レビュー
Apple WatchやGoogle Pixel Watchと比べた利点は? GARMINの最新フィットネスGPSウォッチ「Venu 4」を使ってみた
2026年5月15日 00:00
2025年10月に発売されたGarmin(ガーミン)のスマートウォッチ「Venu 4」を使ってみた。
ガーミンは高精度のGPSに定評があるメーカーで、スマートウォッチでは幅広いラインアップを展開している。「Venu」シリーズは、多彩な健康モニタリング機能とフィットネス機能を搭載し、幅広いユーザー層をターゲットにしている。
Venu 4は「心電図」アプリを搭載し、Suicaが使える「ウォレット」機能も備えており、ほぼ“全部入り”と言って差し支えないだろう。45mmモデルと41mmモデルがあり、価格はどちらも7万9800円。Apple WatchやGoogle Pixel Watchに対抗するモデルと捉えることもできる。果たして約8万円の価値はあるのか? ガーミンジャパンから45mmモデルをお借りして、1カ月ほど使ってみた。
画面が明るく情報が見やすい
Venu 4を使って、まずメリットだと感じたのが画面の見やすさだ。筆者が使っている45mmモデルは1.4インチの有機ELディスプレイを搭載。高コントラストで情報の視認性が高いのが魅力。
円形のケース素材はステンレススチールで、硬派でスタイリッシュな印象。ディスプレイを保護するガラスには、スマホでもおなじみの「Corning Gorilla Glass 3」が使われており、耐久性の面でも信用できる。
ケースの右側には2つのボタンを搭載。上のボタンを押すとメニューが表示され、使いたい機能を起動できる。長押しすると、ウォッチの状態を確認したり、設定を変更したりできる「コントロール」画面が表示される。
下のボタンを押すと1つ前の画面に戻せる。また、長押しでフラッシュライトを点灯できる。筆者が使っている範囲でライトを必要とすることはなかったが、夜間に鍵穴を照らしたり、暗い場所で何かを落としたりした場合には役立つだろう。
マイクとスピーカーを搭載し、接続したスマホを介して音声通話ができ、音声アシスタント(Siri、Googleアシスタントなど)も利用可能。ウォッチ単体で素早く録音できる「音声メモ」機能も備えている。
バンドはシリコン製で、運動時の装着感もよかった。22mm幅の一般的な仕様なので、好きなデザイン・素材のバンドに交換することもできる。
独自設計のヘルスケア機能がさらに進化
Venu 4は健康モニタリング機能が充実していることを大きな特徴としている。心拍数、皮膚温、血中酸素濃度レベルなど、ベーシックな健康指標の測定機能に加えて、心房細動を検出する「心電図」アプリも搭載。
測定データに基づく身体の状態は、スマホの「Garmin Connect」アプリで詳細な分析結果を見ることができる。特に睡眠は細かく分析された結果が表示され、より良い睡眠をとるためのアドバイスを読むこともできる。
ガーミン独自の「Body Battery」というものも表示される。身体のエネルギー残量を示すもので、リアルタイムの身体の状態を確認でき、休憩を促してくれたりもする。
筆者が気に入ったのは「モーニングレポート」と「イブニングレポート」だ。「モーニングレポート」は、起床時に睡眠、HRV(心拍変動)ステータス、Body Battery、天気、今日の予定などの情報を一気にチェックできる。
一方、「イブニングレポート」は、就寝前に、その日の運動量、必要な睡眠、翌日の予定などが通知される機能。Venu 4の多彩な機能を個別に起動しなくても、これらのレポートを見るだけでも健康に対する意識が維持されるように思えた。
なお、Venu 4には「ライフスタイルの記録」という新機能が搭載されている。飲酒、カフェイン摂取、食事、運動など40種類以上の行動を記録し、睡眠の質やストレス、HRVへの影響を可視化・分析できる機能とのこと。
ただし、ユーザーに最適化された分析やアドバイスが表示されるまでには、ある程度のデータの蓄積が必要らしい。筆者は使い始めて、しばらくしてから、この機能に気付いたため、まだ、詳しくレビューできない状況だ。しかし、ユーザーの生活習慣にまで踏み込んだ画期的な機能だと思うので、今後の進化・普及に期待したい。
