ニュース

KDDIが「CO2排出量実質ゼロ基地局」運用開始、カーボンニュートラルの取り組み加速

「サステナブル基地局」

 KDDIとauエネルギー&ライフは9日、CO2(二酸化炭素)排出量実質ゼロの「サステナブル基地局」の運用を開始したことを発表した。5月31日から運用が始まっている。

「サステナブル基地局」について

 太陽光発電で自律的に電源を確保する「サステナブル基地局」は、晴天の日中であれば、1局の基地局運用に必要な電力すべてを供給できるという。

 また、太陽光発電ができない夜間や悪天候時には、CO2排出量実質ゼロを特徴とした、auエネルギー&ライフの「カーボンフリープラン」による電力供給に自動で切り替わる。これにより、24時間365日、CO2排出量実質ゼロを実現するしくみ。

 KDDIでは、電力などのエネルギー消費を通じて年間約100万トンのCO2を排出しており、これは一般家庭の約40万世帯分に相当する。そのうち98%は、携帯電話基地局やデータセンターなどで使用する電気に起因し、今後は5Gの普及や通信量の増大によって、さらなる増加が想定される。

 KDDIは、深夜帯に基地局を一部スリープすることなどにより、通信設備におけるカーボンニュートラルを目指して取り組んできた。今回の「サステナブル基地局」の運用および拡大によって、その取り組みを加速させる。

「TNFDレポート」の公開も

 また、自然資本や生物多様性に関するKDDIの考え方を示すものとして、「TNFDレポート」が公開された。自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)の情報開示フレームワークに沿っており、国内通信事業者による公開としては初めてになるという。

 同社ではたとえば、海底ケーブルの敷設において、サンゴ礁を避けたルート設計や、ウミガメの産卵期を避けた施工を実施している。

 KDDI サステナビリティ経営推進本部長の山下和保氏は、「通信を軸とした“つなぐチカラ”を進化させ、事業を通じて社会の持続的な成長に貢献していく」と語った。