ニュース

グーグル、「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」を発表

 グーグルは、同社のAndroidスマートフォンの最新モデルとして「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」を発表した。直販サイトのほか、Pixel 6はKDDIとソフトバンクから、Pixel 6 Proはソフトバンクから発売される。

 価格はPixel 6が7万4800円~、Pixel 6 Proが11万6000円~。直販サイトでの予約受付はすでに始まっており、28日に発売される。

主なスペック

 Pixel 6とPixel 6 Proは、「モバイル端末としての完璧な体験」を目指したグーグルが打ち出すAndroidスマートフォン。

 両機種とも、後述するグーグル独自開発のチップセット「Tensor」を搭載する。また、日本で販売される端末に関してはいずれもおサイフケータイに対応している。

Pixel 6

 Pixel 6は、6.4インチのOLEDディスプレイ(FHD+)を搭載する。

 ディスプレイは最大90Hzのリフレッシュレートをサポートする。また、素材としてコーニングの「Gorilla Glass Victus」を採用し、過去のPixelシリーズと比べて2倍の耐衝撃性を誇る。

 背面にはデュアルカメラとして、5000万画素のメインカメラと1200万画素の超広角カメラを搭載している。

 メモリーは8GB、ストレージは128GBまたは256GB。このうち、KDDIが販売するのはストレージが128GBのモデルのみとなる。

 バッテリー容量は4614mAhで、本体の重量は207g。5GはSub 6に対応する。生体認証は、ディスプレイ内指紋認証をサポートする。

 カラーは、ストーミーブラック、ソータシーフォーム、カインダコーラルの3種類。

Pixel 6 Pro

 Pixel 6 Proは、6.7インチのOLEDディスプレイ(QHD+)を搭載する。

 ディスプレイは最大120Hzのリフレッシュレートをサポートしており、電力をセーブしたいときは10Hzまで落とすことも可能。Pixel 6同様、素材には耐衝撃性に優れたコーニングの「Gorilla Glass Victus」を採用した。

 背面にはトリプルカメラとして、5000万画素のメインカメラ、1200万画素の超広角カメラ、4800万画素の望遠カメラを搭載している。また、4倍の光学ズームに対応する。

 メモリーは12GB、ストレージは128GBまたは256GB。バッテリー容量は5003mAhで、重量は210g。

 5GはSub 6とミリ波に対応しており、発売時はKDDIとソフトバンクのネットワークのみサポートする。ほかの事業者のネットワークに関しては、OTAアップデートを通じて対応予定。

 生体認証は、Pixel 6と同じくディスプレイ内指紋認証をサポートする。

 「ジュエリーや腕時計からのインスピレーション」を受けたとされるデザインの本体は、メタルユニボディとなっている。カラーは、ストーミーブラック、クラウディホワイト、ソータサニーの3種類。

カメラ

 Pixel 6とPixel 6 Proは、背面に「カメラバー」と呼ばれるユニークなかたちのアウトカメラを備える。このデザインは、Pixelシリーズの大きな特徴であるカメラを全面に押し出すためのものとなっている。

 メインカメラのセンサーサイズはともに1/1.31インチ。隣接する画素をセンサー上で組み合わせることにより、2.45μmのピクセルサイズが実現する。

 また、メインセンサーに取り込む光量がPixel 5との比較で150%アップし、よりディテールに優れた写真撮影が可能になった。

 Pixel 6 Proは光学4倍ズーム対応の望遠カメラを備えているが、プリズムが光を90度折り曲げる「Folded Optics」という技術の採用により、カメラ部分の厚さを抑えて本体に収めることに成功した。

「リアルトーン」

 Pixel 6とPixel 6 Proのカメラは、「リアルトーン」と呼ばれる機能により、人物の肌の色を正確に表現する。

 同機能の開発にあたってグーグルは写真や映像の専門家と連携し、膨大なポートレート写真を撮影してイメージデータセットに組み込んだ。

 同社が実施したブラインドテストでは、15名の専門家によって「(上位機種のスマートフォンの中で)Pixel 6が最もうまく肌の色やディテールを再現できている」と評価されたという。

