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ソニー、フルワイヤレスイヤホン「WF-1000X M5」を9月発売――新型ドライバーで世界最高ノイキャン+軽量小型化

 ソニーは、フルワイヤレスイヤホン「1000X」シリーズの最新機種「WF-1000X M5」を9月1日に発売する。価格は4万2000円前後。

 ソニーのフルワイヤレスイヤホンのなかでも高い性能を誇る「1000X」シリーズで、世界最高をうたうノイズキャンセリング性能や、先代モデル(WF-1000X M4)の性能を引き継ぎつつ小型化され、デザインにも改良が加えられた製品に仕上がっている。

 イヤホン片耳の重さは約5.9gで、先代モデル(約7.3g)から約1.4gの軽量化を実現している(同じソニーの「LinkBuds S」は約4.8g)。イヤホンケースも小型化が図られており、ズボンのポケットなどにも収まりが良いように改良されている。

 主な特徴として、「世界最高のノイズキャンセリング性能」や「新ドライバーユニットの採用」、「デザイン変更による装着感向上」、「OSを選ばないマルチポイント接続」などが挙げられる。

 同社によれば、これらは先代モデル「WF-1000X M3/M4」ユーザーのアンケート結果をヒントにしたものだといい、他社に負けないノイズキャンセリング性能や耳の小さいユーザーにも装着しやすい改良や、発売時からマルチポイント接続をサポートする点など、ユーザーの声があったものも多いとしている。

世界最高のノイズキャンセリング性能

2つのプロセッサーを搭載

 フルワイヤレスイヤホン市場において、電子情報技術産業協会(JEIHA)基準による測定のもと“世界最高”をうたうノイズキャンセリング性能を実現。先代モデルから20%ノイズ低減効果が期待できるという。

 性能向上にあたっては、ノイズキャンセリング用マイクを従来の4つから6つに増量し、統合プロセッサーV2に加え、ノイズキャンセリングプロセッサー「QN2e」を搭載し、複数マイクの正確な制御を行うことで、ノイズキャンセリング性能の向上が図られている。

 また、後述の新ドライバーユニットの採用により低域の再現性が強化されたことで低域のノイズキャンセリング性能が強化されていたり、新イヤーピースの採用で装着性が向上されていたりする。

8.4mm薄型のドライバーユニット

 ドライバーユニットは、独自開発の8.4mm新ドライバーユニット「ダイナミックドライバーX」を採用している。先代モデルは6mmのものを採用していたが、これと比較して今回は、口径が大きく非常に薄くなったかたち。

 さらに、ドーム部(中央)とエッジ部(端)で異なる素材を採用しており、ドーム部では高剛性ある素材で伸びのある高音域、エッジ部では柔らかい素材で低音域の再現性がより強化されている。

新しいダイナミックドライバー
右が先代モデル、左が今回モデルのドライバー。口径が大きく、厚さが薄くなっている

 実際に先代モデルと聞き比べてみると、ドライバーユニットの影響と断言できないがかなりの音質の違いがわかる。検討する際は、是非一度店頭などで試聴されることをすすめたい。

刷新されたデザイン

 本体のデザインが、先代モデルから改良されている。全体的に小型化されているほか、丸みを帯びたシームレスなデザインを採用しており、機能性や装着性の向上が図られている。

 小型化されたことにより、耳へのおさまりがよく、耳が小さいユーザーでも安定した装着性が期待できる。丸みを帯びたデザインも、装着性の向上に寄与しているほか、マイク部のデザインの変更は、風ノイズ軽減が図られているとしている。

