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ソニーから「穴が空いた」フルワイヤレスイヤホン「LinkBuds」――外の音が聞こえる新感覚の音楽体験
2022年2月16日 10:03
ソニーは、フルワイヤレスイヤホン「LinkBuds」(WF-L900)を2月25日に発売する。価格は、2万3000円前後。
ドライバーユニットがある部分がドーナツ型になっているのが特徴的で、外の音が聞こえる「開放型」に近い性能となっている。
耳を塞がない「ながら聴き」需要に応えたイヤホン
音楽ストリーミング市場が拡大していく中、高音質化や立体音響配信などが開始されており、これらの配信サービスを利用するユーザーが年々増加している。そうした中、ソニーの調査によれば、テレワークやオンライン授業でのヘッドホン使用など、完全ワイヤレスイヤホンを電車など外出先だけではなく、自宅で利用する機会が増加してきている。
これに加え、「完全ワイヤレスイヤホン購入者/購入意向者」に向けてソニーが調査したところ、25歳以下のZ世代ユーザーが配信サービスを利用する理由について「ながら聴き」を挙げたユーザーが多かったという。
同社では、「音」への接触機会がながら聴きなどでさらに長く傾向にあると分析し、オフラインの音、オンラインの音を問わずあらゆる人やコンテンツにつねに「Link(つながる)」イヤホンとして、「LinkBuds」を開発した。
「ながら聴き」を実現する製品として、他社で骨伝導タイプのヘッドホンも存在するが、今回の「LinkBuds」ではリング型ドライバーユニットを採用。過去には、似た形状の「Xperia Ear Duo」もあったが、今回の「LinkBuds」とは関連がないという。
12mmのリング型ドライバーユニットを採用
「LinkBuds」本体は、円形が2つ合わさったような独特の形状で、実際に音が出る部分は、ドーナツ型の穴が空いている部分。このドーナツ型の方を外耳に合わせて装着する格好となる。
ドライバーユニットは、振動板の中心が開放されている12mmリング型ドライバーユニットを採用した。前述の通り、中央部が開放されているため、イヤホン独特の圧迫感がなく、装着したままでも周囲の音がはっきりと聞こえる。
本体の大きさは、ソニーの完全ワイヤレスイヤホン史上最小最軽量をうたっており、「WF-1000XM4」と比べてで大きさは51%小型化され、充電ケースも26%小型化されている。
高音質を実現するプロセッサーや機能
「LinkBuds」では、統合プロセッサー「V1」が採用されており、圧縮音源をクリアに再現するDSEE(Digital Sound Enhancement Engine)を備えている。
また、内蔵のマイクは、AI技術を活用した高精度の「ボイスピックアップテクノロジー」を搭載しており、AIが環境ノイズを除去して声だけを相手に届けることができるという。
基本性能としては、左右同時伝送方式で接続安定性の向上や遅延の低減などが図られているほか、IPX4相当の防滴性能をサポートしている。
このほか、イヤホン本体とそのまわりを触ることでプレイヤーアプリの操作などができる「ワイドエリアタップ」機能や、スマートフォンを触らなくても配信アプリ「Spotify」の楽曲再生などコントロールできる「QuickAccess(クイックアクセス)」機能を搭載している。
最新のオーディオ体験
「LinkBuds」では、このほかにも全方位に音が広がる音楽体験ができる「360 Reality Audio」や、米マイクロソフトの3Dオーディオマップアプリ「Microsoft Soundscape」と連携し、イヤホン本体に内蔵されたコンパスやジャイロセンサーを活用し、頭の向きを認識できる機能を搭載している。
また、立体音響やユーザーの位置情報などを連動させた新感覚の音響体験ができるSound AR「Locatone」をサポートする。
位置情報に連動して自動で音声や音楽が再生されるアプリで、「LinkBuds」ではヘッドトラッキング機能に対応し、ユーザーが向きを変えるとそれに連動して音源が変化するなど、より臨場感ある立体音響体験が楽しめる。