「消しゴムマジック」

 「消しゴムマジック」は、写真を撮影した際に背景に写った不要なものを、簡単な操作で削除できる機能。

 同機能は「Google フォト」の機能として提供され、機能のリリース時にはPixel 6シリーズでのみ利用できる。将来的には、Pixel 3以降の旧モデルでも利用可能になる見込み。

「モーションモード」

 「モーションモード」は、機械学習などの力を借りることで、”プロのような“仕上がりの写真の撮影が可能になるモード。

 たとえば雰囲気のあるボケを追加したり、躍動感のある動きの写真を撮ったりできる。また、長時間の露光設定も可能になり、夜間の撮影などに役立つ。

 旧モデルへの展開も見込まれる先述の「消しゴムマジック」とは異なり、「モーションモード」に関してはPixel 6シリーズのみで利用できる。

独自開発チップセット「Tensor」

 Pixel 6とPixel 6 Proは、グーグルが「最も大きなハードウェアとしてのイノベーション」とする独自開発のチップセット「Tensor」を搭載している。パフォーマンスはPixel 5との比較で最大80%アップした。

 「Tensor」のCPUは、Cortex-X1(2.8GHz)×2、Cortex-A76(2.25GHz)×2、Cortex-A55(1.8GHz)×4のオクタコア構成。GPUには、20コアの「Mali-G78」を採用した。また、プロセスノードはサムスンの「5LPE」となっている。

 グーグルは「Tensor」の開発にあたり、同社が何年にもわたって培ってきたAIなどの知見を注ぎ込んだ。同チップセットの開発はPixel 3が市場で提供されているころから始まり、AIの研究者とともに、グーグルの機械学習に対して最適化できるようデザインしたという。

 「Tensor」はコンテキストハブなどの活用によって消費電力を抑えることに成功し、省電力性に優れる。また、Pixel 6シリーズのより高度な画像処理(コンピュテーショナルフォトグラフィー)の実現にも、この「Tensor」が寄与している。

 なお、グーグルの担当者は「Tensorに関して、既存のAndroidアプリやゲームとの互換性にも問題はない」としている。

 また、セキュリティコアが組み込まれているのも「Tensor」の大きな特徴となる。アプリケーションのプロセッサとの切り分けが可能になり、機密性の高いタスクなどをセキュアな環境で実行できる。

 加えて、セキュリティチップとして「Titan M2」が導入された。「Titan M2」は「Tensor」のセキュリティコアと連携しながら、ユーザーのデータやパスワードなどを保護する。

 「Google Pixel史上で最も高度なセキュリティを実現した」とされるPixel 6シリーズには、最低でも5年間にわたるセキュリティアップデートが約束される。

 「セキュリティハブ」と呼ばれる機能では、セキュリティに関する設定が一元化される。また、フィッシング対策機能も強化されている。

そのほかの機能

 Pixel 6シリーズは高度な音声認識機能を備えており、これによって精度の高い音声入力や文字起こしなどが実現する。

 「アシスタント音声入力」では、音声入力とタッチ入力を組み合わせてスピーディーに入力できる。また、新たに日本語、フランス語、ドイツ語に対応した「レコーダー」アプリでは、音声の文字起こしや検索をサポートする。

 「リアルタイム翻訳」も強化され、スピーディーかつ正確に外国語を翻訳できるようになった。

 たとえば、メッセージアプリで送られてきた英語のメッセージが日本語に即時翻訳される。また、逆に日本語のメッセージを送った場合には、それが英語に即時翻訳されて相手に届く。メッセージが届くたびに翻訳アプリを開く必要はなく、シームレスなコミュニケーションが実現する。