GPS精度が高いので、ランやウォークを日課にしている人に最適
運動の記録は80種類以上に対応。メニューの「アクティビティ」または「ワークアウト」から行う運動を選択すると運動量や時間、消費カロリーなどが計測される。目標を細かく設定したり、運動のプランを提案してくれたりもするが、筆者は真剣に運動に取り組んでいるわけではないので、主にウォーキングをするときに起動して使い勝手を試してみた。
ガーミンはGPSの精度の高さに定評があるが、実際、Venu 4で測位される経路もきわめて正確だった。ペースやピッチ、心拍変動などの結果も「Garmin Connect」アプリで振り返ることができる。
バッテリーは余裕で1週間以上持つ
バッテリー駆動時間は、常時表示オフで約12日間、常時表示オンで約4日間(41mmモデルは常時表示オフで約10日間、常時表示オンで約3日間)。筆者が実際に使った範囲でも、ほぼスペック通り。使い始めた当初は常時表示がオンになっていたのだが、フル充電から4日目に残量が10%以下になった。その後、常時表示をオフに変えると、電池持ちは倍増した。
常時表示をオフにしていても、腕を上げるか、画面をタップすると点灯するので不便はない。通知をオンにして、ときどき運動して、装着したままで寝ても、充電は1週間に1度で済みそうだ。Apple WatchやGoogle Pixel Watchの駆動時間も長くなりつつあるが、1週間は持たない。設定や使い方にもよるが2~3日に1回以上の充電は必要だ。Venu 4の電池持ちは大きなメリットと言えるだろう。
Suicaを使えるのが心強い
Venu 4は、キャッシュレス決済ができる「Garmin Pay」も利用できる。筆者が「Garmin Connect」アプリから設定に進むと、iPhoneの「ウォレット」に設定しているクレジットカードの設定画面に導かれたのだが、残念ながらGarmin Payには対応していないと表示された。Garminのウェブサイトで確認したところ、日本ではPayPay銀行、三菱UFJ銀行、ソニー銀行で発行されているVisaデビットカードのみに対応しているとのこと。
また、Suicaにも対応している。Suicaはスマホに設定済みのものを併用したり、転用したりするのではなく、新しいSuicaを発行し、チャージして使う仕組みだ。チャージにはGoogle Payを用いる。Androidのユーザーはスマホに登録しているクレジットカードで決済できるので簡単だ。iPhoneを使っていて、Google Payを使っていない場合は、新たにクレジットカードの登録などが必要になる。
スマートウォッチの決済機能は、スマホを持たずにランニングしているとき、電車やバスに乗りたいが、すぐにスマホや財布を取り出せない場合などに役立つ。Suicaが使えれば十分という人が多いだろう。
他のウォッチから乗り換える価値はあるのか?
筆者はApple Watch Series 10、Google Pixel Watch 4も持っている。それらのモデルには必要なアプリを追加できるという優位性がある。しかし、筆者もそうだが、アプリを追加せずに、ほぼデフォルトのままで使っている人が多いのではないかと思う。ガーミンのVenu 4は多くの人がスマートウォッチに求める機能をもれなく備えている。
日常的な使い勝手は、Apple WatchやPixel Watchと比べて遜色はない。その上で、Venu 4の最大の利点はバッテリー持続時間が長いことだ。余裕で1週間持ち、使い方によっては、それ以上の連続使用も見込める。今使っているスマートウォッチの電池持ちに不満を感じている人は、Venu 4に乗り換える価値は十分にあるだろう。
強いて不満点を挙げるとすると、ユーザーインターフェイスが発展途上という印象を受けることがあった。使い方に迷ったときに、ウォッチの「設定」画面を開くだけではわからないことがあったり、スマホの「Garmin Connect」アプリを開いても、どこで設定できるかがわからず、マニュアルを参照する必要が生じたりした。
機能が多いがゆえの弊害だろうが、便利な機能を見落とすことにもなりかねない。初めてスマートウォッチを使う人でも迷わないように、もう少しわかりやすくなることを期待したい。

























