インタビュー
シャオミ×ライカが語る「Leitzphone」グローバル展開の裏側。メカニカルリング搭載の狙いとは
2026年3月1日 09:46
シャオミ(Xiaomi)が28日、スペイン・バルセロナでフラッグシップスマートフォンの「Xiaomi 17」シリーズのグローバル向け発表会を開催した。
質疑応答には、シャオミのインターナショナルコミュニケーション シニアプロダクトマーケティングマネージャーのTJ・ウォルトン(TJ Walton)氏と、ライカのモバイルエンジニアリングおよび開発をリードするパブロ・アセベイド・ノダ(Pablo Acevedo Noda)氏が応じた。
今回はXiaomi 17シリーズに加えて、ライカのスマートフォンとなる「Leitzphone」も発表。日本でも、かつてシャープとの協業のもと「Leitzphone」が登場しており、質疑応答でも多くの質問が寄せられた。
――ライカブランドのスマートフォンとなる「Leitzphone」が今回発表された背景を教えてほしい。
ウォルトン氏
シャオミ社内としては、段階的なプロセスを経てきたと考えています。
ライカとの提携では、まずお互いについて多くを学び、モバイルユーザーに最高の体験を提供する方法を見つけるために懸命に取り組んでいました。
前世代の「Xiaomi 15 Ultra」では、1インチのメインカメなどで多くの成果を上げたと考えており、今世代ではさらに進化しています。
その上で、シャオミがサポートするLeitz Phoneを本格的に発売するのに適した段階に達したと、シャオミ社内では感じていました。
アセベイド氏
ライカ側としても非常に似た状況でした。
私たちはまず日本でLeitz Phoneシリーズを展開していましたが、さらに規模を拡大したいと考えていました。
そして技術パートナーとしてのXiaomiのおかげでそれが可能になりました。
私たちは学び続け、両社で独自の方法を開発し続けており、今、このLeitz Phoneがグローバル市場に向けて準備が整ったと確信できるポイントに到達したというわけです。
――一般的なユーザーは、Xiaomi 17 UltraとLeitzphoneの違いを理解できるか?
アセベイド氏
同じプラットフォームを共有しているのは確かです。
しかし、Leitzphoneに搭載する「メカニカルリング」のような、非常に重要な違いがありますし、Leitzphoneには「エッセンシャルモード」があります。
これらはMONOPANフィルムを使用した「M3」(1950年代に登場したライカ製カメラ)がどのようなものになるかを再解釈したものです。つまり、白黒モードです。
また、特殊なカットを行ったCCDセンサーを搭載したM9のパフォーマンスを模倣しようとするエッセンシャルM9モードもあります。
これらの他にも、ユーザーインターフェイスやユーザー体験でもライカのDNAを踏まえた要素が取り込まれており、2機種の大きな違いを生むと思っています。
一般的なユーザー向けではないことにもすぐ気づいていただけると思います。最高のカメラを求める非常にプロフェッショナル、あるいはプロシューマーと呼ばれる人向けです。
ウォルトン氏
ライカのカメラを持っている多くの人も、このデバイスに深いつながりを感じると思います。今紹介された3つの点は、ライカのカメラを使っているような感覚を表現するのに本当に役立ちます。したがって、それが標準のXiaomi 17 Ultraとの大きな違いの1つだと考えています。
――ライカが以前、別のブランド(シャープのことと思われる)とLeitzphoneプロジェクトを立ち上げていた。前回の経験と比べて、今回はどのような違いがあるのか? 改善点や驚きは?
アセベイド氏
以前の可能性と比べて、新しいLeitzphoneがはるかに優れていることは明らかだと思います。
確かに、日本において他のパートナーと一緒に開発し、ライカは多くのことを学びました。ユーザーからのフィードバックを得るプロセスだったのです。非常にポジティブなものであり、それがグローバル市場への飛躍を決意させた理由です。
そしてグローバル市場のためには、より強力なパートナーが必要であり、それがシャオミと協力することになった理由です。
――Leitzphoneにおいて、もっとも魅了的な点は? 友人に勧めるなら、どう伝えるか?
アセベイド氏
簡潔に答えるなら、メカニカル(機構設計)、ハプティクス(触覚フィードバック)、そして写真撮影全般に触覚的な体験を取り戻したことだと言えます。これが最も差別化できる要因だと思います。
もちろん、新しい本物の光学ズーム、先述したライカならではの撮影モードも魅力のひとつです。
――Leitzphoneという名称でも、グローバルモデルと中国向けモデルのデザインが異なる。その理由は?
