レビュー
圧巻のカメラ性能! 「Google Pixel 6 Pro」は望遠も夜景もスゴい!
2021年10月26日 01:00
コンピュテーショナルフォトグラフィーの雄「Pixel 6 Pro」
グーグルからついに「Pixel 6」シリーズが登場する。
今回取り上げる端末「Pixel 6 Pro」は独自のチップ「Tensor」を搭載し、AIを駆使して操作体験の快適さとカメラ性能にグッと磨きをかけたフラッグシップ端末になっている。同時発売となる「Pixel 6」よりディスプレイおよびカメラ性能が高いので、写真を楽しみたいのであればこの「Pixel 6 Pro」一択だろう。「Pixel 5」シリーズからデザインも一新され、要注目のAndroidスマートフォン「Pixel 6 Pro」だと言えよう。
基本的な性能などは本紙別記事に譲るとして、本稿では注目のカメラ機能についてのインプレッションをお届けしたい。
高い画素数を集約して高画質化
特徴的なデザインのカメラバー部に収められている「Pixel 6 Pro」のカメラはこのような構成になっている。
- メインとなる広角カメラ
50メガピクセル Octa PD Quad Bayer
ピクセル幅 1.2 μm
絞り値:ƒ/1.85
画角:82°
イメージセンサーサイズ 1/1.31 インチ - 広大な画角を誇るウルトラワイドカメラ
12メガピクセル
ピクセル幅 1.25 μm
絞り値:ƒ/2.2
画角:114°11
レンズ補正 - 圧巻の倍率が魅力の望遠カメラ
48メガピクセル
ピクセル幅:0.8 μm
絞り値:ƒ/3.5
画角:23.5°
イメージ:センサーのサイズ 1/2 インチ
光学ズーム4倍
超解像ズームと望遠カメラによる最大20倍ズーム
目を引く望遠カメラは、ペリスコープ型の光学ズームになっており、グーグルお得意の超解像ズームと合わせて、シャープかつクリーンな望遠写真を撮影可能になっている。
「Pixel 6 Pro」のアウトカメラから出力される画像は12.5メガピクセルで、4080×3072ピクセルというサイズだ。
高画素センサーの利点を活かし、4つのピクセルを1つとして使用し、より多くの光量を束ねて高画質を実現した設計になっている。いわゆるピクセルビニングというやつである。明るい日中から低光量時まで豊かな表現力を目指す思想となっている。
新機能、消しゴムマジックが面白い!
集合写真の背景に「見知らぬ人」が写ったり、記念撮影に「通行人」が写り込んでしまった経験はないだろうか?
「Pixel 6」シリーズにはそんな「ウッカリ写真」をリカバリーする「消しゴムマジック」機能が搭載されている。失敗写真を「Googleフォト」で開くだけでセミオートに処理可能だ。
ポートレートモード
被写体と背景との境界判別に定評があった「ポートレートモード」ももちろん健在だ。
以前の「Pixel」シリーズ同様に被写体との距離に制限がなく、テーブルフォトでも正統派ポートレートでもしっかりとボケ味を堪能できる。「Google フォト」で写真を開き、ボケ量はもちろんピントの位置も自在に変更できるところも変わりがない。光源を追加して強さと位置をコントロールできる「ポートレートライト」も当然使うことができる。
リアルトーン
今回の「Pixel 6」シリーズは人間の肌、いわゆるスキントーンを重視した再現性になっている。
性別や人種による微妙な肌の特性をリアルに表現するべく、数多くのテストショットを経て実装された機能だという。ヒトに強いスマートフォンカメラに仕上げられていると言える。
モーションモード
このモードも、グーグル独自のチップ「Tensor」のパワーによって実現した面白い機能だ。
撮影時に動きのあるものを、まるで長時間露光したかのような動感を付けられるもの。これがなかなか面白い。アイディア次第でユニークなショットを手にできそうである。
夜景モード
「Pixel」シリーズといえば「夜景モード(Night Sight、ナイトサイト)」と呼ばれる機能で暗所撮影に強いというイメージがある。スナップショットはもちろん、星景写真さえも撮影できる素晴らしいものだった。
果たして「Pixel 6 Pro」の威力はどのくらいだろうか?登場したばかりのアップル「iPhone 13 Pro」とグーグル「Pixel 5」とで夜の多摩川河川敷を撮影して比較してみた。
望遠カメラ
「Pixel 6 Pro」の大きな魅力の一つ「望遠カメラ」。
光学4倍のズームに加えて、グーグルお得意の超解像ズームとで最大20倍までの長い焦点距離がウリだ。
「Pixel 4」シリーズも望遠に強かったがそれの再来というイメージだ。
スマートフォンで長い焦点距離はホールドが難しく手ブレの心配もあると思っていたが、使ってみるとこれが安定感が高くなかなか面白い。日ごろデジタルカメラで望遠レンズを愉しんでいる人ならば、「Pixel 6 Pro」で気軽にテレフォトの世界を楽しめるはずだ。
作例
ここからは自由に撮った作例をご覧いただくのだが、「Pixel 6 Pro」の写りがあまりにも素晴らしく、撮影の感触もいい感じでついたくさん写真を撮り過ぎてしまった。その数はセレクトしたら100枚オーバー! 泣く泣く12枚に絞って掲載することにして、あとは自サイトにでも載せようと思っている。
まとめ
本記事執筆にあたりグーグル「Pixel 6 Pro」で撮影を楽しんでいたが、このスマホ、本当に写真撮影をエンジョイできる端末に仕上がっていると感じた。豊かな描写、使える望遠カメラ、美しい夜景モードと実に使いでがある。
独自のチップ「Tensor」の威力で動作もキビキビしており頼もしい。長時間もつバッテリー、そして5G(ミリ波も)対応とスキがない。価格もなかなか戦略的だ。カメラ機能を重視するフォトグラファーにぜひ手にしてもらいたい機種だと言える。
ただ1点気になったのはディスプレイだ。
「Pixel 6 Pro」はサイド部が湾曲したエッジディスプレイを採用しているのだが、これが撮影時のフレーミングによくない。ギリギリの構図を狙っていると微妙に余計なものが入ってしまうことがあった。
このカット右側のように、ちょっとだけ不要なものが入ってしまうのだ。端が湾曲していて視認しづらいからである。もちろん左右(もしくは上下)をよ〜く確認すればいいのだが、それが不要な「Pixel 6」の様なフラットなディスプレイだったら完璧だったのにと思う。
できればソフトウェアアップデートで、湾曲部分にかからないように「カメラ」のファインダー部分を調整してくれたらいいのにな、とここでリクエストしたい。
それ以外は本当に素晴らしいカメラスマートフォンに仕上がっている。望遠カメラは本当に面白いので多くのフォトグラファーに使って欲しいと思っている。