります。

TORQUE G07は新規顧客の獲得が課題

佐藤
 KDDIからは、京セラのTORQUE G07も発売されました。

石野氏
 まず、本体価格が結構高くなったなと思いましたね。

石川氏
 10万円は超えていなかった気がするよね。

関口
 前モデルのG06は2023年発売で、9万8000円。

石野氏
 その前は、8万円くらいでしたよね。

石川氏
 当時はそもそも、スマホ全体が今よりかなり安かったからね。

石野氏
 それにしても、上がり幅が広くないですか。

石川氏
 製造台数が少ないですから、調達量という意味でも、開発は大変ですよね。

石野氏
 国内メーカーは京セラとソニーくらいになってしまっていて、ソニーもwenaとかBRAVIAをどんどん切り離しています。いよいよどうしてXperiaが残ってるのか不思議になってるぐらいです。

法林氏
 TORQUE G07自体は良かったと思うし、ちゃんと特定のお客さんがいるところに出す商品なので、もちろん値段を抑えられればベターだけど、物価上昇とかを考えると、こんなところかなって気がする。あと、細々ではあるけど、こだわりを感じるアップデートがあるので、それも良かったのかなと思う。

関口
 新しさというか、続けたことに意義があるみたいな感じですね。

法林氏
 ただ、やっぱり悩みはある。大きいパイ、固定したパイを持っている人たちは、外側にどうやって出していくかが鍵だから、TORQUEは今後それができるかが勝負。

石川氏
 既存のお客さんが買い換えられるものを出しているのは素晴らしいことだし、じゃあ新しい顧客を獲得していくにはどうするのかは大事になってくる。

石野氏
 ただ、京セラ的にはモチベーションが薄いというか、もうコンシューマー向けやっていないですからね。

法林氏
 やりたくてしょうがない人も京セラには多い。嫌がってるのは経営陣だけ。

石野氏
 TORQUE G07は、法人向けという言い訳をしながら作っている感じ。

法林氏
 KDDIという法人ね(笑)。