ウォルトン氏
市場自体が大きく異なります。
また、シャオミ社内において、デザインであれ機能であれ全体的な体験であれ、それぞれの市場に最適な製品を提供したいと考えています。それが2つの製品にあるわずかな違いの主な理由です。
――スマホカメラの進化に対する見解をあらためて教えてほしい。
ウォルトン氏
シャオミが、ライカとのパートナーシップの成果と考えていることのひとつ、モバイルでの写真という領域での進化で、本当に役立っていることは、スマートフォンを使う際の体験と感覚です。
現在、世界中のスマートフォンカメラは多くの似たようなスペックや機能を共有していますが、最先端のモバイルテクノロジー企業と100年の歴史を持つトップカメラ企業のこのようなコラボレーションを通じてのみ、ユーザーにとって新しい感覚と体験を真に生み出すことができるのだと思います。
ですから、モバイルカメラの未来は、もちろんハードウェアのスペックも重要ですが、それだけではなく、実際の利用シーンで、ユーザーがどう感じるか、という方向へ移っていくのかもしれません。Leitzphoneだけでなく、Xiaomi 17 Ultraでも非常にうまく達成できていると思っています。
アセベイド氏
今日(こんにち)、重要なことは個性や体験だと言えます。
したがって基本的には、個性・体験において、今後も継続して取り組みます。よりカメラの体験に近い方法でユーザーが写真を楽しめるようにしていきます。
――価格上昇に関する見解を教えてほしい。材料費、メモリーの価格・コスト上昇によるものなのか。
ウォルトン氏
デバイス・部材のコストにおいて、現在、メモリーの価格上昇はよくご存知でしょう。消費者が最終的に支払う価格を考える際、間違いなく影響を与えます。
その一方で、製品の価格は、税金・輸送費・その他のコストなど、さまざまな要因の影響も受けます。
私たちの目標は、デバイスで得られる体験に対して合理的だと感じる最適な価格を消費者に提供することです。今回はどちらの製品でもその目標を達成できたと考えています。
――シャオミの製品のほとんどで価格が据え置かれているように思う。価格戦略や今後の課題は?
ウォルトン氏
業界全体が今後この問題で困難に直面するでしょう。
私たちにとって最も重要なことは、お客さまが「十分な価値を得られた」と感じてもらうこと。そのために最善を尽くします。
これは、中国市場での創業以来、シャオミが常に考えてきたことです。当時は、ハードウェアのコストに対して、利益を5%得られれば十分としていました。私たちが守り続けようとしていることは、そうした考え方・企業としての哲学です。
――Leitzphoneの話に戻る。ライカのカメラのうち「M3」「M9」をテーマにした撮影モードを選択した理由は?
アセベイド氏
多くのアイデアはありましたが、「最も重要」で「最も個性的」で、多くのユーザーに楽しんでいただける製品がM3とM9だという結論になりました。
M3といっても、Monopan 50と呼びたい。実装した機能は、いわばフィルムのシミュレーションです。M9については、ライカ最後のCCDセンサー搭載カメラだったことが大きいです。
――Ultraシリーズにおいて、今後、Xiaomi 14 Ultraのような物理的な絞りが復活する余地はあるのか。
アセベイド氏
私も惜しむ機能ですが、今後について約束はできません。ですが、可変絞りについては、検討されている項目のひとつであることは確かです。
――カメラリングを開発した背景について教えてほしい。
ウォルトン氏
一般のユーザーだけでなくプロの写真家とも、スマートフォンで体験したいことについて話し合ってきました。
個人的には、動画が大きな要素のひとつです。4Kライブシネマトグラフィ機能があり、メカニカルな光学ズームが根本的な基盤になっていると思います。
静止画の撮影という面では、個人的には望遠ポートレートをよく利用しますし、ストリートスナップのように撮影することも多い。ズームを調整して、さまざまなアスペクト比やフレーミングを試しています。こうした使い方は、ユーザー次第でしょう
――Leitzphoneでカメラリングが採用された理由を教えてほしい。同じ操作を、スマートフォン側面に回転するボタンを設けたり、触覚フィードバック付きのタッチセンサーにしたりせず、カメラリングになったのはなぜか。
アセベイド氏
ここにいる報道陣の多くがカメラを手にしています。それこそが、まさに、カメラのズームリングやレンズのフォーカスリングが必要な理由でしょう。だからこそLeitzphoneに採用したのであり、メインターゲットであるプロシューマーやプロの写真家にとって馴染みのある感覚を提供できます。
ウォルトン氏
ここ数年のライカとのコラボレーションから、モバイルイメージングの進化という点で本当に多くのことを学びました。
同時に、モバイルイメージングがスマートフォン、特にフラッグシップスマートフォンでの体験にどうマッチさせていくか考える機会でもありました。
――1年前に披露された、スマホに装着するレンズ型カメラはどうなりましたか?
ウォルトン氏
最終製品についてはお答えできません。お伝えできることとしては、シャオミとライカはともに、モバイルでの撮影体験を新たな高みへ押し上げるため、常に革新的な方法を模索しているということです。今回の製品が最終形だと断言することは絶対にできません。
――より広いダイナミックレンジを実現するというLOFIC(横型オーバーフロー蓄積容量)センサーについて教えてほしい。今後、どう改善される可能性があるのか。
アセベイド氏
センサー技術は進化し続けており、ライカはさまざまなセンサーのベンダーと協力しています。LOFICでは、ダイナミックレンジを広げられる可能性が大きい。それが未来への道だと信じています。
ウォルトン氏
私たちも常にベンダーと緊密に連携しています。イメージセンサーだけではなく、チップセット(SoC)でも協力し、できるだけ最高の体験を生み出そうと努力しています。
――Xiaomi 17 Ultraの大型カメラの採用は、Xiaomi 17よりもバッテリー容量が小さくなることに影響したか。
ウォルトン氏
はい、その理由のひとつですが、内部構造は複雑で、理由の全てとは言えません。



