【MWC Barcelona 2026】
【MWC26】KDDIブースツアー、「街角」を舞台にAIが生活を豊かにする様子を表現
2026年3月4日 12:24
MWC Barcelona 2026に出展しているKDDI。展示ブースは「街角」を舞台とし、KDDIの通信基盤をもとに、AIの力によって生活が豊かになっていく様子を紹介している。
ブースの入り口にある2つの柱でデータセンターを表現し、中に入っていくことで、データセンターの上に成り立つ豊かな生活を体感できる。ここでは、具体的なKDDIブースの展示内容についてまとめていく。
AIエージェントによる自律型ネットワーク運用
KDDIはネットワーク運用の自動化を目指し、AIエージェントを活用した取り組みを進めている。展示では、ネットワーク障害が起きた際に、根本原因を特定する「リカバリーエージェント」と、実際の対処を行う「メンテナンスエージェント」の2つを協調させるデモが見学できる。
プライベートクラウド上のデバイス故障により、音声通話やメールなど複数サービスに同時多発的な障害が発生したというシナリオにおいて、AIは大量のアラームの中からインフラ環境やサービスの相関関係を分析し、根本原因であるリーフスイッチを特定する。
その後、ネットワークやクラウドなどの情報を束ねるエージェントが協調して復旧フローを作成し、トラフィックの切り替えによるサービスの応急復旧や、ベンダーへの機器交換手配、そして新しいハードウェアのネットワークへの組み込みまでを自動で完結させる。
根本原因を特定するAIはすでに商用運用を開始しており、2026年度を目標に復旧作業までを含めた全体フローの自動化導入を目指すとしている。
高輪ゲートウェイシティを事例としたスマートシティ
スマートシティのブースでは、データとAIを活用した都市体験の向上をテーマとし、主に以下の3つのソリューションが展示されている。
「パーソナライズド・レコメンデーション」では、ゲートウェイシティアプリとSuicaを連動させ、利用者が改札を通った際に、スマートフォンやauのデータから推測された興味・関心に基づき、最適なクーポンなどをAIが提案してくれる様子を紹介。
MWC会場では、訪れる人がSuicaを持っているわけではないため、8つのジャンルから興味のあるカードを選択し、それをタッチすることで、適した花言葉を持つ花が贈られる展示になっている。
人々の歩く速度や姿勢などの骨格データ(デモ環境では顔の表情データ)を解析し、イベント前後などの人々の感情(ワクワクしている、疲れているなど)を推測する技術も紹介された。
3DおよびBIMデータを用いて、1万人規模の避難シミュレーションをPC上で実行し、建物を建てる前のウィークポイント発見や、イベント開催時の混雑予測などに活用されている大規模群衆シミュレーションも公開されている。
リアルな対話を実現する「AIコンシェルジュ」
汎用言語モデルを活用したヒューマノイドロボットが、レストラン情報や観光スポット、交通手段の案内を行うデモを実施する。利用者の目線に合わせて自然に対応し、声のトーンや回答内容に同期して表情やジェスチャーを変化させるのが特徴。
今後はKDDI独自のデータアセットを用いたファインチューニングや、パラメーターの増加により、さらに人間らしくリアルな動きと付加価値の提供を目指すとしている。
生成AIによる商品開発支援
日本のコンビニエンスストアなどの新商品開発を、生成AI(Gemini)を活用して支援するツールも紹介されている。
作りたい商品のカテゴリーとキーワードを選ぶだけで、AIが企画案や商品の特徴、パッケージの画像などを瞬時に生成してくれる。
さらに、KDDIが保有する購買データや位置情報をもとにペルソナAIを生成し、「ハーブを加えたほうがいい」といった実態に即したフィードバックを受けることで、企画を高速かつ高精度にブラッシュアップすることができる。
自律分散型AIによるネットワーク最適化
基地局アンテナの傾き(チルト)などを調整してネットワークエリアを最適化する作業を、従来の専門家による手作業からAIへ置き換える取り組みの展示では、ゲームとして基地局の出力を調整する難しさを体験できる。
KDDIが独自開発した「自律分散型AI」は、各地域を担当する個別AIと、全体を統括するAIが協調することで、従来のAIに比べて学習時間を大幅に短縮する。
すでに商用化されてスループット改善の実績を上げており、今後は学習中の通信品質低下を防ぐため、バーチャル環境で学習を完了させてから実世界に投入する技術の導入も進められている。
自律走行モビリティの遠隔監視サービス
コネクティッドカー事業で培った運用実績とネットワーク技術を活かした、「モビリティコントロールセンター」のプロトタイプも要チェックだ。
自律走行車両内で急病人が倒れるなどの異常が発生した場合、車内カメラのAIがそれを検知して車両を安全に停止させる。その後、遠隔地のオペレーターが車内外の360度映像を確認し、マイクやスピーカーを通じて乗客と対話しながら、必要に応じて救急・消防や駆けつけの手配を行う一連のフローがデモンストレーションされている。
Starlinkとドローンによるカバーエリア拡張・災害対策
通信インフラの死角をなくすための強力なソリューションとして、衛星通信とドローンの活用も紹介。
スマートフォンと衛星を直接通信させる「Starlink Direct to Cell」で、上空が開けていれば圏外エリアでも通信が可能となる。これにより、山岳地帯などでの遭難救助(SOS発信)など、社会的意義の大きい役割が期待される。
また、日本全国に1000カ所のドローン拠点を設置し、「日本中どこでも10分以内にドローンが駆けつけられる」未来を目指す。将来的には衛星通信と連携させることで、モバイル通信の圏外エリアでもドローンを飛行させ、災害時の迅速な状況把握やレスキュー支援に役立てる構想だ。
デジタルプロダクトと経済圏モデルの海外展開
KDDIが国内で培ったデジタルサービスやビジネスモデルを、グローバルに展開する戦略も紹介されている。
povoによるオンライン特化型のブランドのノウハウを活かし、AIを用いた最適な通信プランの提案や、CRM自動化の仕組みを海外の通信事業者へ提供できる。さらに、通信IDと各種サービスを結びつける「経済圏モデル」を、通信ARPUの伸び悩みや高い解約率に直面しているアジアなどの新興国市場に展開できることをアピール。
すでにモンゴルにおいて、プリペイド市場でありながらデータ利用の大幅な拡大と解約率削減を実現した成功実績があり、このノウハウをパッケージ化して他国へ広げていく方針となっている。





























