ニュース

ドコモ井伊社長、楽天モバイル求めるプラチナバンド再割当てに「本当に5年で実現できるかが次の課題」

 NTTドコモの井伊基之代表取締役社長は、8日の決算説明会の席上で、同日午後に公表された周波数の再割当て方針案について、今後の課題を語った。

ドコモ井伊社長

周波数の再割当てとは

 周波数の再割当ては、これまで利用されている携帯電話用の周波数(電波)を、あらためて別の企業へ割り当てる制度。現在、総務省による有識者会合で議論が進められている。

 そのなかで、楽天モバイルは、携帯電話向けとして届きやすいとされる「プラチナバンド」(700~900MHz帯を指す業界用語)について、現在、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクで活用されているものから、一部を抜き出して「第4の携帯電話事業者」である楽天モバイルへ割り当てるよう求めている。

 8日午後には、有識者会合による再割り当て方針案が公表され、既存事業者は5年程度で再割当先に周波数を渡せるようにすることや、その際の移行費用としてレピーター(中継機)の交換は既存企業の負担が原則となることなどが示されている。

井伊社長「現実としてできるかが課題」

 まだ正式な方針案として、総務省から発表されてはいないが、井伊社長は「その情報は、今、初めて知りました。答えは準備していないが、事業者がどう対応するかが今後の課題」と語る。

 既存事業者に厳しく楽天寄りの案ではないか、不満はないか? と重ねて問われると、「ドコモとしては、(現在使っている周波数を他社に渡すには)10年かかり、経費も受益者負担(今回の場合は楽天モバイル)でお願いしたいと申し上げてきました。不満という感情的な問題ではなく、現実にできるかが次の課題。実現可能な方法をお互い探していく作業がこれからも続くと受け止めている」と述べた。