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「プラチナバンド再割当て」の費用負担は? 総務省が報告書で考えを示す

 総務省は、「携帯電話用周波数の再割当てに係る円滑な移行に関するタスクフォース(第15回)」について、報告書案の概要を公開した。“プラチナバンドの再割当て”に関して、基本的な考え方などが示されている。

 「携帯電話用周波数の再割当てに係る円滑な移行に関するタスクフォース(第15回)」は8日13時から開催され、報告書案などに基づいて意見交換が行われる。

“プラチナバンドの再割当て”とは

 4Gサービスでは1.7GHz帯だけでサービスエリアを構築する楽天モバイルは、電波がより届きやすいとされるプラチナバンド(700~900MHz帯を指す国内通信事業者の業界用語)の割当を求めている。

 総務省では、すでに携帯大手三社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)に割り当てられている周波数帯の再割当てについて、議論が進められている。

移行期間について

 今回、電波の再割当て(今使っている会社から別会社へ移すこと)の移行期間について、基本的な考えとして「標準的な移行期間は5年間」であることが示された。電波法の免許の有効期間が5年間であり、再免許が保障されていないことが根拠とされている。

 また、プラチナバンドの再割当てにあたっては、電波法に対応するため、携帯三社で「レピーター」と呼ばれる中継装置の交換が必要となる。報告書案では、レピーター交換に要する作業期間を踏まえて、移行期間を設定する必要があるという考えが示された。

移行費用について

 楽天モバイルは、プラチナバンドの再割当てによって生じる移行費用について、携帯三社が負担すべきであると主張している。

 今回の報告書案では、移行費用の負担に関する基本的な考え方が示された。無線局免許の有効期間の満了日以降の日が周波数の使用期限として設定された場合は、既存企業の負担で電波の使用を停止することが再割当制度で定められている。

 また、プラチナバンドにおける移行費用の負担についても、基本的な考え方が示されている。

 レピーターの交換費用は、既存企業の負担が原則となっているが、新規割当の会社の希望により、既存企業が移行計画外の工事をする場合、新規割当の会社が費用を負担することが適当とされる。

 既存企業にとってのプラチナバンドがなくなり、別の周波数帯の基地局を増強する必要が出た場合、その費用は既存企業(もともとプラチナバンドを使っていた側)が負担する。

 基地局の受信フィルタについては、既存企業の負担が原則という考えが示されている。