法林岳之・石川温・石野純也・佐藤文彦のスマホ会議(仮)

1000万回線突破の楽天モバイル、ネットワーク整備に励むドコモの次なる課題

 通信業界を中心に活躍するライター4人と編集長の関口による「スマホ会議(仮)」。今回は楽天モバイルとドコモのネットワークや、LYPプレミアムの新料金プラン、mineoのフルMVNOなどについて話し合っていきます。

1000万回線突破の楽天モバイルは今後の5G展開が課題

佐藤
 前回の続きになりますが、楽天モバイルが1000万回線を突破し、発表イベントも開催されました。

(編集部注:前回の収録は、発表イベントの直前でした)

佐藤

石川氏
 ちゃんとカウントされていたことが驚きでしたね。発表会自体は急遽開催が決まり、場所を探しだして、偶然オリエンタルラジオの藤森さんのスケジュールも押さえられた(笑)。

石川氏

石野氏
 三木谷会長とコンビみたいに掛け合ってましたね。

石野氏

石川氏
 発表会前にメディアにもハーゲンダッツが配られたんですけど、楽天が社内イベントをやる際の恒例らしいですね。

石野氏
 開催が遅れると言ってアイスを配ったのに、結局前倒しでスタートした。アイス溶けちゃうよっていう(笑)。

石川氏
 結果バタバタしたけど、まじめに1000万回線のカウントはしていたんだなと。

石野氏
 1000万回線を突破してよかったと思いつつ、というところですね。

石川氏
 しかし、1か月半で50万回線も増えるかな。

佐藤
 大口の法人契約をつかんだという話でしたね。

法林氏
 普通は無理だよね。法人関係で何か大きな契約があったのは確かだと思う。普通は10万、20万程度しか増えないよね。

法林氏

石野氏
 あと、1000万回線を超えたことで、回線が混雑していて、繋がりにくさに対する不満を見かけます。三木谷会長も、ネットワーク整備は急ピッチで行うと言っていました。

石川氏
 SNS上では、不満の声がめちゃくちゃ上がっているね。あとはKDDIローミングも残っている。他誌ではローミング終了を示唆するような内容が出ていましたが、どうなるのか。

法林氏
 終わらないと思うけどね。

石川氏
 先日、KDDIの松田社長に話を伺ったけど、かなり濁されました。「今でもだいぶ切っている」という言い方をしていて、現状は混んでいるところの貸し出しが終わっている。今年で完全に終了とはならないかもしれません。

法林氏
 KDDIのネットワークに余裕があるエリアは貸してもいいけど、余裕がないところは貸したくない。楽天モバイルとしては、余裕がないところこそ借りたい。

石野氏
 KDDIのネットワークに余裕があるエリアは、楽天モバイルにとってもそんなにいらないところですからね。

法林氏
 余裕があるエリアが通信会社によって変わることは、基本的にないからね。余裕がないということは、人がたくさんいて混んでいるということだから。

石川氏
 年末年始に北海道に行ったんですけど、ローミングで繋がっているところが多かったですね。あれが一気に終わると思ったら、相当エリアは狭くなると思います。

石野氏
 だからこそ、最近はプラチナバンドで衛星通信をやると強調している部分もあると思います。あと、KDDIへの感謝も頻繁に述べていますね。

法林氏
 できればローミングを延長したいという下心が見えるよね。実際、秋にKDDIのローミングが完全に切れたら、ASTでの衛星通信開始を待つしかない。それも来年なんだっけ?

