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GoogleのAndroidとNestがスマートホーム共通規格「Matter」に対応

 米グーグル(Google)は、Androidデバイスおよび同社のスマートホーム向け製品の「Google Nest」が、スマートホームの共通規格「Matter」に対応したことを明かした。

AndroidやNestが「Matter」をサポート

 「Matter」は、グーグル、アマゾン(Amazon)、アップル(Apple)など300を超える企業が参加する「Connectivity Standards Alliance(CSA)」によって開発されたスマートホーム向けの共通規格で、メーカーが異なる製品でも簡単にスマートホームデバイスをセットアップしたり、管理したりすることを目指して開発された。

 同アライアンスは、スマートホーム関連製品はそのセットアップに問題によって多くのデバイスが返品されており、消費者がスマートホームデバイスを購入するにあたってハードルとなっているが、「Matter」に対応するデバイスであれば、少しの手順でデバイスをセットアップできるため、この状況を一変できるとアピールしている。

 また、Matterにより接続されたデバイスは、ハブとデバイスがインターネットを介さずにローカル環境で直接通信するため、インターネットを経由することで生じる遅延や通信障害による影響を気にせずに利用できるという。

 「Matter」に対応するGoogleのデバイスは、「Matter」をサポートする他社のデバイスに接続できる。Google Nestデバイスや、Androidは既に「Matter」対応のアップデートが実施されているため、今回の対応に伴う追加のソフトウェアやアプリケーションのダウンロードは不要。

 一方で、「Matter」はスマートホームのハブが必要となる。Googleの製品では、初代のGoogle Home、Google Home Mini、Nest Mini、Nest Audio、Nest Hub(第1世代、第2世代)、Nest Hub Max、新しいNest Wifi Proをスマートホームのハブとして利用できる。

 「Matter」をサポートするデバイスは、Wi-Fiによる通信のほかにスマートホーム向けの通信規格「Thread」も利用できる。同規格はデバイス同士が通信するメッシュ型のネットワークで、Wi-Fiが届きにくい場所にある、玄関のスマートロックなどを低電力で接続する場合に便利という。Googleの製品では、Nest Wifi Pro、Nest Hub Max、Nest Hub(第2世代)が「Thread」のボーダールーターとして動作する。

 このほか、「Matter」対応デバイスとAndroidデバイスを簡単に接続するFast Pairにも対応した。Fast Pairは、ワイヤレスイヤホンのペアリングのような手順で、「Matter」対応デバイスをホームネットワークやGoogle Home、そのほかのスマートホーム向けアプリと接続できる。

今後のアップデートや取り組み

 Googleによると、今年のホリデーシーズンにいくつかの「Matter」対応デバイスが販売され、2023年始めにはさらに多くのデバイスが発売される見込み。「Matter」に対応するデバイスは、バッジが付与され「Matter」をサポートしていることが一目でわかるようになる。なお、iOS搭載デバイスの「Matter」対応について、2023年を計画しているという。

 Googleは現在、「Matter」に含まれるマルチ管理機能をより簡単に使えるように、サムスン電子と提携して開発に取り組んでいる。よりスムーズなマルチ管理機能を2023年に提供する予定で、Google Homeアプリを開くと、サムスンのSmartThingsで設定されたデバイスが表示され、それらのデバイスをGoogle Homeに追加したり、Google Homeに表示されるデバイスをSmartThingsに追加したりできるようになる。