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KDDIが「CO2排出量実質ゼロ基地局」運用開始、カーボンニュートラルの取り組み加速
2023年6月9日 17:51
「サステナブル基地局」について
太陽光発電で自律的に電源を確保する「サステナブル基地局」は、晴天の日中であれば、1局の基地局運用に必要な電力すべてを供給できるという。
また、太陽光発電ができない夜間や悪天候時には、CO2排出量実質ゼロを特徴とした、auエネルギー&ライフの「カーボンフリープラン」による電力供給に自動で切り替わる。これにより、24時間365日、CO2排出量実質ゼロを実現するしくみ。
KDDIでは、電力などのエネルギー消費を通じて年間約100万トンのCO2を排出しており、これは一般家庭の約40万世帯分に相当する。そのうち98%は、携帯電話基地局やデータセンターなどで使用する電気に起因し、今後は5Gの普及や通信量の増大によって、さらなる増加が想定される。
KDDIは、深夜帯に基地局を一部スリープすることなどにより、通信設備におけるカーボンニュートラルを目指して取り組んできた。今回の「サステナブル基地局」の運用および拡大によって、その取り組みを加速させる。
「TNFDレポート」の公開も
また、自然資本や生物多様性に関するKDDIの考え方を示すものとして、「TNFDレポート」が公開された。自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)の情報開示フレームワークに沿っており、国内通信事業者による公開としては初めてになるという。
同社ではたとえば、海底ケーブルの敷設において、サンゴ礁を避けたルート設計や、ウミガメの産卵期を避けた施工を実施している。
KDDI サステナビリティ経営推進本部長の山下和保氏は、「通信を軸とした“つなぐチカラ”を進化させ、事業を通じて社会の持続的な成長に貢献していく」と語った。