レビュー

「Galaxy Z Fold3 5G/Z Flip3 5G」クイックフォトレビュー

 サムスン電子ジャパンは、グローバルですでに発表していたフォルダブルスマートフォン「Galaxy Z Fold3 5G」「Galaxy Z Flip3 5G」の、国内向けの展開について発表した。

 両機種とも、NTTドコモとauからそれぞれ10月上旬以降に発売される。auでの価格は未定。ドコモでの価格はZ Fold3 5Gが23万7600円、Z Flip3 5Gが14万8896円。

 どちらも防水のほか、おサイフケータイをサポートする。

 本記事では、外観を中心に両機種のクイックフォトレビューをお届けする。

左がZ Flip3 5G、右がZ Fold3 5G

Z Fold3 5G

本体デザイン

 Z Fold3 5Gのサイズは、開いた状態で約158×128×6.4mm、閉じた状態で約158×67×14.4mm。重量は約272gとなっている。

 カラーはファントムブラックとファントムグリーンの2種類で、後者はauでのみ取り扱われる。

 端末の背面はサラサラとしたマット調の手触りで、指紋が目立ちにくいという印象を受けた。また、落ち着いたカラーが高級感を醸し出している。

Z Fold3 5G(ファントムブラック)

 国内版のZ Fold3 5Gは、ヒンジ部分に「Galaxy」のロゴが印字されているが、グローバル版の場合は同じ位置に「SAMSUNG」のロゴが印字されているという違いがある。

 電源ボタン兼用の指紋センサーは、端末側面に配置されている。充電は端末下部のUSB Type-C端子から行う。

ヒンジ部分
端末側面
端末上部
端末下部

ディスプレイ

 閉じた状態のZ Fold3 5Gは、約6.2インチのカバーディスプレイにより、通常のスマートフォンと同じように使用できる。

 端末を開いた時のメインディスプレイに対して“サブ”としての位置付けではあるが、120Hzの高リフレッシュレートに対応しており、なめらかな表示が実現する。

カバーディスプレイ

 そして端末を開くと、約7.6インチのメインディスプレイが現れる。タブレットを思わせるような迫力のサイズ感で、サムスン電子ジャパンの広報によれば「ビジネスユースも意識している」という。

 インカメラが画面に埋め込まれているため、ノッチやパンチホールがないことも、大きな特徴のひとつと言える。

メインディスプレイ

 これだけの大画面であれば、ひとつのアプリを開くだけではもったいない。そこでサムスンでは、複数のアプリを同時に開いて使う「マルチウィンドウ」という使い方をアピールする。

 ユーザーは任意のアプリを選んで一画面に同時表示させることができ、レイアウトも思いのまま。

 イベントの情報を調べながらカレンダーを確認したり、動画を観ながらネットショッピングを楽しんだり、幅広く活用できそうだ。

 また、開いたアプリをウィジェットのように使うポップアップ表示にも対応している。

マルチウィンドウ表示

 さらに、これまで「Galaxy Note」シリーズが対応していたスタイラスペン「Sペン」に、Z Fold3 5Gも対応した。

 フォルダブルスマートフォンをSペンに対応させるのは容易ではなく、ディスプレイとSペンの両方を改良することによって、今回の対応が実現したという。

 今回は実際にSペンを試してみて、スムーズな書き心地が印象に残った。「簡単なメモ書きはもちろん、イラスト制作などにも適している」といううたい文句もうなずける。

 アクセサリーのひとつとして、Sペン付きの専用ケース「Flip Cover with Pen」も用意されている。Z Fold3 5Gにマッチするデザインと質感で、所有欲を満たしてくれるはずだ。

専用ケース「Flip Cover with Pen」

カメラなど

 Z Fold3 5Gのアウトカメラは3眼構成で、画素数はすべて1200万画素で統一されている。望遠レンズは光学2倍ズームに対応している。

 おサイフケータイ対応は、キャッシュレス決済を多用するユーザーにとってはうれしい仕様と言える。FeliCaのマークは、アウトカメラの右ななめ下に位置している。

Galaxy Z Fold3 5Gの主なスペック
項目内容
サイズ開いた状態:約158×128×6.4mm
閉じた状態:約158×67×14.4mm
重さ約272g
チップセットQualcomm Snapdragon 888
メモリー12GB
ストレージ256GB
メインディスプレイ約7.6インチ Dynamic AMOLED有機ELディスプレイ
解像度などQXGA+(1768×2208)、HDR、120Hzリフレッシュレート
サブディスプレイ約6.2インチ Dynamic AMOLED 有機ELディスプレイ
解像度などHD+(2268×832)、120Hzリフレッシュレート
アウトカメラ広角:約1200万画素
超広角:約1200万画素
望遠:約1200万画素(光学2倍)
インカメラ約1000万画素
約400万画素
バッテリー容量4400mAh
ワイヤレス充電
BluetoothBluetooth 5.2
5G通信ミリ波/Sub-6
防水・防塵IPX8/-
ワンセグ/フルセグ-/-
おサイフケータイ
生体認証指紋、顔
本体カラーファントムブラック
ファントムグリーン

