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Netflixと同額で「LYPプレミアム」が実質無料。異例のタッグが目指すものとは
2026年1月14日 19:11
LINEヤフーとNetflixは14日、「LYPプレミアム」と「Netflix」をセットにしたサブスクリプションプラン「LYPプレミアム with Netflix」(月額890円~)を2月上旬に提供すると発表した。Netflix単独で契約する場合の月額料金と変わらず、実質無料でLYPプレミアム(通常月額650円)の特典が利用できるかたちで、シンプルながらもお得感のあるサービスに仕上げられている。
今回のプランを提供する狙いはどこにあるのか? 発表会では、LINEヤフーとNetflixそれぞれが考えている同サービスへの想いが語られた。
「LYPプレミアム with Netflix」とは
まず、「LYPプレミアム with Netflix」はどのようなものか?
月額料金は、先述の通りNetflixを個別で契約する際のものと同額に設定されている。具体的には、広告付きスタンダードが月額890円、スタンダードが月額1590円、プレミアムが月額2290円。
同サービスでは、対応するNetflixのプランに準じた動画視聴サービスが提供されるほか、LINEヤフーのLYPプレミアムの特典も利用できる。利用方法はそれぞれのサービスを個別に利用する場合と同じで、Netflixはスマートフォンアプリやテレビなど、LYPプレミアムはWebサイトやLINEアプリなど、そのままの方法で利用できる。
申込みはLINEのスマートフォンアプリからのみ行える。契約後、Netflix上でアクティベートを行うと、Netflixのアカウントと紐付けられ、サービスが利用できるようになる。なお、Netflixアカウントですでに視聴契約がある場合は、アクティベート時に同サービスの契約に切り替わるようになっているという。
なお、同サービスの提供にあわせて、LINEヤフーとNetflixのコラボレーションコンテンツの提供やキャンペーンを実施する。
コラボコンテンツ第1弾は、Netflixの人気コンテンツとLINE FRIENDSキャラクターがコラボレーションしたオリジナルLINEスタンプが配布される。「LYPプレミアム」のLINE公式アカウントに友だち追加しているユーザーは、誰でも利用できる。
また、2月上旬の提供開始にあわせて、キャンペーンを実施。LYPプレミアムとNetflixのどちらも利用したことがないユーザーが同サービスに加入すると、月額料金1カ月分に相当するPayPayポイントが進呈されるキャンペーンが実施される。
さまざまなユーザーニーズに対応する「LYPプレミアム」
LINEヤフー上級執行役員の舛田淳氏は、SNSアプリ「LINE」について、国内のアクティブユーザー数は月間9900万人で人口の約8割が利用している点に言及し「類を見ない規模まで成長できた」とコメント。リリース当初から掲げてきた「ライフプラットフォーム」に向けて近年では、LINEアプリのタブのリニューアルや生成AIとAIエージェントへの対応、LINEミニアプリの展開などを実施。これらの施策とともに次の戦略の柱として進めているのが「LYPプレミアム」だと舛田氏は語る。
LYPプレミアムの狙いを舛田氏は「LINEとユーザーとの継続的なエンゲージメントを築き、深めていくこと」と説明。LINE単独では、どの世代においても誰でも迷わず利用できる機能を標準として提供してきた一方、LYPプレミアムではユーザー個別のニーズや課題に向き合った機能を提供しているという。舛田氏は「9900万人の規模で、ユーザーニーズは一つの平均や標準では語れなくなってきている。LINEという一つのサービスでは、ユーザーのニーズや課題に十分答えられていなかった」と指摘。LYPプレミアムは、こういったユーザーのニーズや課題に向き合うための取り組みだとした。
LYPプレミアムでは、多彩なニーズに応えられるよう、さまざまな特典を提供している。特典は、SNSアプリ「LINE」の機能拡充が主な「LINE特典」と、LINEヤフーグループのさまざまなサービスで利用できる「グループ特典」、そして今回登場する「パートナーシップ特典」の3点にまとめられる。
LINE特典では、LINEアプリをよりシームレスに利用できるさまざまな特典が提供される。プレミアムバックアップやサブプロフィール、通知なしでの送信取り消し機能など機能面での拡充や、対象スタンプの使い放題特典や、会員限定フォント、LINEマンガなどコンテンツ面の特典も提供している。
グループ特典では、ECサイト「Yahoo! ショッピング」や「出前館」などでの特典や、PayPay利用時にポイントが通常よりも多く貯まる特典などを提供。また、ヤフーのサービスでもさまざまな機能が提供される。
直接ユーザーを増やしたいLINEヤフーの想い
LYPプレミアムは、単独で契約して利用するユーザーと、ソフトバンクのグループ企業が提供するさまざまなプランで利用しているユーザーがいる。たとえば、ソフトバンクの対象料金プランやワイモバイルの料金プラン「シンプル3」を契約していれば、LYPプレミアムの特典が、追加料金なしで利用できる。
これらのグループ内でLYPプレミアムが利用できる会員数は2466万人である一方、LYPプレミアムを直接契約している会員数は551万人となっている。舛田氏は、グループ会員数は「日本国内におけるメンバーシップサービスとして最大級の部分に達している」と評価する一方、「戦略的に重視しているのが直接会員」と指摘。LYPプレミアムの特典が拡充されるほど直接入会者数が増加しているとし、先述のLINEヤフーグループ特典を拡充しているという。
今回のNetflix特典は、グループの枠を超えた特典提供となる。舛田氏は「ユーザーが本当に求めているのであれば、グループ外であっても提供していくのが必要。それによりLYPプレミアムの成長につながるのではないか」と検討し、特典提供に至ったと説明する。
質疑で舛田氏は、Netflixとの取り組みを含めて「直接会員数を4桁(1000万)に持っていきたい」とコメント。具体的な目標の数字や達成時期への言及はなかったが、LYPプレミアム単体でも利益を挙げられるとし、グループ内外のクロスユースによる展開にも期待したいと話した。
Netflix側の狙い
一方、Netflix側の狙いはどのようなものだろうか?