佐藤
 予定では2026年末ごろですね。

石野氏
 今年の最終四半期中という感じです。

法林氏
 一応、今年中か。でも、衛星だけに頼るのは、厳しいと思うけどな。

石野氏
 しかも、最初は24時間繋がらないという話です。

石川氏
 難しいよね。au Starlink Directですら、あれだけ衛星が飛んでいるのに、ハンドオーバーし続けているような印象だし、対応アプリもまだまだ。

法林氏
 ASTなら簡単にカバーできるとはならないよね。

石川氏
 ビデオ通話ができるとは言えなさそうですよね。

法林氏
 ローミングの話だと、結局、サービス開始の段階で総務省の方針として、楽天モバイルをどうしていくのかを考えないといけなかった。「サービス開始から10年間は主要3社がネットワークを貸す」といった契約になっていればよかったけど、今はKDDIの善意で成り立っている。

石川氏
 それでいうと、元総理大臣の菅義偉さんが引退されたので、これが大きな流れになる可能性はある。菅さんがハシゴをかけて、三木谷さんが登ってきて、なんとか1000万回線まで来たところなので、菅さんが辞めてこの先どうなるのか。

法林氏
 楽天モバイルとドコモは、性質こそ違うけど、結局はネットワーク的な話になる。今年もそこがテーマになりそうだね。

石野氏
 エリアもそうだし、都市部では周波数が足りないという問題もあります。5G SAも始めていないので、20MHz幅にみんなが繋ぎに行かないといけない。三木谷さんは5Gを増やすと言っているけど、そもそも5Gに上がれないと意味ないし、そのうちアンカーバンド問題が出てきてしまう。加えて、ローミングが終了すると、エリアの問題も出てくるので、二重苦になってしまうのが心配です。

石川氏
 これ以上ユーザーが増えると、既存ユーザーの不満が出てくるよね。

石野氏
 バランスが難しいですよね。

法林氏
 こう言ってしまうと申し訳ないけど、完全仮想化ネットワークと言っているわりには、ネットワーク仕様のフレキシビリティが全然ないよね。

石野氏
 そうですよね。ソフトウェアアップデートですぐにいろいろできると言っておきながら、アップデートに相当時間がかかっています。

法林氏
 それなのに、クラウドはNTTグループのものを借りていたとか、いろいろとバレてきて恥ずかしいよ。今年は相当ねじを巻かないといけない。ユーザーがすぐに離れるとは思わないけどね。

石川氏
 いや、楽天モバイルをいま契約しているということは、一度ほかのキャリアから離れた経験があるということなので、移動することに抵抗がない人が多いんじゃないですかね。

法林氏
 それはそうかも。

関口
 楽天モバイルとしては、2025年夏に行われたRakuten AI Optimismで、2026年は5G SAをやると語っていますね。

石野氏
 宣言はしているんですけど、ソフトウェアでスイッチすれば簡単に切り替えられるみたいな言い方をしているのに、全然遅い。

法林氏
 ソフトバンクは、もともと5G SAが本命だと思っていたので、SoftBank Airの端末も5G SA対応で作っていた。そういうことを考えると、楽天モバイルは、何をいまさらという話になる。

石野氏
 なんでこんなに5G SAが遅れているんですかね。

法林氏
 4G、5G NSAでエリアが広がり、次は5G SA、いずれはミリ波になるというステップがある中で、楽天モバイルは全然スムーズに進めていない。

石野氏
 周波数を獲得しに行くような動きも見られませんしね。

石川氏
 次の周波数を取ろうとすると、プラチナバンドをちゃんと使っているかを確認される。そうなると、楽天モバイルとしては何も言えない。プラチナバンドをちゃんと使おうとすると設備投資が必要で、また赤字になってしまう。

法林氏
 いま割り当てられている700MHz帯の3MHz幅も誰が探してきたのかという話だしね。技術の裏付けが弱い。

関口
 他キャリアから転職した人も多いはずなんですけどね。

法林氏
 エンジニアはいるんだろうけど、全体的な戦略は弱い。

石川氏
 完全仮想化でやろうとすると、キャリアとして全体をまとめないといけない。その点、エリクソンといったいろいろなメーカーと組んでいるキャリアは強い。

ドコモの5G SAエリアはいつ広がるのか

法林氏
 ネットワーク関連だと、ドコモは頑張ってねと思うし、渋谷あたりに手が入っているのもわかる。ただ、この前、東京・大阪間で新幹線に乗ったら、やっぱり厳しいなと思った。以前はなかったくらい途切れていた。