Z Flip3 5G

本体デザイン

 Z Flip3 5Gのサイズは、開いた状態で約166×72×6.9mm、閉じた状態で約86×72×15.9mm。重量は約184gとなっている。

 カラーはクリームとファントムブラックの2種類。つるっとした光沢のある仕上がりで、カバーディスプレイ部分との切り替えデザインがファッショナブルな印象を受ける。

Z Flip3 5G(クリーム)

 これまでの「Z Flip」シリーズ同様、折りたたむと手のひらに収まるようなコンパクトサイズになる。

ヒンジ部分
端末下部
端末右側面
端末左側面

 Z Flip3 5Gはターゲット層として女性も意識しており、そのコンセプトをイメージしたコーナーも用意されていた。

 ビビッドなカラーのケースを装着したり、クリアケースをステッカーで”デコったり“して、スマートフォンをファッションの一部としてコーディネートできる。

 サムスン電子ジャパンの広報によると、「日本国内におけるZ FoldやZ Flipシリーズの購入者は、30代~40代が中心。ただし、韓国では20代のユーザーも非常に多い」とのこと。

 日本の若年層へのアピールを考えると、Z Flip3 5Gのファッション性は大きな武器になりそうだ。

ディスプレイ

 端末を閉じた状態で使うカバーディスプレイの大きさは約1.9インチで、先代モデルと比べて約4倍大きくなった。

 天気や時刻などのさまざまな情報をチェックできるほか、画像やGIF動画を登録しておくことにより、カスタマイズも楽しめる。

 端末を開くと現れるメインディスプレイの大きさは、約6.7インチ。Z Fold3 5G同様、Z Flip3 5Gのメインディスプレイもマルチウィンドウ表示やポップアップ表示に対応している。

 マルチウィンドウ表示では、ディスプレイの上下を分ける形で2つのアプリを同時に表示できる。

マルチウィンドウ表示

 ポップアップ表示では、表示の透過度の調整も可能となっており、カスタマイズ性の高さが印象に残った。

ポップアップ表示(右は透過度を高めた状態)

カメラなど

 アウトカメラは2眼構成で、画素数はいずれも1200万画素。フォルダブルの特性を活かし、自撮り撮影の際に役立つプレビュー機能などが搭載されている。

 これまでの「Z Flip」シリーズのアウトカメラは横長の形状だったが、Z Flip3 5Gでは2つのレンズが独立して縦に並んでいる。

歴代の「Z Flip」シリーズとあわせて撮影

 FeliCaのマークは、端末裏面に位置する。折りたたんだ時の比類なきコンパクトさで、キャッシュレス決済とのシナジー効果は抜群と言えそうだ。

 サムスン電子ジャパンの広報は、「我々はフォルダブルスマートフォンを新たな”常識“にすべく、大衆化ということを強く意識している。その点において、(Z Fold 3 5G/Z Flip3 5Gの)防水やおサイフケータイ対応は重要な要素だった」と語る。

Galaxy Z Flip3 5Gの主なスペック
項目内容
サイズ開いた状態:約166×72×6.9mm
閉じた状態:約86×72×15.9mm
重さ約184g
チップセットQualcomm Snapdragon 888
メモリー8GB
ストレージ128GB
メインディスプレイ約6.7インチ Dynamic AMOLED 有機ELディスプレイ
解像度などFHD+(1080×2640)、HDR
サブディスプレイ約1.9インチ Super AMOLED 有機ELディスプレイ
解像度など
アウトカメラ広角:約1200万画素
超広角:約1200万画素
インカメラ約1000万画素
バッテリー容量3300mAh
ワイヤレス充電
BluetoothBluetooth 5.1
5G通信Sub-6
防水・防塵IPX8/-
ワンセグ/フルセグ-/-
おサイフケータイ
生体認証指紋、顔
本体カラークリーム
ファントムブラック

「Galaxy Watch4」シリーズと「Galaxy Buds2」

 Z Fold3 5G/Z Flip3 5Gとあわせて、スマートウォッチ「Galaxy Watch4」シリーズと「Galaxy Buds2」の国内展開も発表された。

 「Galaxy Watch4」は、グーグルとの共同開発による「Wear OS Powered by Samsung」を搭載している。BIA(体組成)測定のほか、睡眠中のいびき検出や血中酸素レベルの測定もサポートする。

Galaxy Watch4

 外装素材としてアルミニウムを採用したGalaxy Watch4に対し、上位モデルとして発売される「Galaxy Watch4 Classic」の素材はステンレススチールとなっている。

 なお、搭載OSやメモリー、ストレージは両モデルとも変わらない。

Galaxy Watch4 Classic
高級感のある仕上がり

 「Galaxy Buds2」は、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載したワイヤレスイヤホン。カラーリングは4種類で、丸いデザインが特徴となっている。

 サムスンでは、スマートフォンやウェアラブルデバイスなどの一連の製品間で、シームレスな連携を実現する「Galaxy Ecosystem」というコンセプトを打ち出している。

 今後は、フォルダブルスマートフォンも新たな”常識“としてその輪に加わり、エコシステムはさらに強力なものになりそうだ。

一連の製品で「Galaxy Ecosystem」を形成する