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“まるで石”のスマートリモコン「Nature Remo Lapis」、頑張らない節電をおまかせできるソリューションとは

 Natureは、スマートリモコン「Nature Remo Lapis」を7月5日12時に発売する。6月26日16時からは、同社のECサイトで先行予約受付が開始される。価格は7980円、先行予約では6980円で購入できる。

 また、auエネルギー&ライフとともに、「Nature Remo Lapis」を使った節電ソリューション「スマート家電 with Nature Green」を月額550円で提供を開始した。

“頑張らなくても”節電できる

 Nature 代表取締役の塩出晴海氏は、地球環境について「我々が直面しているのは地球“沸騰”化だ」と指摘。また、昨今のエネルギー価格の上昇など、節電に対する意識は高くなってきている。同社としても、快適性だけでなく節電も実現できる新製品を開発したとし、今回の「Nature Remo Lapis」を紹介する。

 「Nature Remo Lapis」では、ユーザーが“頑張らなくても”節電できることを目指して、エアコンを自動制御し節電できる機能を搭載している。

エアコンを自動節電する3つのモード

プロダクトマネージャーの荒川恵太氏

 ユーザーに“心地よい節電”を提供すべく、エアコンの稼働について「オートエコ」、「コスパ起動」、「消し忘れアラート」(今夏リリース)の3つの機能を備えている。

オートエコ

 プロダクトマネージャーの荒川恵太氏は、オートエコモードを「やっぱり節電を意識してやるのはなかなか難しい。1つは“お任せ”で節電してくれるのを実現したい」と開発の意図を説明する。

 オートエコモードに設定すると、ユーザーのエアコン利用状況を学習して、設定に従って自動で節電するというもの。

 ユーザーは、アプリで1、2、3の3段階から節電の強さと適用する時間帯を設定する。あとは、「Nature Remo Lapis」が強度に合わせて節電する。節電制御は、最大の強度3では、1日あたり最大8回実施される。1回あたり1時間実施し、制御回数は連続して行われないようになっている。

 ユーザーの利用履歴は、エアコンを使う時間帯や使い方などからパターンを作り、そこに快適さなどを加え学習する。たとえば、エアコンの温度に対してユーザーがどのように調整したのかを学習していくことで、翌日の節電プランを作成するという。

 また、節電中にユーザーが「暑い」と思いエアコンの設定温度を下げると、節電制御がオフになる。これらの行動も、今後の節電プランに活かされ、ユーザーが不快にならない節電ができるようになる。アプリでは、節電に貢献した金額の目安が表示されるため、ユーザーはより意識してかつ無理なく節電に取り組める。

 また、検討中の機能として、これらのオートエコモードに、室温予測などを取り入れてより快適に節電が実現できるように発展させたモードの研究も進めている。

コスパ起動

 コスパ起動モードは、急速に冷やしたり暖めたりする必要がない場合に設定することで、エアコン起動時などに温度変化が穏やかになるように制御する。

 エアコンの消費電力は、一般的に室温と設定温度の差が大きければ電気代がかかってしまう。コスパ起動モードでは、室温に近いところから設定温度を徐々に調整していくことで、消費電力を抑える取り組みだ。

消し忘れアラート

 今夏リリース予定の消し忘れアラートでは、家に誰もいないにもかかわらずエアコンが一定時間動いている際に、スマホアプリに通知を出す。

 ユーザーの情報は、登録したスマートフォンの位置情報を使っており、現在開発検討を進めているとしている。

どれがいい?

 荒川氏は、3つのプランそれぞれに利用シーンを提示している。

 オートエコモードは、自宅でペットと暮らしているユーザーや、リモートワークなど1日中家にいるユーザーなどが利用しやすいと紹介。

 コスパ起動モードは、帰宅時や朝起きるときなどに節電を意識する際に利用しやすく、消し忘れアラートは家族で暮らしているユーザーや、旅行に行く際に利用しやすいとしている。

今後展開される「健康管理」機能

 エアコン節電機能だけでなく、高齢者の一人暮らしなどに利用できる健康管理機能が今後リリースされる。

 まずは、「熱中症アラート」。部屋の中の温度と湿度が一定水準に達した場合、熱中症の危険をユーザーに通知する。今夏リリース予定。

 2つ目は、快適指数。ユーザーによって暑さ寒さの感じ方は異なるとし、ユーザーの感じ方や好みを加味した快適指数を表示する。今冬リリース予定。

 3つ目は、バイタルデータ連携。ウェアラブルデバイスからのバイタルデータを収集し、健康状態に合わせて家電を制御する。現在、パートナー企業との協議を進めているとしている。