関口
 新幹線は厳しかったですね。一方でauは快適でした。

石野氏
 年末のコミケでは、各社が繋がらない場所でもドコモだけ繋がっていたり、5G SAのすごさを体感できたんですけど、ドコモでは5G SAがオプション扱いで、自分から加入しないといけないんですよね。

石川氏
 「コミケは5G SA 令和の新スタイル」と広告を出していたけど、オプションだからね。そもそも5Gはどうせ繋がらないからオフにするという裏技がユーザーに浸透しすぎていて、みんな5Gを使わない。5G SAはオプションだから、なおさら契約しない。

石野氏
 4Gから5G NSA、5G SAと2段階離れているわけですからね。他社みたいに、自動的に5G SAをつけてしまえばいいのに、料金を取ろうとして、この形を維持しています(執筆時点ではキャンペーンで当面無料)。

法林氏
 5Gが始まった時もそうだけど、こういうところにスケベ根性が出る。あわよくば、オプション料金を取りたいと思っているはず。

石川氏
 コミケで話を聞く限り、現場レベルでは、5G SAのオプション扱いをやめていいという意見があるけど、経営的に渋っている。ちゃんと考えを聞いてみたいですね。

石野氏
 推測ですけど、コミケでドコモが快適だったのは、令和の新スタイルにしていなかったユーザーが多かったからなのかも。みんな4Gで止まるので、NSAの人も5Gに流れていかない中で、5G SAを契約していると5Gをつかみに行く。結果、そっちは空いていたのかな。

 システムがシンプルなのはいいし、5G SAに関しては、ソフトバンクもauもエリアを広げていて、通信の快適さに効果があると言われているので、そこは1つの競争軸になると思います。

 ドコモは、まず5G SAのエリアが狭い。あと、ソフトバンクが出した統計を見ると、ドコモ5G SAの接続率が低い。これは、5G SAがオプションだし、みんながオンにしていないことの現れでしょう。ネットワーク対策に力を入れるなら、そこも並行して行わないといけません。

石川氏
 ソフトバンク、KDDIは4G転用がうまくいって、5Gが面展開されていて、その上に5G SAがある。ドコモは4Gがパツパツなので、転用もできなくて、うまく回っていない印象。

石野氏
 あと、TD-LTEですね。

法林氏
 そう。2.5GHz帯をKDDIとソフトバンクに割り当てたのが、今になって効いている。

LYPプレミアム×Netflixの料金プランにはもう一工夫ほしい

佐藤
 LINEヤフーは、LYPプレミアムとNetflixを掛け合わせた料金プランを発表しましたが、こちらはいかがでしょうか。

法林氏
 WBCを放映するNetflixの取り合いが起きているという構図だね。

石川氏
 LYPプレミアムは、単なる料金プランでがっかりしました。キャリアがやることを、わざわざやる意味がないし、ソフトバンクユーザーにメリットがない。LYPプレミアムの契約者はほとんどがソフトバンクユーザーなのに、そこにメリットがないのが疑問。

 せっかくLINEが提供するんだから、YouTubeでウォッチパーティーみたいなことをLINE上でできるとか、踏み込んだサービスを提供してほしかったです。

石野氏
 料金としてはお得で、ソフトバンクユーザー以外の人で、LYPを使いたい人であれば、ついでにNetflixをわずかな金額で見られるような構図ですし、Netflixを単体で契約している人は、LYPプレミアムが無料になるので、ほぼ全員がこれに切り替えたほうがいいくらいお得です。ただ、LYPプレミアムをみんなが使いたがっているのかというところは疑問です。

法林氏
 LYPプレミアムとNetflixに対して、ユーザーがどう関わっているのかによる。Yahoo!オークションを頻繁に使うからLYPプレミアムに入っているユーザーとしては、890円でNetflixに入れるなら、WBCだけ見ようかなという人も出てくると思う。

