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基地局設定の工数を95%削減、KDDI「分散型AI」でエリアを最適化する新技術とは
2026年2月18日 17:21
KDDIとKDDI総合研究所は、携帯電話基地局のパラメーター設定を、複数のAIが協力して自律的に最適化する技術を一部地域で導入した。
KDDIが推進する自律型ネットワーク基盤「AI for Network」の一環。基地局の調整には、アンテナの角度や電波強度など、約53万通りにも及ぶ膨大なパラメーターの組み合わせが存在する。従来は熟練のエンジニアが経験に基づいて手動で解析・設定を行っていたが、全国規模の最適化には多くの時間を要していた。
今回の技術では、独自の「分散型AI」がこれら膨大な組み合わせの中から高速に学習し、短時間で最適解を導き出すことができる。多数の「推論器」を各基地局に割り当て、そこから得られた成功・失敗の経験を「学習器」が集約。基地局に共通する普遍的な知識として抽出・統合し、全体に共有する「分散強化学習」で、大規模なネットワークでも高速かつ高精度な最適化を実現した。
精度は、従来のエキスパートによる調整よりも優れたスコアを記録しているという。5人のエンジニアで約2年3カ月かかる10万セルの最適化作業が、人員を増やさずに1カ月未満で終えられ、作業期間を95%以上短縮できる。
ドローンが飛び交う、上空のエリア最適化にも対応する。ユーザーやドローンからの測定情報を基にモデルを常に更新することで、その時々に合わせた最適な設定を選べる。将来的には、海外の通信事業者などへの提供も可能性としてはあるという。
先行して宮城県と愛知県の全域およそ1万2000の基地局に導入しており、混雑などで低速通信が発生しやすい場所の通信品質が約25%改善したことを確認している。今後、2026年度中に全国の基地局へ順次導入する。