多くの家電を繋ぐ取り組み

 また、「Nature Remo Lapis」では、他社メーカーのデバイスとも直接連携できる機能が備わっている。スマートフォンアプリ「Nature Home」アプリでは、ユーザーインターフェイスとしての機能や、エネルギーマネージメントまでサポートする。

 荒川氏は、同社はこれまでも赤外線やBluetooth LEなどの規格を通じて家電をコントロールする取り組みを行ってきたが、これをさらに多くの家電に広げるべく、規格面やパートナー企業の面で拡大を進めている。

 たとえば、新たな接続機器として、「SESAME Bot 2」やスマート照明「Philips Hue」との正式な連携を2024年中に開始する。

 また、Matterの新たなデバイスタイプへの対応として、新たにDoor Lockタイプのデバイス、いわゆるスマートロックデバイスへの対応を開始した。まずは、「Qrio Lock」から対応を開始し、「SESAME5/5Pro」など順次対応する。

 さらに、「Nature Remo Lapis」を通じてMatterエコシステムに組み入れられるデバイス数が20台となり、同時に利用できるfabricを8台サポートする。fabricは、いわゆるスマートスピーカーのような操作系スマートデバイスで、スマートスピーカーなどで操作系、「Nature Remo Lapis」ではエネルギー関連を担えるようになる。

“同じものはない”デザイン

 デザイナーの長尾友美氏は、「Nature Remo Lapis」のデザインコンセプトを「存在感がない、考えさせない」を初代から変わらず続けているとし、今回新たに「自然と調和するデザイン」をコンセプトにデザインを制作したという。

デザイナーの長尾友美氏

 今回は、海辺の石をモチーフに、実際にベースとなる形を探しに海岸まで出向き石を探しに行ったという。同社と海は深い関わりがあり、コーポレートカラーのネイチャーブルーは、深海の海から来ているほか、ロゴの一部にも海の要素が使われているという。

 実際に収集した石のシルエットを3Dスキャンし形状を取り込み、テクスチャーも実際の石から模様を切り取って金型に直接彫り込んでいる。模様も1つ1つ変わっており、5種類の異なる素材をミックスさせて作られており、同じ物が2つとない“自然が生み出した”ような模様に仕上がっている。

モックアップ、同じ製品でも細かなところで違う

 また、製造工程でも本来は不良品として廃棄対象になってしまうわずかなゴミや傷を、今回模様の一部と捉えることで、廃棄プラスチック量を68.8%削減したという。

 また、パッケージデザインは、砂浜をモチーフとしていて、実際に海から石を拾ってきて部屋に置く体験をパッケージで表現している。

モックアップが重ねて置かれていると、まるで海辺の石のように見えてくる
左は本物の石、右は「Nature Remo Lapis」

auエネルギー&ライフと資本業務提携

 同社は、2023年末にauエネルギー&ライフから出資を受けており、今回あらためて共同で家庭向けの節電サービス「スマート家電 with Nature Green」をスタートさせる。

 auエネルギー&ライフ 取締役副社長の吉岡尉登氏は、同社の電気サービスは現在約350万世帯で利用されており、自社だけでなくパートナー企業と一緒になってサービス展開を進めていると同社の特徴を説明する。

auエネルギー&ライフ 取締役副社長の吉岡尉登氏

 今回の「スマート家電 with Nature Green」は月額550円で利用できるサービスで、「Nature Remo Lapis」をレンタルして消費電力削減により、月額料金以上の節約効果を期待するサービス。サービス申し込み前には、実際に削減できるシミュレーションを用意したり、開始1カ月間は無料のお試し期間を用意していたり、ユーザーが節電によりどれだけ電気料金を削減できるか確かめた上で継続利用できるとしている。

Nature代表取締役の塩出晴海氏とauエネルギー&ライフ 取締役副社長の吉岡尉登氏

「Nature Remo Lapis」100万台目標

「Nature Remo Lapis」を手にする塩出氏

 塩出氏は、「Nature Remo Lapis」の販売台数について、これまでのスマートリモコンの販売台数などを踏まえ100万台を超えてきたいとコメント。

 2025年度~26年度末までに超えていきたいとし、「スマート家電 with Nature Green」サービスとともに、エネルギー問題への取り組みをより進める姿勢を示した。

Nature デザイナーの長尾友美氏と、代表取締役の塩出晴海氏プロダクトマネージャーの荒川恵太氏