石野氏
 あと、少なくともいまNetflixに単体で加入している人なら、ドコモの爆上げ セレクションでも、LYPプレミアムでもいいので、なにかしらに入っておいたほうがお得です。

法林氏
 Netflixは、ドコモ、KDDI、ソフトバンクと3キャリアで、お得になる選択肢がすでにあるのが、LYPプレミアムにとって悩ましい。

石川氏
 ソフトバンクなら、3カ月無料で見られますよね。LINEは、ソフトバンクグループに入ったのが失敗だったんじゃないかと思ってしまうんですよね。

法林氏
 難しいところだね。

石川氏
 今回もいまいちインパクトに欠けるし、ソフトバンクに遠慮しているように見えてしまう。うまく整合性が取れていません。

石野氏
 LYPプレミアムは、かなりの割合がソフトバンク、ワイモバイルユーザーなので、今回の発表も多くの人にはメリットがないんですよね。

法林氏
 LINEヤフーとしては、ソフトバンクユーザーじゃない人に訴求したい。そのための方法論としてはわかるけど、Netflixがどのキャリアからでも入れることを考えると、もっと面白い仕組みを作らないと。

 もしかしたら、石川君が言ったみたいに、ウォッチパーティーみたいな機能がWBCのタイミングで付くかもしれないけどね。それもYouTubeのプレミア公開時のコメントとか、ニコニコ動画のコメントが流れるような仕組みになる気がするけどね。

石川氏
 それでいいじゃないですか。Netflixは大作を出すタイミングで、ウォッチパーティーみたいなことをやって、コメントで盛り上がったりしている。ただの料金プランとして出すと、他社との競争にしかならない。

法林氏
 それをどこまで作り込めるかがカギだね。

石野氏
 Netflixがどこまで対応してくれるのかという問題もありますね。

石川氏
 Netflixは口コミで広まっていると言うくらいなんだから、それくらいコミットしてほしい。そもそもプレゼンも微妙で、「コンテンツ視聴時もスマートフォンがそばにある」と言っておきながら、出てきたのはただの料金プラン。

石野氏
 前振りを活かせていない感じでしたね。

佐藤
 ちょっと肩透かしを食らってしまいましたね。

法林氏
 プレゼンの評価はやめとこうか(笑)。

フルMVNOをmineoが手掛けるわけ

佐藤
 久しぶりにMVNOの話題ですが、オプテージが提供するmineoは、2027年下期に音声フルMVNOに参入することを発表しています。KDDIの回線を使って、音声網を手掛けるとのことです。

法林氏
 東の日本通信、西のオプテージという感じだね。

石川氏
 mineoの動きを見て思うのは、MVNOも資金力がないと生き残っていけないというところ。ネットワークを借りるだけでなく、自分たちで設備を持っていないと厳しい。なので、mineo、IIJくらいしか残っていけなくなるかもしれません。

石野氏
 来年の下期に参入なので、日本通信と同じで、今回は参入表明に近いですよね。KDDIと合意して、いまからIMSの設備を置いていかないといけない。音声通話は単に交換機を持つだけでなく、いろいろなところに繋いで、チューニングをしないといけないし、法令対応も必要。難しさはありますが、オプテージはもともと固定電話もやっているので、このあたりのノウハウはあるのかなと思いました。

石川氏
 音声をやることで、メイン回線としてユーザーを獲得していきたい意気込みは見えた。大変だけどね。

石野氏
 法林さんが質疑応答で、ワイヤレス固定電話について質問していて、確かになと思いましたね。

法林氏
 絶対やると思う。2035年に固定電話が終わるという話が出ているので、顧客を巻き取っていくにしても、2030年くらいには準備ができていないといけない。ドコモの「homeでんわ」みたいに、裏側はモバイル通信で動くワイヤレス固定電話は考えているはずだし、それができるのは、オプテージのような固定電話をやっている企業になる。

