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KDDIとJR東日本がつくる“新たな街”「TAKANAWA GATEWAY CITY」、KDDI本社も移転へ

左:JR東日本の深澤祐二代表取締役社長、右:KDDIの髙橋誠代表取締役社長 CEO

 JR東日本が進める「品川開発プロジェクト」について、高輪ゲートウェイ駅周辺一帯を対象とする“新たな街”の名称が「TAKANAWA GATEWAY CITY」に決定した。2025年3月の“街びらき”に向け、準備が進められる。

「TAKANAWA GATEWAY CITY」1~4街区模型(1/200)
全体パース(提供:JR東日本)

 共創のパートナーとしてKDDIが参画し、同社は2025年春をめどに、本社を「TAKANAWA GATEWAY CITY」へ移転する。

 16日に開催された報道陣向けの発表会には、KDDIから代表取締役社長 CEOの髙橋誠氏、JR東日本から代表取締役社長の深澤祐二氏が登壇した。

髙橋氏
深澤氏

「TAKANAWA GATEWAY CITY」について

 アルファベット表記を用いた「TAKANAWA GATEWAY CITY」というネーミングには、国際交流拠点としての高輪を“世界のTAKANAWA”にするという思いが込められている。また、高輪ゲートウェイ駅の名称を冠することで、“エキマチ一体開発”であることも表現されている。

提供:JR東日本
駅前広場
駅前広場
高輪ゲートウェイ駅(北側)
高輪ゲートウェイ駅(南側)

 「TAKANAWA GATEWAY CITY」が目指すのは、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」の構築。KDDIを共創パートナーに迎え、街のデータ基盤を整備することで、新たなサービスの開発などに取り組んでいく。また、ゼロカーボンなど、サステナブルな街づくりが推進される。

 コンセプトとして東海道五十三次に着想を得た「53 Playable Park」は、約4ha(ヘクタール)のパブリックレルム(公共的領域)。南北約1km以上にわたって、駅や広場からなる“遊び場(Park)”が誕生するという。

全体パース(提供:JR東日本)

 高輪ゲートウェイ駅における南改札の設置に加え、複数の店舗の開業も予定されている。また、「複合棟I North」の28~29階には、約2000坪のボタニカル・ルーフトップ空間が設置される。

提供:JR東日本
ボタニカル・ルーフトップ
ビオトープ

 そのほか、「複合棟I North」には「環境生命科学ラボ(仮称)」などが設けられ、スタートアップ企業などとのパートナーシップにより、さまざまな社会課題の解決に向けた取り組みが進められる。

KDDIは本社を移転、デジタルツインの取り組みも

 KDDIは、2025年春をめどに、「TAKANAWA GATEWAY CITY」の「複合棟I North」へ本社を移転する。

 目的は、さまざまな社会課題を解決する「分散型スマートシティ」の実現を、同社自身が実践し加速させるため。新本社のコンセプトは「つなぐチカラを進化させ、ワクワクする未来を発信し続けるConnectable City」となっている。

 KDDIとJR東日本は、2020年12月、分散型まちづくり「空間自在プロジェクト」に関する基本合意書を締結していた。

 両社は「TAKANAWA GATEWAY CITY」において、“現実そっくりの空間”を仮想空間上に再現する「デジタルツイン」を活用する。あわせて、街のデータを収集・分析するデータ基盤「都市OS」も活用し、快適な生活を実現するためのサービス開発や、災害対策の強化などを図っていく。