【MWC Barcelona 2026】
スマホと衛星の直接通信「Starlink Mobile」がブロードバンド化、日本で新たに2社と提携も
2026年3月3日 06:31
米スペースX(SpaceX)は、スペインのバルセロナで開催中の「MWC26 Barcelona」の基調講演において、衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」の既存スマートフォン向け直接通信サービス「Starlink Mobile」の最新の進捗を発表した。
月間アクティブユーザー数が1000万人に達したほか、日本における提携キャリア2社の追加が明らかにされた。
Starlinkの加入者数が1000万人を突破
スペースXでプレジデント兼COOを務めるグウィン・ショットウェル(Gwynne Shotwell)氏と、Starlink担当シニアバイスプレジデントのマイケル・ニコルズ(Michael Nicolls)氏が登壇した。
現在、Starlinkは地球低軌道に約1万機の衛星を展開。サービス開始から5年が経過し、通常のStarlinkサービスの加入者数は1000万人を突破した。
Starlink Mobileの今
2024年に始まったスマートフォンとの直接通信サービス(Direct to Cell、D2C)は、現在「Starlink Mobile」と呼ばれている。既存のスマートフォンを改修なく、そのまま衛星に接続できる機能だ。
第1世代として約650機の衛星が展開されており、テキストメッセージの送受信から始まり、現在はデータ通信もサポートされている。
災害時の活用
「Starlink Mobile」は人命救助や緊急時の通信手段としても大きな役割を果たしている。
ロサンゼルスで発生した山火事の際には、通信事業者と連携して緊急接続機能が有効化され、40万人以上が接続して25万通のSMSや15万件の緊急速報が送信された。
日本においても、地震発生時に実績があるという。
これまでに緊急災害時にStarlink Mobileへ接続した人は440万人以上に上る。
ウクライナでも300万人以上が利用
紛争が続くウクライナで、スペースXは地元通信事業者のキーウスターと提携した。
開始から約2カ月間で300万人以上のユーザーが加入し、120万通のSMSが送信された。
日本で新たに2社と提携、グローバル展開を加速
Starlink Mobileは現在、世界32カ国で展開され、35のグローバルパートナーと提携している。
基調講演で投影されたスライドでは、アジア地域のパートナーとして、日本ですでに提携しているKDDIに加え、新たに2つの通信事業者(2 new operators)が追加されることが示された。
国内の携帯電話会社では、KDDIへ続く取り組みとして、競合各社がスマホと衛星の直接通信サービスを提供する方針。
このうち楽天モバイルはAST Spacemobileと提携しているが、NTTドコモとソフトバンクが、提携先を明らかにしていない。今回のスペースXのプレゼンテーションからは、ドコモとソフトバンクも「Starlink」を利用することを伺わせる。
第2世代でブロードバンド、将来は「地上と衛星のハイブリッド」
第2世代の「Starlink Mobile」向け衛星は、第1世代と比べ、20倍の通信性能を持つ。アンテナは5倍大きく、MIMO(複数のアンテナを活用して高速化する技術)もサポートする。
ニコルズ氏は「理想的な条件下で、(第2世代のStarlink Mobile衛星とつながれば)スマホで最大150Mbpsというダウンロード速度を実現できる」と語る。
1回の打ち上げで50機以上の衛星を搭載できるという「Starship」ロケットを活用し、半年以内に1200機の衛星を打ち上げてグローバルにサービスエリアを構築する。これにより、第2世代衛星によるサービスは2027年半ばにも実用化するという。
ニコルズ氏は講演の終盤、今後の「Starlink」のビジョンにも触れた。同氏は地上の通信ネットワークと衛星通信を組み合わせたハイブリッドネットワークにおいて、「Starlink Mobile」が主要な構成要素になること、と説明する。
「衛星通信は地上波ほどの通信容量にはならないが、地上ネットワークではカバーしきれない場所もサービスエリアにできる」(ニコルズ氏)として、双方の弱みを保管しあえると語っていた。