石野氏
 それでいて、フルMVNOじゃないと、ユーザーを大手キャリアに持っていかれてしまう。

法林氏
 そうそう。ワイヤレス固定電話は03番号(固定電話の電話番号)をはそのまま持っていけるはずなので、オプテージはそこを狙っているはず。

石野氏
 改めて、オプテージが通信事業者であることを実感しました。

石川氏
 これだけの設備投資に至るには、そういう背景があるというわけですね。

石野氏
 あと、mineoではユーザーに優しい企業というイメージですが、総務省の有識者会議では、かなり強くキャリアを詰めていたりしますからね。

法林氏
 関西では有名だけど、かなり強く出る会社だよね。

石川氏
 それくらいじゃないと、あれだけのシェアは取れないですよ。

石野氏
 サブブランドの料金が安すぎるから、スタックテストをしろという主張を総務省にしていましたが、mineoのファンミーティングではそういう一面を一切見せない。そういう会社なので、KDDIも積極的ではないでしょうけど、応じざるを得なかったんだろうなと。

法林氏
 auのスマートバリューは、オプテージと組んでやっているもんね。もともとオプテージはKDDIと仲がいい。

石川氏
 mineoが最初にMVNOを始めたのも、KDDI回線でしたね。

法林氏
 そうだね。だから今回の話も、当然と言えば、当然のタッグ。

石野氏
 あと、KDDIのネットワークは、楽天モバイルにローミングするときに改修しているので、フルMVNOでの接続がやりやすいのではないかという意見も見かけましたね。

石川氏
 それでいうと、実質最初のフルMVNOは楽天モバイルという見方もある。

石野氏
 これを見ていると、楽天モバイルもこの形でよかったのではと思ってしまったり……。

法林氏
 いまからMVNOには戻らないでしょ(笑)。

石川氏
 判断をミスった感じはありますよね。

石野氏
 フルMVNOを盛り上げてもよかったですよね。

法林氏
 mineoはバックグラウンドがあるので、読者のみなさんも期待してくださいという感じだね。

石野氏
 ただ、本当にフルパワーを発揮できるのは、マルチキャリアを始めたときですよね。それはMVNOにしかできませんから。

石川氏
 それ、本当にできるのかな。結構な設備投資が必要だし、ドコモがいいと言っても、ソフトバンクは頷かなさそう。

石野氏
 3社はやらないんじゃないですかね。2社が限界かな。オプテージも、何年先になるかはわかりませんが、次はドコモと言っています。

法林氏
 なにはともあれ、いろいろな可能性が出てきて面白い。

石野氏
 SIMを自分で作れるようになるのは大きいですよね。iPhoneのプロファイルも作らなくてよくなるし、いろいろな手間が減るはず。

石川氏
 IIJはどうするのかな。

石野氏
 IIJは、そもそも音声にそこまで価値があるのかというスタンスですよね。

石川氏
 そうなんだけど、日本通信とmineoが仕掛けてくると、やらざるを得ないんじゃないかな。

石野氏
 ただ、日本通信が例として挙げていた、コアネットワークの交換機上で、AIをかませて翻訳をするといったサービスは、通信の秘密としては真っ黒なサービスですよね。

法林氏
 どう考えてもアウトだよね。

石川氏
 いままで音声通話で差別化できたサービスがあったかというと、意外とないですよね。フルMVNOのメリットとして、海外ローミングが挙げられていましたが、そこまで重要視している人が、どれほどいるのか。

石野氏
 パスポート取得率が17%ですからね。

法林氏
 6人に1人だからね。海外で使えるSIMもかなり安いものがどんどん出ているしね。

端末割引の規制は今後どうなる

佐藤
 総務省の有識者会議では、端末割引規制に対する話が出ていますね。

石野氏
 第1回の会議では、複雑な割引規制について、総務省も白旗を上げているというか、やりすぎちゃったという感じで話が進んでいましたが、第2回ではまさかの全キャリアが無視するという。なんのための韓国事例研究だったのかと思ってしまいました。

