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KDDI高橋社長「プラチナバンド、楽天さんは少し言いすぎなところもある」

KDDI高橋誠社長

 KDDIの高橋誠代表取締役社長は、2日に実施された決算説明会の質疑応答で、「プラチナバンド」と呼ばれる周波数帯の再割り当てについてコメントした。

1年以内の利用開始は「不可能」

 質疑応答では、「楽天モバイルが強気な姿勢でプラチナバンドの再割り当てを求めている。これについての考えは」という質問があった。

 質問に対し高橋氏は、「有効利用中の周波数をほかの事業者に再割り当てする場合は、慎重な議論が必要だと申し上げてきた通り」とコメント。続けて、「楽天さんは強気に『フィルターはいらない』とか『費用は負担しない』と言っているが、ちょっと言い過ぎなところもあるのではと思う」と語った。

 楽天モバイルは、1年以内のプラチナバンドの利用開始を主張しているが、「さすがに不可能だと思う」と高橋氏。KDDIだけでなく、NTTドコモやソフトバンクもプラチナバンドを利用していることを強調した。

 そのうえで、「実際にプラチナバンドを取得すると、投資額もかかる。経営基盤なども考慮しながら、最終的に総務省さんが判断されると思う」と語った。

ローミングに対する考えは

 続けて高橋氏は、楽天モバイルに提供しているローミングについて言及。自社エリアをゼロから構築する楽天モバイルは、全国で利用できるよう、KDDIと提携し、楽天ユーザーが利用できるようにしている。

 高橋氏は、「我々からすると、エリア拡大はどちらかというと非競争領域。うまく我々のほうをお使いになると非常にいいのかなと思う」とコメント。

 続けて、「これからはキャリア全社が一緒にネットワークを作っていく時代。上の競争レイヤーではしっかり競争し、競争レイヤーにならないところは協力して設備を作っていくのもひとつの解だと思う。(楽天モバイルに対し)もう少し柔軟に構えられればいいのにと思うことはある」と語った。

 この発言を受けた「ローミング料を値引きする考えはあるのか」という質問に対して、高橋氏は「あまり軽はずみな発言はしないようにする」と明言を避けた。