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ソニーから「LinkBuds S」6月3日発売――常時装着想定のハイレゾ/ノイキャン対応モデル
2022年5月19日 10:02
ソニーは、フルワイヤレスイヤホン「LinkBuds S WF-LS900N」を6月3日に発売する。市場想定価格は2万6000円。
2月に発表された「LinkBuds」のコンセプトである「着けていること忘れる完全ワイヤレス」はそのままに、ノイズキャンセリング機能やハイレゾ対応などの機能を充実させた製品。製品に大きな穴は空いていない。
主な特徴
「LinkBuds」の後継機というよりは兄弟機に近い印象を受ける今回の「LinkBuds S」は、「世界最小クラスの本体設計」「高性能ノイズキャンセリング機能」「ハイレゾ対応」「新しい音体験やAI機能」を備えている。
世界最小クラスの本体設計
イヤホン本体の重さは4.8gと軽量で、世界最小最軽量クラスのハイレゾ対応フルワイヤレスイヤホンとうたっている。
また、長時間使用しても疲れにくく落としにくい「高い装着性」を備えている。耳にすっぽりと収められることで、耳から飛び出す部分を少なくし、安定性の向上が図られている。
イヤホン本体は、なめらかで丸みのあるフォルムが採用されている。また、充電ケースはコンパクトなサイズ感が感じられながらも、自立できイヤホン本体も取り出しやすく考慮されている。
高性能ノイズキャンセリング機能
先に誕生した「LinkBuds」では、外音取り込みと常時装着体験を実現すべく、イヤホン本体に大きな開口部を設けた斬新なデザインを採用していた。今回の「LinkBuds S」では、大きな開口部は設けられず、一般的なフルワイヤレスイヤホンの形状に近いデザインとなっている。
担当者によると「ノイズキャンセリング機能がほしい」というユーザーの声があったといい、「LinkBuds」のコンセプトを継承しつつもノイズキャンセリング機能を実現すべく「自然な外音取り込み機能」を備え、周囲の音をコントロールできるようにしたという。
「自然な外音取り込み機能」は、外音の取り込み量を増やし、環境音の音をよりクリアにチューニングされている。イヤホンを外さなくても自然に会話や周囲の音を取り込める。
「ノイズキャンセリング」機能は、フラッグシップモデルのフルワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」と同じ統合プロセッサーV1を搭載し、フラッグシップモデルと同等レベルの性能を誇る。
また、両機能では風切り音低減構造を備えており、風によるノイズの低減を図っている。
イヤホンの「外音取り込み」と「ノイズキャンセリング」機能は、イヤホン本体を1タップするだけで簡単に切り替えができる。また、ユーザーの場所や行動に連動して、外音取り込み/ノイズキャンセリング機能や、イコライザー設定を自動で切り替える「アダプティブサウンドコントロール」機能が利用できる。場所や行動による設定切り替えは、ユーザー自身でスマートフォンアプリから設定できる。
ハイレゾ対応/通話品質の向上
今回の「LinkBuds S」には、新開発した5mmの小型ドライバーが搭載されており、小型ながら豊かな低音を再現しているという。
また、前述のとおり「WF-1000XM4」と同じ統合プロセッサーV1が搭載されており、ポータブル向けして高いS/N比と低歪な特性を持つD/A変換回路やヘッドホンアンプを活用し、クリアで高音質なサウンドが再現されている。
音源については、ハイレゾ音源に対応するコーデック「LDAC」に対応している。ハイレゾレベルではない音源も、アップスケーリングする「DSEE Extreme」機能を搭載しており、さまざまな音源を高音質で再生できる。
一方通話性能では、AI技術により高精度で声を拾えるようになり、従来モデルを上回る通話品質を実現している。
たとえば、機械学習によりユーザーの声とそれ以外の環境ノイズを分離するフィルターアルゴリズムを生み出しているほか、ヘッドホン内外のマイクを制御し、ユーザーが話す音声の明瞭度の向上が図られている。
新しい音体験やAI機能
センシングを利用した新しい音体験として、スマートフォンを触らずに行動の変化で音楽が再生される「Auto Play」とSound ARによる音響体験「Locatone」に対応している。
「Auto Play」は、ユーザーが「イヤホンを装着する」「通話が終わる」「歩き出す」などユーザーの行動をトリガーとして、「Spotify」などの対応音楽配信サービスから音楽を再生する機能。このほかにも、通知を読み上げる機能なども搭載されている。
「Locatone」は、ヘッドトラッキング機能などにより、音声コンテンツの世界に入り込んだかのような音響体験ができるサービス。たとえば、コンテンツを再生中にユーザーが顔の向きを変えたり、歩き出して位置が変化したりした場合、通常のイヤホンであれば空間がそのまま動くが、「Locatone」対応イヤホンであれば、ユーザーの動きに合わせて音源が動き「空間が固定された」現実世界に近い体験ができる。
このほか、音楽配信サービス「Spotify」や「Endel」の再生やプレイリスト切り替えをイヤホン本体の操作だけで実現する「Quick Access」機能や、音楽を再生中にユーザーが発話すると音楽を一時停止する「スピーク・トゥ・チャット」機能の向上が図られている。
主な仕様
「LinkBuds S」にはこのほか、ノイズキャンセリング機能利用時でも本体だけで最大6時間、充電ケース併用で最大20時間のバッテリー性能や、IPX4相当の防滴性能、声による音声アシスタント機能を備える。また、超低遅延でワイヤレスサウンドを実現する「Bluetooth LE Audio」も今後のアップデートで対応予定だとしている。
- 型名
- LinkBuds S「WF-LS900N」
- 市場想定価格
- 2万6000円
- 発売日
- 6月3日
- 型式
- 密閉ダイナミック型
- ドライバーユニット
- 5mm
- 連続音楽再生時間
- 最大約20時間
- 対応コーデック
- AAC、SBC、LDAC
- 防滴性能
- IPX4
- カラー
- ホワイト、ブラック、エクリュ
- 付属品
- イヤーピース(SS/S/M/LL各ペア)、充電ケース、USB Type-C to USB-Aケーブル、保証書
なお、本体とケースの外装には、工場で回収した樹脂を使用した再生プラスチックが利用されているほか、包装にプラスチックを一切使用していないパッケージを採用している。
また、ソニーストアの紛失補償サービス「紛失あんしんサービス」が利用できる。サービス加入料は1年間で1100円、2年間で1650円で、期間中の紛失などを少ない修理費用でカバーできる。