石川氏
 ただ、諸外国の事例を見て話し合うとのことだったので、またその話は出てくるはず。総務省としては、ルールを変えたいんだろうなという風に見えましたが、キャリアはとにかく短期解約を無くしたい。契約期間に応じたキャッシュバックは、期間拘束が含まれてしまうので、今はできない。これが解消されれば、継続利用を条件にキャッシュバックができるようになる。これが答えかな。

石野氏
 あとは、どのパターンにするのかという話ですよね。

石川氏
 パターンはもう総務省が決めるのではなく、ある程度自由にさせて、競争が生まれるようにしてほしい。

石野氏
 新規契約で、毎月1000円ずつキャッシュバックするという形だとインパクトが出ないので、1年後に1万2000円キャッシュバックに落ち着きそうな気もしますね。

石川氏
 あと、有識者会議でのツッコミどころは、楽天モバイルが「お試し割ができない」と不満を垂れていたところ。誰が言っているんだと(笑)。

石野氏
 あとは、ソフトバンクだけは、端末購入補助の端末下取り額に対する疑問を呈していました。

石川氏
 ソフトバンクは、割引は現状維持でいいとも言っていたね。甘えるなって言いたいところ。

石野氏
 ソフトバンクの資料を見ると、割引を盛りたいというよりは、残価を盛りたいんだろうなというのが伝わってきます。残価を盛れないのはユーザーの不利益になると主張しています。

 逆にドコモは残価をあまり盛りたくないので、みんな一律でいいと言い出しているので、ここはバトルになりそう。

石川氏
 そもそも、そこもルールはいらないよね。残価を盛りたければ盛ればよくて、そこも競争、差別化でしかない。

石野氏
 残価一律派に対して、ソフトバンクが資料でけん制している感じですね。まだまだトクするサポートはやりたいんだなと。

石川氏
 残価を盛ったところで、1、2年で端末を返す人がどれほどいるのかという話でもあるしね。

石野氏
 あと、有識者会議では、アンケートから違約金を1000円にした件について、KDDIが蒸し返しているのが面白かったですね。

石川氏
 当時からさんざん言われていたからね。

石野氏
 アンケートはおかしいですよね。

石川氏
 アンケートで決められたら、もうなんでもありだからね。

石野氏
 有識者の中でも、アンケートで決めたら安くなるのは当たり前という意見もありましたから。

石川氏
 当時は政府の圧力があって、なんとかテコ入れをしないといけない状況だったので、無茶苦茶なルールが通ってしまっている。

ソフトバンクがサーバーの不具合で情報漏洩

石川氏
 ソフトバンクだけど、また情報漏洩していましたね。

法林氏
 1月にMy SoftBankが動かないという前兆があった。調べていたら、すぐにメンテナンス中に切り替わったんだけど、iPhoneとAndroidで動作が違って、iPhoneではメンテナンス中と表示されなかった。

 あとから緊急メンテナンスになって、蓋を開けてみたら情報が漏れていた。

石野氏
 ユーザー情報の紐づけが付け変わっていたって、あり得ないですよね。ドコモメールの初期のころのトラブルを思い出しました。

石川氏
 令和の時代に、そんな初歩的なミスがあるのかと。

石野氏
 びっくりしましたね。ドコモの時もびっくりしましたけど、そんなことが起こるんですね。

石川氏
 総務省に怒られる案件だね。

法林氏
 これは呼び出されるだろうね。というか、こういうトラブルを起こした時には、ただ総務省に怒られるんじゃなくて、被害にあったユーザーに対するお詫びとして、返金するといったルールは作るべきだと思う。

石野氏
 PayPayポイントで1000円くらい貰えたら許しますけどね。

法林氏
 それくらいしないとだめだよ。謝って終わる状況はよくない。

石川氏
 昔ソフトバンクがやらかした時に、500円返金という前例を作ってしまったのがよくない。

石野氏
 いまは物価も上がっていますし、やっぱり1000円くらいは返さないと。

石川氏
 これこそアンケートを取ったほうがいいね(笑)。