 こうした機能においてもチップセット「Tensor」の省電力性が役立ち、バッテリー消費を抑えて機能を利用できるという。

アクセサリー

 純正ケースは3630円で販売される。Pixel 6用はストーミースカイ、ライトレイン、コットンキャンディーの3色。Pixel 6 Pro用は、ストーミースカイ、ライトフロスト、ソフトセージの3色に、直販サイト限定のゴールデングローを加えた4色をラインアップする。

 フロスト加工されたケースは半透明になっており、ケースを付けた状態でもPixel 6シリーズの端末自体の色を楽しめる。また、横長のカメラバー部分にぴったりフィットするデザインで、統一感を演出する。

グーグルにとってのPixel 6シリーズとは

 グーグルは20年以上にわたって、「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」をミッションとしてきた。また、人々の暮らしの中にテクノロジーを違和感のないかたちで溶け込ませることを「アンビエント・コンピューティング」と呼び、その実現を目指す。

 Pixel 6とPixel 6 Proは、グーグルが掲げるミッションやビジョンの実現において、重要な役割を担うハードウェアとして発表された。従来のPixelシリーズから大きく刷新されたデザインには、「(Pixel 6シリーズを通して)人々にまったく新しいスマートフォンの体験を届ける」というグーグルの意気込みが表れている。

Pixel 6/Pixel 6 Proのスペック表

Pixel 6の主なスペック
項目内容
サイズ約158.6mm×約74.8mm×約8.9mm
重さ約207g
チップセットGoogle Tensor
ディスプレイ6.4インチ OLED、1,080×2,400(FHD+)、90Hz駆動
メモリー8GB
ストレージ128GB/256GB
4GLTE B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 12 / 13 / 14 / 17 / 18 / 19 / 20 / 25 / 26 / 28 / 29 / 30 / 32 / 38 / 39 / 40 / 41 / 42 / 46 / 48 / 66 / 71
5GSub-6 n1 / 2 / 3 / 5 / 7 / 8 / 12 / 14 / 20 / 25 / 28 / 30 / 38 / 40 / 41 / 48 / 66 / 71 / 77 / 78
SIMデュアルSIM(nano SIM+eSIM)
Wi-FiIEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth5.2
アウトカメラメイン 5,000万画素(F値1.85、センサーサイズ 1/1.31インチ)
超広角 1,200万画素(F値2.2、視野角114度)
インカメラ800万画素(F値2.0)
バッテリー4,614mAh
急速充電対応(30W)
ワイヤレス充電対応
生体認証指紋認証
NFC対応
おサイフケータイ対応
防水防塵IP68
カラーストーミーブラック、ソータシーフォーム、カインダコーラル
Pixel 6 Proの主なスペック
項目内容
サイズ約163.9mm×約75.9mm×約8.9mm
重さ約210g
チップセットGoogle Tensor
ディスプレイ6.7インチ OLED、1,440×3,120(QHD+)、120Hz駆動
メモリー12GB
ストレージ128GB/256GB
4GLTE B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 12 / 13 / 14 / 17 / 18 / 19 / 20 / 25 / 26 / 28 / 29 / 30 / 32 / 38 / 39 / 40 / 41 / 42 / 46 / 48 / 66 / 71
5GSub-6 n1 / 2 / 3 / 5 / 7 / 8 / 12 / 14 / 20 / 25 / 28 / 30 / 38 / 40 / 41 / 48 / 66 / 71 / 77 / 78
ミリ波 n257 / 258 / 260 / 261
SIMデュアルSIM(nano SIM+eSIM)
Wi-FiIEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth5.2
アウトカメラメイン 5,000万画素(F値1.85、センサーサイズ 1/1.31インチ)
超広角 1,200万画素(F値2.2、視野角114度)
望遠 4,800万画素(F値3.5、光学4倍ズーム)
インカメラ1,110万画素(F値2.2)
バッテリー5,003mAh
急速充電対応(30W)
ワイヤレス充電対応
生体認証指紋認証
NFC対応
おサイフケータイ対応
防水防塵IP68
カラーストーミーブラック、クラウディホワイト、ソータサニー

SoftBankオンラインショップ
最新機種の情報をチェック