Netflixは、現在世界190の国と地域で3億人を超えるユーザーが利用している。日本でも1000万世帯を超えており、2025年に日本でのサービス提供10周年を迎えた。
Netflixビジネスディベロップメントのシニアディレクターである下井昌人氏は、同社が大切にしてきたこととして「想像を超える物語を作ること」と「作品が届くまでをデザインすること」と説明。思わず人に話したくなるような物語を、スマートテレビやスマートフォン、ケーブルテレビや福利厚生サービスなどさまざまな接点で作品を届ける取り組みを続けていると話す。
Netflixを契約する接点としては、スマートテレビの買い替えや携帯電話の料金プランを変更するなど節目のタイミングに注目し、料金プランや視聴環境をパートナー企業とともにデザインし用意することで、これまで多くのユーザーにNetflixが選ばれてきたと下井氏は指摘する。
一方、LINEヤフーとの提携では、これらの顧客との接点以外の狙いもあると下井氏は話す。スマートフォンは、もはや多くのユーザーが保有しているデバイスの1つとなっており、スマートフォンを使ったコミュニケーションが普及している。加えて、コンテンツを視聴するきっかけのなかで、「口コミ」が多くなってきていると指摘。同社の調査でも、約4割のユーザーが「エンタメの視聴のきっかけは口コミ」と回答、約6割のユーザーが「好きな作品について話したい」と回答している。
ユーザーが評判のいい作品を視聴し、その感想をまたほかのユーザーに伝えるという、自然な会話でエンターテイメントが広がる“好循環”が作られていると指摘。幅広い年齢層で多くのユーザーが利用する「LINE」は、「Netflixの作品が語られる場所」と位置づけ、「Netflixでコンテンツを視聴し、その直後の熱量そのままに感想がLINE上で飛び交う体験を提供したい」とNetflix側の狙いを語った。
LINE VOOMやWBCとは「関係ない」
LINEアプリでは、先述の通り2025年9月にタブをリニューアルし、動画サービス「LINE VOOM」のタブが削除され、ショッピングの項目に置き換えられた(サービス自体は継続している)。また、Netflixでは2026年開催の「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC(WBC)」について、日本国内向けに独占ライブ配信が実施される。
今回のサービス提供開始との関連が想像されるが、LINEヤフーの舛田氏は「今回のパートナーシップとは関係ないもの」とコメント。さまざまなパートナーシップを検討したなか、「楽しさ」へのニーズの高さを理由にNetflixとの提携につながったとしており、提供時期については「最速のタイミングだった」と関連を否定した。
一方で、WBCについてNetflix下井氏は「国民的な出来事として、LINEで会話が盛り上がり、NetflixでのWBC視聴につながるのでは」と期待のコメントを寄せた。
また、今回のNetflixとの提携について舛田氏は「今回の提携の中核は『見て話そう』。その第一歩としてセットプランを提供するので、今回のLINEスタンプ以外にも取り組みを進めていきたい」と積極的な展開を示唆。また、Netflix以外のグループ外提携も、進めていきたいとして「カテゴリーに関わらず、ユーザーのニーズが多いサービスとのパートナーシップを今後も継続していく」とコメント。エンタメなど特定のジャンルに絞らず、「オンライン/オフラインにこだわらず拡充を検討したい」と話した。今回のNetflixとの連携は、独占的な(Exclusive)ものではないとしており、これ以外の動画系サービスとの連携も考えられる。

