 また、イヤーピースにも改良が加えられているほか、新たにSSサイズを用意しており、さまざまな形状の耳にフィットするよう手が加えられている。

SS、S、L、Mの4種類のイヤーピースが同梱されている(1つはイヤホンに装着済)
イヤーチップは単品でも提供される

 先代モデルと比較すると、イヤホン本体の重さは約20%減少、体積は約25%のスリム化に成功している。

 また、充電ケースの重さは約41g→39gと約5%の軽量化、体積は約15%のスリム化を実現している。

充電ケース。今回モデル(左)のほうが、先代モデル(右)より薄くなっている

マルチポイント接続

 「WF-1000X M5」では、発売時からマルチポイント接続をサポートしている。

 マルチポイント接続は、スマートフォンとパソコンといった複数のデバイスと同時に接続状態にさせておける機能で、たとえばパソコンで動画鑑賞中にスマートフォンに着信があれば、接続しなおす必要なくスマートフォンで通話できる。

 同機では、AndroidスマートフォンとWindowsパソコンや、iPhoneとWindows、iPhoneとAndroidといった異なるOS同時のデバイスのマルチポイント接続をサポートしている。

 同社によると、仕事でもプライベートと同じワイヤレスイヤホンを利用するユーザーが一定数存在するといい、異なるOSでのマルチポイント接続機能は、ビジネスアイテムとしての需要にも応えられるとしている。

通話品質も進化

 「WF-1000X M5」では、音声通話体験も強化されている。

 AIによる高精度ボイスアップテクノロジーを搭載しており、5億を超えるサンプルの機械学習により、ユーザーの声と環境ノイズを分離し、ノイズを低減させられる。

 また、ユーザー自身の声が骨を伝わり耳まで届く音をセンシングする骨伝導センサーや、風ノイズを軽減させるマイク形状など改良が加えられている。

バッテリーなど基本機能も強化

 「WF-1000X M5」の連続再生時間は、ノイズキャンセリングオフで最大12時間、オンで最大8時間、連続通話時間はそれぞれ最大7時間と6時間。連続再生時間は、先代モデルと変わらないが、「性能を維持しながら小型化を実現している」としている。

 防滴性能はIPX4、充電ケースはワイヤレス充電をサポート。形見未使用や低遅延が期待できるBluetooth LE Audio、行動にあわせて自動再生できるAuto Play機能、顔のうなずきや横に振る動作で電話を取るなど操作できるヘッドジェスチャー機能、Android端末複数台と接続できる「Audio Switch」機能を備えている。

 サウンド面では、ユーザーが複数のイコライザーから直感的に音質を選択していくことで好みのイコライザーを直感的に設定できるウィザード式のイコライザー設定機能「ファインド・ユア・イコライザー」を搭載。

「ファインド・ユア・イコライザー」では、ウィザード形式でユーザー好みのイコライザーに調整できる。画面上の数字を選択すると、それぞれ異なる音質に調整されたイコライザーで再生され、選択していくことでユーザーの好みに近づけていく。調整中に再生する音源は、プレイヤーなどから任意の音源で調整できる

 また、「360 Reality Audio」機能では、個人最適化がアップデートされたり、対応スマートフォンでサラウンド体験ができるヘッドトラッキング機能が利用できる。

 対応コーデックは、AACとSBC、LDAC、LC3をサポートしている。

 本体カラーは、ブラックとプラチナシルバーをラインアップする。

ブラック
プラチナシルバー

Xperiaスマートフォンとの連携

 ソニーによると、同社のAndroidスマートフォン「Xperia」シリーズと一緒に利用することで、音質面や電池持ちの面でメリットがあるとしている。

 たとえば、「Xperia 1 V」などに搭載されているアップスケーリング機能「DSEE Ultimate」では、サブスクリプションなどのローレゾ音源を“Xperia内”でハイレゾ級音源に変換しイヤホンで楽しめる。

 「WF-1000X M5」にもアップスケーリング機能「DSEE Extreme」が搭載されているが、DSEE Extremeでは周波数軸の拡張を行うのに対し、Ultimateでは周波数軸に加えビット深度の拡張も行うため、Xperia側で行うUltimateの方がより高い音質が楽しめるという。

 また、Xperia側でAI処理を行うため、イヤホン側の電池持ちを良くできるともアピールしている。