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3980円のスマートリモコン「Nature Remo nano」、製品に込められた思いとは

 Natureは4日、スマートリモコンの新モデル「Nature Remo nano」を発売した。価格は3980円。同日に開催された報道陣向けの発表会には、同社創業者の塩出晴海代表取締役が登壇し、製品に込めた思いなどを語った。

塩出氏
塩出氏がポケットから出した新製品の「Nature Remo nano」

「Nature Remo」の普及でさらなる省エネへ

 創業以来「自然との共生をドライブする」をミッションに掲げるNature。塩出氏はこのミッションについて、「今の時勢で言えば、カーボンニュートラルに直結する」とコメントした。

 温室効果ガスの排出量を全体でゼロにする「カーボンニュートラル」に向け、Natureが重要視するのが“電力”だ。

 Natureが展開するスマートリモコン「Nature Remo」シリーズは、さまざまな家電の操作を効率化する。家庭内で消費電力が大きいとされるエアコンをインターネットに接続し、コントロールすることで、利便性アップだけでなく省エネにもつながる。

 日本の世帯数がおよそ5500万世帯とされるなか、Nature製品の累計販売台数は60万台。

 塩出氏は、「(5500万世帯のうち)3000万~4000万世帯はNatureの対象顧客になる。こうしたポテンシャルを考えると、日本国内だけでも大きな伸びしろがある」と自信を見せた。

 「Nature Remo」が多くの人に行き渡り、さらなる省エネを実現する――そうしたビジョンのもと、Natureは製品の値下げに踏み切った。

 フラッグシップモデルの「Nature Remo 3」をはじめとした4製品が、6月1日から最大33%値下げされている。

リーズナブルな価格を実現しつつ、新規格に対応

 そして今回、「Nature Remo」シリーズのなかで最も手ごろなモデルとして、「Nature Remo nano」が発表された。

 さまざまな家電をコントロールできる「Nature Remo nano」の大きな特徴は、3980円というリーズナブルな価格を実現しつつ、スマートホームの新規格「Matter(マター)」をサポートしていること。

 塩出氏は「手に取りやすい価格を最優先するため、削れるところは削った」とコメント。各種センサーは省かれているが、「Nature Remo」ならではの使い心地は継承されているという。

エアコンやテレビなど、さまざまな家電のコントロールを効率化する

 「Nature Remo nano」がサポートするMatterは、米国のConnectivity Standards Alliance(CSA)が策定した規格。アップル(Apple)やグーグル(Google)、アマゾン(Amazon)などが参加し、今後、スマートホームの規格の中心になると目されている。

 Matterによって期待されるのは、さまざまな規格が存在するスマートホーム規格の一元化だ。塩出氏は「Matterに関するグローバルでの取り組みは進んでおり、これからスマートホームのスタンダードになるのは間違いない」と自信を見せた。

 また、「Nature Remo nano」は、Matterと赤外線のブリッジデバイスとしても機能する。赤外線リモコンに対応した家電であれば、Matter非対応であってもMatterを介して連携できる。

 「Matterは新しい規格で、ドキュメント(関連文書)が整理されていない。実際に試行錯誤しながら開発するのが一番大変だった」と塩出氏は語る。

 なお、Natureにおける既存デバイスのMatterへの対応については「検討中」としている。

「Nature Remo nano」はエントリーモデルとして位置づけられる

なじみのない人にも“やさしい”製品

 「Nature Remo nano」のキャッチコピーは「いちばんやさしいスマートホーム」。スマートホームになじみのない利用者も想定している。「企業としてのサポート体制も拡充していくが、設定が簡単で、問い合わせる必要すらないのが理想」(塩出氏)。

 塩出氏は「Nature Remo nanoが節電ツールとして多くの人に行き渡り、カーボンニュートラルへの取り組みが進んでいけば」と今後への思いを語った。

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